幕末☆妖狐戦争 ~九尾の能力がはた迷惑な件について~

カホ

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文久3年

九尾の狐の能力がはた迷惑すぎる件について(参)

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 現在、私は社のどこかで膝を抱えて………いるはず。目の前は真っ暗、お先も真っ暗。

 どうしてこうなった。

 鏡を見て、自分の瞳が九尾の狐と同じものになっていることに気づいたあと、私は強烈な頭痛に襲われて意識を飛ばしてしまった。

 頭痛に襲われて気絶なんて経験はそうそうお目にかかれないけど、まあ、それはいい。

 問題なのは目を覚ましたら、自分がいつの間にか人間をやめさせられていることだ。

 まず何も見えないし、何も聞こえないし、何も感じない・・・・・・

 匂いを感じることもできなければ、しゃべることもできない(耳聞こえないから本当かどうかわからないが)。

 ついで舌もバカになっているようだ。

 あと、よくわからないけど身体中から変な力が湧いてくる。うまく説明はできない。科学では説明できない何かだと思うから。




 私、どうした?




 何も感じないせいで、今自分がどんな状況なのかもわからない。

 だって皮膚の感覚・・・・・がないんだもん。今自分がどこに触れているのかもわからない。

 手足を動かす感覚は感じるが、まるで空中をさまよっているかのように、手をついても床の感触はないし、足の裏にも床を感じない。




 私マジでどうした?




 状況整理が追いつかずに、頭がショートしそうになっている私だったが、ふとどこからともなく声を聞いた。

『お主!おい、お主じゃ!』

 目が見えないから何も視覚情報がない。誰だろう?私、今耳は聞こえていないはずなんだけど?

『妾はお主の心に直接語りかけているのじゃぞ!』
(おっと、そうだったのか。気づかんですいませんね)
『ふんっ!そんなことよりもなんてことしてくれたのじゃ!』

 はい?

(なんてこと、とはなんでしょう?)
『お主は妾の力を99割持って行ってしまったのじゃ!どうしてくれる!』
(99割っておかしくね?普通に9割で良くね?それに力ってなんのこと?)
『細かいことを気にするでない!妾の力は全部お主が持っているではないか!』
(私が持ってる?)

 あ、もしかして身体中から湧いてくるこの変な力のこと?

『変な力じゃと!?お主、崇高なる妾の力をなんだと思っておるのじゃ!』
(あー、はいはい。スイマセーン)
『ムキー!お主ムカつくのじゃ!』

 つーか私の心を勝手に読むなよ。プライバシーの権利違反だぞ。わかってるかどうか知らないけど。

(それで、あなたはどなた様でしょうか?)

 知ってるけど聞くよ。

『嫌がらせか、お主!妾は九尾の狐じゃ!今はわけあって黒猫の姿になっておるが………』
(黒猫!?)

 あの上から落ちてきた黒猫か!

 しかし、なんで狐なのに猫なんだ?

 ……あ、猫は9回死ぬってよくいうか。ああ!なるほど。九尾の狐は9回死ねるから猫なのか。ふむふむ。

『お主!何を一人で納得しているのじゃ!そんなわけないであろう!妾が上から落ちてきたのはお主にぶっ飛ばされたからじゃ!誰のせいだと思っておる!』
(あ、それについては謝罪しますって。私も身を守るのに必死だったもんで)
『それに、今9回死ねるのは妾ではなくお主なのだぞ!』
(しかし……そうかそうか、だから猫………え?)




 なんだって?
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