お嬢様の身代わり役

325号室の住人

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カーテンコール(番外編) BL要素薄め

  前々王の第1王子だった男

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前々王の第1王子だった男…
彼は、転生者だった。






俺の父が治める豊かな国、俺はその国の第2子である第1王子だった。
実は俺には、前世の記憶がある。

この世界は俺の前に居た世界のおとぎ話としてよく聞く話の世界だった。
当時の姉が大学院でこの世界について研究していて、このおとぎ話の舞台になった場所に留学していた関係で、話が生まれた時代背景やらモデルになった場所や人などの情報は、そこらの男子大学生よりも詳しかった。

俺は第1王子だし、様々な学びや体力作りなんかを通して見聞を広げ、順当に行けばこのまま国王になるのだろうと、周りも、それに自分も思っていた。

しかしあの日…
隣国に嫁ぐ姉である王女が俺だけに告げたのだ。

『この国、ラノベの世界よ。』
と。

もちろん俺は言った。この世界は、あのおとぎ話の世界だと。
けれど姉は言ったんだ。

『そのおとぎ話の設定を利用したラノベよ。このまま話が進めば、この国は滅ぶし貴方は絞首刑よ。
お父様が亡くなった時の貴方の動き次第。それから、運良く国外追放になった時には、私のところに来ること。』

──まさか姉上も転生者だったなんて…

すると、俺の表情を見た姉上が言ったのだ。

『あたしはただの王女よ。記憶を持っているのは、私の未来の夫。貴方1人くらい、私だって何とかできるわ。だから必ず、私のところに来るのよ。』

姉が嫁ぐのは、隣国の第2王子だった。

『もしラノベの通りに話が進むと、この国と隣国は戦争になるそうよ。そしてこの国は滅びてしまう。
あの人、戦争はどうしてもイヤなんですって。
まぁ、貴方は根っこが面倒臭がりだもの。きっと流されてしまうんじゃないかしら。
でも、「あちらの記憶があるなら、絶対に戦争はイヤなはずだ。」って、あの人が言うのよ。
「私の弟よ!」ってちょっとケンカになったわ。』

姉はそう言って笑った。

その後、父の姉の友人を名乗る桃色の髪の自称聖女により引っ掻き回され、父の腹心の部下達がその女に魔法のように魅了されてしまった。
そのうち父が亡くなってしまい、腹心の部下達は暴走して国は大混乱。
病死だったはずの父をなぜか俺が殺したことになり、俺は巧い具合に国外追放となり、姉を訪ねた。

すると、何故か姉の夫が国王になって姉は王妃になっていた。
俺は騎士団の寮に住まわせてもらい、隣国で衣食住を確保できた。



そして、愛する人に出会い、シドや他の子どもたちも生まれ、騎士団は退団し、一家で冒険者になり、世界中を旅して……
きちんと血の繋がった弟に息子が生まれた時は、一家で会いに行った。
まぁ結局、弟の奥方様の葬式になっちまったが……



弟の息子のところには面倒臭ェ継母が入り込んだらしいから、それ以降は成人の祝の時だけだな、会ったのは。

俺の知ってるおとぎ話の知識、姉経由で聞いたラノベの知識、両方のストーリーの始まりまであと僅かになってきたから、そこに登場するハイドにはちゃんと言い聞かせておこうと思ってのことだ。



どうか、この豊かな国の未来が、明るいものになりますように……


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