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初朝、初昼、初夜
しおりを挟む僕はソーマと上下を替わり、瞳を潤ませながら僕を見上げるソーマを見下ろしながら、皮の皺を先や根元に作る遊びを楽しんだ。
ソーマを見下ろしていると、僕の内にだんだん征服欲が湧き出し、すっかり立ち上がった自分の切っ先から出る体液を手に取り、ぬちゃぬちゃ言わせながら擦り続け、とうとうソーマが泣きながらイッた。
呼吸を整えながら、ソーマが僕と上下を入れ替わる。
「今度は、ケイを気持ちよくさせますね。」
ソーマが純粋に笑顔だったのはその言葉を言い終えた直後までだった。
以降はギラギラとした挑発するような視線を終始浴び、最後は二人で雄叫びをあげ、同時にイッた。
初昼の時間は少し休息を取りながら風呂で過ごした。
甘いドリンクを煽ったり、キスしたり、唇に軽食を挟んで両端から食べ合ったり、食べさせ合ったりした。
ソーマに後ろから介助されながら用を足したりもした。
恥ずかしかったけれど、腰が立たなかったのだ。
だからと言って尿瓶はどうしてもイヤで、でも一人で立てなかったので仕方ないと割り切った。
それから、一度ソーマの魔法で盛装に着替え、二人で婚姻お祝いディナーを楽しみ、それから服のまま二人でベッドに倒れ込んだ。
僕もソーマも普通の貴族風のピタッとした白タイツみたいにピタッとしたズボンのまま足を絡め合って、ソーマとキスを交わす。
まだ、デザートのシャーベットのりんごの香りを残したままのキスが、だんだんと深くなる。
舌同士の触れ合いが、舌の動きが、唾液の味が、息継ぎのタイミングが、互いが互いにとって唯一だと、本能に訴えてくる。
「…ソーマ」
口外で交わった舌を一度引っ込めると、今度は名前を呼んだ。
「ケイ?」
「僕はソーマを愛してる。もう、離さないで。ずっと一緒に居ようね。」
「はい。約束ですよ。」
僕らは約束のキスをする。
それは唇同士がくっついて、離れる時にチュッと控えめにリップ音が鳴るタイプのキスだ。
それから僕らはソーマの魔法で全裸になって、腕や足を絡ませながら、ソーマの腕枕で眠った。
ソーマの鼓動がドクドクと力強く、僕としてはとても落ち着いて、いろいろあった疲れもあって、それほど時を置かずに眠りについた。
『ひああぁぁぁーーーんっ!!! もう許してぇ!!』
翌朝の僕らは、小鳥のさえずりなんかではなく、こんな声に目を覚まされた。
『ぁん! やぁあ! あンっ! ぁああーー!!』
こんな声は、公爵家の本邸の方から聞こえて来ていた。
これまでこんなことはなく、僕とソーマはシャツとズボンという平民的な簡単な服装で本邸へと走った。
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