21 / 75
ミヤさんの悪手への対応
しおりを挟む
母様、母様。やっぱり人間は不思議なのです。
ん?急にどないしたの?
前に母様が言ってたお話を今思い返したのです。
やっぱり人間が生き残ったのは不思議なのです。
あぁ、あの話な。あの頃は人間にとっての神様が2人程おったんやで。
神様……なのです?
そや。そのおかげさんで生き残れたんやで。
どんな神様だったのです?
ふふ……秘密やなぁ。
▽
パパラのおかげか風邪も一日で治り、今日は仕事へ。
ミヤさんへ休んでしまった事への謝罪と、昨日変わったことが無かったかを聞きに行き……
みんな気のせいかよそよそしいのは何故でしょうか?
ミヤさんは昨日の事が話題がなると明らかに目を反らしましたし……
ツヅラオに聞いても
「頑張ってくださいなのです」
と帽子をぎゅうっと深く被って目を合わせないようにしてきますし……
まぁ、この辺りで多少嫌な予感はしていたのですが……
ドドドドドドドドド
と擬音が見えてくるくらいの全力疾走で、
50人は下らない冒険者さん達が、
ギルドに入れるようになった瞬間ダンジョン課を目指して来てですね。
あの戦闘を見てやる気になったのか、
と一人感心していましたら
「俺のパーティに」「馬鹿野郎俺の方が先だったんだぞ」「前衛が少ないのでうちにぜひ」
「いやそれより俺と手合わせを」「昨日は本人不在で帰ったんだから本人居るなら話を」
と、捲し立てられ
困り果ててミヤさんを振り返れば、天を見上げながら口笛なんて吹いてますし……
ひょっとして……これ全員昨日も来てたんですかね……
いや、確かに人間と誤魔化せたままだったとはミヤさん言ってましたが、
まぁ、でも、確かにパーティに勧誘したくなりますよね……
はてさて、人間などとつるむつもりなどかけらすら思ってませんし、どう断ろうか。
ふむ、こう答えてみますか。
「えと……その……」
と私が口を開くと、それまで各々が思い思いの事を話していた冒険者が、
一斉にシィンと水を打ったように静まり返る。
どんな事を言うのか絶対に聞き漏らさないという意思が伝わってくる。
「わ、私、一昨日の様に戦闘をしますと、昨日の様に体調を崩してしまう体になってしまったので冒険者を諦めざるをえなかったので、……私がパーティに入ってもお役には立てない……かと」
ミヤさんがこちらに動いてくるのを横目で確認。フォローをしに来てくれているのでしょうか。
「なので、手合わせというのも……」
約半分の冒険者が明らかに残念そうな顔になり、もう半分は、でも、と言いたげな顔。
そこへミヤさん到着。
「一昨日の戦闘も俺が無理矢理頼み込んでやって貰ったんだ。それぐらい今の冒険者が不甲斐ないんだ。お前らは体に難を抱えて引退した女の子をまた冒険者に戻すつもりか?体に鞭打って、戦闘のたびに体調崩させて辛い思いをさせ続ける気か?」
怒鳴る、ではなく諭すように。
「彼女を超えてやる、と意気込んで頑張っている冒険者だってたくさんいる。お前らはその考えに至らないのは何でだ?彼女をパーティに入れて楽しようとでも思っているんじゃないだろうな?」
最初は反論しようとしていた冒険者もいたが、この言葉で完全に押し黙る。
自分の中に甘えがあった、と。
心の中に思い当たる節があったのだろう。
そして、
「そんでもって、手合わせ?そっちは笑えて来るぞ。俺にすら勝てないお前らみたいな未熟者が、Sランク相手に立ち回った彼女に万に一つの勝ちの目もねぇよ。まずは俺を1対1で倒してみろや」
にっかりと笑い、そう言い放つ。
段階を踏め、と。
詰め掛けている冒険者には手練れの冒険者も少なくはないが、それらもひっくるめて
”未熟者”と言えるミヤさんの頼もしさたるや……
「あの戦闘の映像はギルドで販売してるから、勉強する気があるなら買ってけや」
それが冒険者達に向けた最後の言葉となり、
ダンジョン課へ詰め掛けた冒険者達は、そっくりとミヤさんの教育課へ移動する。
あの映像……中継だけではなく録画すらされていたんですか……
いいようにやられたのであまり見られたくないんですけど……
まぁとりあえず嵐は去った。とフォローをくれたミヤさんに感謝しつつ、自分の机へ戻る。
ツヅラオから
「昨日は本人不在という事で引き取ってもらった方々なのです。問題を後回しにしても大丈夫なのですかと昨日聞いたのですが、ミヤさんはなんとかなるっしょーと言ってただけだったのです」
と昨日の事を聞かせて貰い、
私が説明した内容でゴリ押せるフォローを思いついたから助け船を出した。
という結論に私の中で至り、先程の感謝が若干薄くなってしまったのであった。
*
「一昨日の戦闘を見た人達が積極的にダンジョンに挑戦するようになってるみたいなのです」
とツヅラオから報告を受け、確認してみれば
うわー、過去最高にダンジョンが利用されていますね。
これをちゃんと被らないように捌いてくれたツヅラオにはなでなでしてあげましょう。
少しだけ背伸びして挑戦したような冒険者もいるのでしょうかAランクのダンジョンもちらほらと紹介しているみたいですし。
早く皆さん強くなって頂きたい次第で。
というかこれ、モンスターの補充依頼が大変なことになりそうな……
まぁツヅラオ居ますし……何とかなって欲しいですね。
と、こうして午前中は押しかけてきた冒険者への対応と、ダンジョンの紹介を希望する冒険者の対応をして終了した。
午後からは…………地獄が待っていました。
ん?急にどないしたの?
前に母様が言ってたお話を今思い返したのです。
やっぱり人間が生き残ったのは不思議なのです。
あぁ、あの話な。あの頃は人間にとっての神様が2人程おったんやで。
神様……なのです?
そや。そのおかげさんで生き残れたんやで。
どんな神様だったのです?
ふふ……秘密やなぁ。
▽
パパラのおかげか風邪も一日で治り、今日は仕事へ。
ミヤさんへ休んでしまった事への謝罪と、昨日変わったことが無かったかを聞きに行き……
みんな気のせいかよそよそしいのは何故でしょうか?
ミヤさんは昨日の事が話題がなると明らかに目を反らしましたし……
ツヅラオに聞いても
「頑張ってくださいなのです」
と帽子をぎゅうっと深く被って目を合わせないようにしてきますし……
まぁ、この辺りで多少嫌な予感はしていたのですが……
ドドドドドドドドド
と擬音が見えてくるくらいの全力疾走で、
50人は下らない冒険者さん達が、
ギルドに入れるようになった瞬間ダンジョン課を目指して来てですね。
あの戦闘を見てやる気になったのか、
と一人感心していましたら
「俺のパーティに」「馬鹿野郎俺の方が先だったんだぞ」「前衛が少ないのでうちにぜひ」
「いやそれより俺と手合わせを」「昨日は本人不在で帰ったんだから本人居るなら話を」
と、捲し立てられ
困り果ててミヤさんを振り返れば、天を見上げながら口笛なんて吹いてますし……
ひょっとして……これ全員昨日も来てたんですかね……
いや、確かに人間と誤魔化せたままだったとはミヤさん言ってましたが、
まぁ、でも、確かにパーティに勧誘したくなりますよね……
はてさて、人間などとつるむつもりなどかけらすら思ってませんし、どう断ろうか。
ふむ、こう答えてみますか。
「えと……その……」
と私が口を開くと、それまで各々が思い思いの事を話していた冒険者が、
一斉にシィンと水を打ったように静まり返る。
どんな事を言うのか絶対に聞き漏らさないという意思が伝わってくる。
「わ、私、一昨日の様に戦闘をしますと、昨日の様に体調を崩してしまう体になってしまったので冒険者を諦めざるをえなかったので、……私がパーティに入ってもお役には立てない……かと」
ミヤさんがこちらに動いてくるのを横目で確認。フォローをしに来てくれているのでしょうか。
「なので、手合わせというのも……」
約半分の冒険者が明らかに残念そうな顔になり、もう半分は、でも、と言いたげな顔。
そこへミヤさん到着。
「一昨日の戦闘も俺が無理矢理頼み込んでやって貰ったんだ。それぐらい今の冒険者が不甲斐ないんだ。お前らは体に難を抱えて引退した女の子をまた冒険者に戻すつもりか?体に鞭打って、戦闘のたびに体調崩させて辛い思いをさせ続ける気か?」
怒鳴る、ではなく諭すように。
「彼女を超えてやる、と意気込んで頑張っている冒険者だってたくさんいる。お前らはその考えに至らないのは何でだ?彼女をパーティに入れて楽しようとでも思っているんじゃないだろうな?」
最初は反論しようとしていた冒険者もいたが、この言葉で完全に押し黙る。
自分の中に甘えがあった、と。
心の中に思い当たる節があったのだろう。
そして、
「そんでもって、手合わせ?そっちは笑えて来るぞ。俺にすら勝てないお前らみたいな未熟者が、Sランク相手に立ち回った彼女に万に一つの勝ちの目もねぇよ。まずは俺を1対1で倒してみろや」
にっかりと笑い、そう言い放つ。
段階を踏め、と。
詰め掛けている冒険者には手練れの冒険者も少なくはないが、それらもひっくるめて
”未熟者”と言えるミヤさんの頼もしさたるや……
「あの戦闘の映像はギルドで販売してるから、勉強する気があるなら買ってけや」
それが冒険者達に向けた最後の言葉となり、
ダンジョン課へ詰め掛けた冒険者達は、そっくりとミヤさんの教育課へ移動する。
あの映像……中継だけではなく録画すらされていたんですか……
いいようにやられたのであまり見られたくないんですけど……
まぁとりあえず嵐は去った。とフォローをくれたミヤさんに感謝しつつ、自分の机へ戻る。
ツヅラオから
「昨日は本人不在という事で引き取ってもらった方々なのです。問題を後回しにしても大丈夫なのですかと昨日聞いたのですが、ミヤさんはなんとかなるっしょーと言ってただけだったのです」
と昨日の事を聞かせて貰い、
私が説明した内容でゴリ押せるフォローを思いついたから助け船を出した。
という結論に私の中で至り、先程の感謝が若干薄くなってしまったのであった。
*
「一昨日の戦闘を見た人達が積極的にダンジョンに挑戦するようになってるみたいなのです」
とツヅラオから報告を受け、確認してみれば
うわー、過去最高にダンジョンが利用されていますね。
これをちゃんと被らないように捌いてくれたツヅラオにはなでなでしてあげましょう。
少しだけ背伸びして挑戦したような冒険者もいるのでしょうかAランクのダンジョンもちらほらと紹介しているみたいですし。
早く皆さん強くなって頂きたい次第で。
というかこれ、モンスターの補充依頼が大変なことになりそうな……
まぁツヅラオ居ますし……何とかなって欲しいですね。
と、こうして午前中は押しかけてきた冒険者への対応と、ダンジョンの紹介を希望する冒険者の対応をして終了した。
午後からは…………地獄が待っていました。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる