案内人は黒猫

松葉 楓

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いつもの通学路

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高校2年になって約3ヶ月。すっかり街の中の木々の緑は深くなり、縁石の脇から紫陽花の花が咲いている。
そんな中、僕はいつものように学校からの帰り道を歩いていた。
まだ梅雨明けまでには数週間かかりそうで、今日は幸い朝から天気予報は雨ではなかったが、空は曇り空で今にも雨が降り出しそうな色だった。

今日は傘持ってきてないな…
もし雨降ったらどうしようかな…
雲の隙間から晴れないかなとか考えながらゆっくりと歩き、ぼんやりと空を見上げていたので、僕は足元にいた存在に声が聞こえるまで気づかなかった。

声がした方へ目を向けると灰色のコンクリートの歩道の上に、コンクリートの色よりももっと濃い色の黒猫が、僕より1、2歩離れたところから僕を見上げていた。

僕は目の前に現れた存在に驚き、まるで自分自身が猫になったかのように、その黒猫を見つめたまま咄嗟に数歩後退りその場にしゃがみ込んだ。
その間もその黒猫は僕から目を離すことはなかった。

そして、しばらく目があったまま静かな無言の微妙な間があった。
その微妙な沈黙がもどかしくて、僕が一歩だけ前に足を踏み出そうと、足を動かした瞬間、黒猫は勢い良く走り出して近くの民家の塀を飛び越えて見えなくなってしまった。

何だったんだろうと思いながらも、特に深く考える事も無くその日は眠りに着いた。


だがしかし、僕はその日から何度も同じ猫を見ることになるのであった。
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