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二章 思い出の景色を探せ
二章 思い出の景色を探せ その2
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「みんなも幽霊がいるか知りたくて、ウズウズしてるよね。幽霊がいるかチェックしてみよう。霊感が強い兄さんを呼ぶね」
雄誠は霊感が強く、自分に幽霊が見えるだけではなく、周囲の者にも幽霊が見えるようになる。モニター越しにも効果があるのは、過去の動画で実証済みだ。
《やった、お兄さま!》
《幽霊チェックというパワーワードw》
央都也はスマートフォンで雄誠に連絡した。近くで待機してもらっているのだ。初めから雄誠がいると、きっと視聴者に幽霊が見えてしまう。初めはいない状態で部屋を紹介したかった。動画は演出が大切だ。
雄誠は玄関から入ってくると、カメラとして使っている央都也のスマートフォンに向かって一礼をした。相変わらず姿勢がいい。
撮影されることを知っている雄誠は、既に帽子、メガネ、マスクを身に着けている。
「さて、幽霊はどこにいるかな」
央都也はスマートフォンで映しながら、中央で部屋をぐるりと映した。
「あれ?」
幽霊が出てこない。いないはずはないのだが。それとも、央都也が見えないだけだろうか。
「下だ」
雄誠が長い指でチョイチョイとジェスチャーする。
(下?)
央都也が視線を下げると、央都也と重なるように、足元で半透明のおばあちゃんが正座をしていた。
「うわっ、わああぁぁっ」
央都也は飛び上がって雄誠に抱きついてしまった。
(今回は幽霊が出るってちゃんと覚悟してたのに! まさか自分と重なってるなんて思わないじゃないか。そっちはぼくが見えてるんだから、離れてよねっ)
央都也は心の中で霊に八つ当たりした。
またもや、生放送で情けない姿を晒すことになってしまった。
「どうかな、みんな。見える?」
央都也は気を取り直して、おばあちゃんの幽霊をカメラで映した。
《見えるよ。ボブっぽい髪型の白髪で、メガネをかけてる》
《優しそうだよね》
央都也が見えているおばあちゃんと同じだ。ワンピースを着ていて品があり、身体は細いが頬はふっくらとしている。
《幽霊が出たのか。また見えない。くやしいっ》
《私も見えないよぉ。なんかしゃべったら、今回も幽霊の台詞おこしお願いっ》
そんな書き込みも多い。今回も全員が見えるわけではないようだ。
「おばあちゃん、こんばんは」
――はい、こんばんは。
霊がおっとりと返事をした。央都也が話しかけても驚かないのは、雄誠がある程度、央都也のことを伝えていたのだろう。
「お名前を伺っていいですか?」
――田村喜代(きよ)と申します。
「喜代さん、なにか心残りがあるんじゃないですか?」
――そうなんですよ。
喜代は正座のままうなずいた。
(だろうな)
床を張り直しても人型の影が消えないので、次の入居者が決まらないと、大家からメールが届いたのだ。
その影は普段は消えているのだが、内見が来ると浮き上がってくるという。
それは前回に住んだ事故物件で、幽霊の洋平が内見者に話しかけようとして、結果、怖がらせて帰らせてしまった現象に似ている。
(ぼくには影は見えなかったけどね)
雄誠がいなければ、央都也は一生幽霊と無縁だったに違いない。
「じゃあみんなで喜代さんの話を聞いてみようか」
《聞く聞く!》
《やったね》
視聴者はワッと盛り上がる。今回は幽霊との対話を楽しみに集まっている視聴者ばかりなのだろう。
雄誠は霊感が強く、自分に幽霊が見えるだけではなく、周囲の者にも幽霊が見えるようになる。モニター越しにも効果があるのは、過去の動画で実証済みだ。
《やった、お兄さま!》
《幽霊チェックというパワーワードw》
央都也はスマートフォンで雄誠に連絡した。近くで待機してもらっているのだ。初めから雄誠がいると、きっと視聴者に幽霊が見えてしまう。初めはいない状態で部屋を紹介したかった。動画は演出が大切だ。
雄誠は玄関から入ってくると、カメラとして使っている央都也のスマートフォンに向かって一礼をした。相変わらず姿勢がいい。
撮影されることを知っている雄誠は、既に帽子、メガネ、マスクを身に着けている。
「さて、幽霊はどこにいるかな」
央都也はスマートフォンで映しながら、中央で部屋をぐるりと映した。
「あれ?」
幽霊が出てこない。いないはずはないのだが。それとも、央都也が見えないだけだろうか。
「下だ」
雄誠が長い指でチョイチョイとジェスチャーする。
(下?)
央都也が視線を下げると、央都也と重なるように、足元で半透明のおばあちゃんが正座をしていた。
「うわっ、わああぁぁっ」
央都也は飛び上がって雄誠に抱きついてしまった。
(今回は幽霊が出るってちゃんと覚悟してたのに! まさか自分と重なってるなんて思わないじゃないか。そっちはぼくが見えてるんだから、離れてよねっ)
央都也は心の中で霊に八つ当たりした。
またもや、生放送で情けない姿を晒すことになってしまった。
「どうかな、みんな。見える?」
央都也は気を取り直して、おばあちゃんの幽霊をカメラで映した。
《見えるよ。ボブっぽい髪型の白髪で、メガネをかけてる》
《優しそうだよね》
央都也が見えているおばあちゃんと同じだ。ワンピースを着ていて品があり、身体は細いが頬はふっくらとしている。
《幽霊が出たのか。また見えない。くやしいっ》
《私も見えないよぉ。なんかしゃべったら、今回も幽霊の台詞おこしお願いっ》
そんな書き込みも多い。今回も全員が見えるわけではないようだ。
「おばあちゃん、こんばんは」
――はい、こんばんは。
霊がおっとりと返事をした。央都也が話しかけても驚かないのは、雄誠がある程度、央都也のことを伝えていたのだろう。
「お名前を伺っていいですか?」
――田村喜代(きよ)と申します。
「喜代さん、なにか心残りがあるんじゃないですか?」
――そうなんですよ。
喜代は正座のままうなずいた。
(だろうな)
床を張り直しても人型の影が消えないので、次の入居者が決まらないと、大家からメールが届いたのだ。
その影は普段は消えているのだが、内見が来ると浮き上がってくるという。
それは前回に住んだ事故物件で、幽霊の洋平が内見者に話しかけようとして、結果、怖がらせて帰らせてしまった現象に似ている。
(ぼくには影は見えなかったけどね)
雄誠がいなければ、央都也は一生幽霊と無縁だったに違いない。
「じゃあみんなで喜代さんの話を聞いてみようか」
《聞く聞く!》
《やったね》
視聴者はワッと盛り上がる。今回は幽霊との対話を楽しみに集まっている視聴者ばかりなのだろう。
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