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厄介者
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う~ん。なんかレベル上がりにくくない?
もっと序盤だからガンガン上がるイメージだったけど、10超えてから上がるの遅いわよね。
いやいやいやいや、何言ってんだお前ら。お前らの年齢で10超えてるのなんか数える程度にしかいねぇぞ。
その通りです。もっと自信を持っても……
そ、そうかな。
イメージと違うことだらけで結構もどかしいのよね。
▽
「マデ姉、冒険者様がお待ちなのです」
タバコ休憩から戻るなりツヅラオに言われ窓口のほうを見れば、ああこの人ですか。
最近来ないからどこかでくたばってくれたものと思っていたのですがそうですか、生きていましたか。
「お知り合い……なのです?」
「いえ「もちろんですよ。私はマデラさんと愛を誓い合った仲です。数々の困難に見舞われ、しかしお互いにお互いを助け合い、愛を育んでいった恋仲なんです!」
私の言葉を遮り、勝手に無い事をべらべらと……
ツヅラオ、そんなに目を見開いてこちらを見ないでください。悲しくなります。
「この方は……ストーカーです」
「まぁた照れちゃって」
ニヤニヤしながらこちらを見て居ますが本当に不快ですね。
「さぁ、今日も僕と愛を育もうじゃないか!」
脳内のお花畑でも現実に見えているんでしょうかこの方は。全く、毎度毎度相手をするのはしんどいです。
「本当にマデ姉はお知り合いではないのです?」
「断じて違います。簡単に説明するとダンジョン内で冒険者が死にかけているとダンジョンマスターから報告があり、見に行ってみればこの方が倒れていたので町へ搬送し説教をしたのですが……」
「その熱い愛の囁きに負けて彼女の愛に答えるべく、こうして仕事場まで逢いに来る仲になったのさ~」
「なるほどなのです。つまりは質の悪い変質者って扱いでいいのです?」
「構いません。毎回追い払うのに苦労しています」
最初は単に口で言えば大人しく帰っていたんですよ。それが段々と帰らなくなって、ミヤジさんの一喝からギルド内全職員協力の元の追い出し、最終的に1週間ほど私自身が留守にすることでようやく帰った。なんてこともありました。
「またまた~ほんとはマデラも悪い気はしてない癖に」
またいつもの軽口かと思えば途中で緩んでいた顔が引き締まり、私の後ろに目を向ける。
振り返って確認すれば、そこには両の掌に桜色の炎を宿したツヅラオが。
おや、いつの間に。狐火が出せる様になっていたのですか。
「ツヅラオ、やめなさい」
「でも、マデ姉が迷惑しているのです!僕が追い払うのです!」
そういってストーカーに突っ込んで行ったツヅラオは、
「ほいっと」
あっさり一撃を受け止められ、そのまま地面に組み伏せられる。
その人、冒険者でもかなり強い部類です。姿がまんま道化師ですし、言動もおかしいので皆さん油断しますが、現役でもトップクラスに強い吟遊詩人です。
ツヅラオから仕掛けて行ったので、悪いのは私の静止を無視した彼なのですが。
流石に組み伏せられたままというのは見ていて不快です。
組み伏せられたツヅラオの姿も、組み伏せている満面の笑みの変態ストーカー野郎も。
とりあえずストーカーの首から上を胴体から離してあげようと人間の体での限界で蹴りを入れましたが、片手で受け止めるんですよねこいつ。
「愛の重さの乗った言い蹴りだね。だけど、女性が脚を上げるのはいただけないなぁ」
受け止めたまま私の脚をじっとりと舐めるように見てくるのが身震いするほど気持ち悪いです。
しかし離せないですね、本当に。
流石に見かねたのかミヤジさんが私の名前を呼ぶのが聞こえる。
「マデラー!お客さんだぞー!」
今日は私目当ての来訪者が多いもので……!?
いきなり掴んでいた足を離され、バランスぞ崩しかける。
押さえつけていたツヅラオも放しフラフラとどこかへ。
向かう先には私を訪ねて来たであろう来訪者の姿が。……何故、リリスがここに?
*
「紅茶で良かったですよね?」
「構いませんわ、果物のジャムでもあればなお嬉しいですが」
「流石にギルドには無いのです。家に帰れば手作りのがあるのですが」
「後で貰いに行きますわ。さてドラさん。実は折り入ってお頼みしたいことがございますの。……さっきからしつこいですわね」
一目見た瞬間にリリスに魅了され、私もツヅラオも最早眼中になく、リリスに付いて回り、肩を揉んだり何だりと何かと世話を焼きたがる元ストーカーに一発蹴りをお見舞いするリリス。
恍惚の表情で受けてますけどね。そいつ。
しかしリリスの魅了で本当に助かりました。普段モンスター相手に使っていませんので実感は沸きませんが、ピンポイントであのストーカーのみを魅了させたのは流石の一言です。
「お願いとは何でしょうか」
「私を、魔王様の元へ連れて行ってくださらない?」
「あ、僕も!それなら僕も一緒に行きたいのです!」
ツヅラオはともかくリリスは前に一度連れて行って……あぁ、その後に転醒したんでしたか。
しかも今考えれば固有転醒のほうでしたね。
その時に上塗りされて場所を忘れてしまっている……と。
「仕事が終わってからにはなりますが、構いません。2人ともを魔王城へとお連れします」
構いはしませんが、一体何をしに行く気ですかね?
もっと序盤だからガンガン上がるイメージだったけど、10超えてから上がるの遅いわよね。
いやいやいやいや、何言ってんだお前ら。お前らの年齢で10超えてるのなんか数える程度にしかいねぇぞ。
その通りです。もっと自信を持っても……
そ、そうかな。
イメージと違うことだらけで結構もどかしいのよね。
▽
「マデ姉、冒険者様がお待ちなのです」
タバコ休憩から戻るなりツヅラオに言われ窓口のほうを見れば、ああこの人ですか。
最近来ないからどこかでくたばってくれたものと思っていたのですがそうですか、生きていましたか。
「お知り合い……なのです?」
「いえ「もちろんですよ。私はマデラさんと愛を誓い合った仲です。数々の困難に見舞われ、しかしお互いにお互いを助け合い、愛を育んでいった恋仲なんです!」
私の言葉を遮り、勝手に無い事をべらべらと……
ツヅラオ、そんなに目を見開いてこちらを見ないでください。悲しくなります。
「この方は……ストーカーです」
「まぁた照れちゃって」
ニヤニヤしながらこちらを見て居ますが本当に不快ですね。
「さぁ、今日も僕と愛を育もうじゃないか!」
脳内のお花畑でも現実に見えているんでしょうかこの方は。全く、毎度毎度相手をするのはしんどいです。
「本当にマデ姉はお知り合いではないのです?」
「断じて違います。簡単に説明するとダンジョン内で冒険者が死にかけているとダンジョンマスターから報告があり、見に行ってみればこの方が倒れていたので町へ搬送し説教をしたのですが……」
「その熱い愛の囁きに負けて彼女の愛に答えるべく、こうして仕事場まで逢いに来る仲になったのさ~」
「なるほどなのです。つまりは質の悪い変質者って扱いでいいのです?」
「構いません。毎回追い払うのに苦労しています」
最初は単に口で言えば大人しく帰っていたんですよ。それが段々と帰らなくなって、ミヤジさんの一喝からギルド内全職員協力の元の追い出し、最終的に1週間ほど私自身が留守にすることでようやく帰った。なんてこともありました。
「またまた~ほんとはマデラも悪い気はしてない癖に」
またいつもの軽口かと思えば途中で緩んでいた顔が引き締まり、私の後ろに目を向ける。
振り返って確認すれば、そこには両の掌に桜色の炎を宿したツヅラオが。
おや、いつの間に。狐火が出せる様になっていたのですか。
「ツヅラオ、やめなさい」
「でも、マデ姉が迷惑しているのです!僕が追い払うのです!」
そういってストーカーに突っ込んで行ったツヅラオは、
「ほいっと」
あっさり一撃を受け止められ、そのまま地面に組み伏せられる。
その人、冒険者でもかなり強い部類です。姿がまんま道化師ですし、言動もおかしいので皆さん油断しますが、現役でもトップクラスに強い吟遊詩人です。
ツヅラオから仕掛けて行ったので、悪いのは私の静止を無視した彼なのですが。
流石に組み伏せられたままというのは見ていて不快です。
組み伏せられたツヅラオの姿も、組み伏せている満面の笑みの変態ストーカー野郎も。
とりあえずストーカーの首から上を胴体から離してあげようと人間の体での限界で蹴りを入れましたが、片手で受け止めるんですよねこいつ。
「愛の重さの乗った言い蹴りだね。だけど、女性が脚を上げるのはいただけないなぁ」
受け止めたまま私の脚をじっとりと舐めるように見てくるのが身震いするほど気持ち悪いです。
しかし離せないですね、本当に。
流石に見かねたのかミヤジさんが私の名前を呼ぶのが聞こえる。
「マデラー!お客さんだぞー!」
今日は私目当ての来訪者が多いもので……!?
いきなり掴んでいた足を離され、バランスぞ崩しかける。
押さえつけていたツヅラオも放しフラフラとどこかへ。
向かう先には私を訪ねて来たであろう来訪者の姿が。……何故、リリスがここに?
*
「紅茶で良かったですよね?」
「構いませんわ、果物のジャムでもあればなお嬉しいですが」
「流石にギルドには無いのです。家に帰れば手作りのがあるのですが」
「後で貰いに行きますわ。さてドラさん。実は折り入ってお頼みしたいことがございますの。……さっきからしつこいですわね」
一目見た瞬間にリリスに魅了され、私もツヅラオも最早眼中になく、リリスに付いて回り、肩を揉んだり何だりと何かと世話を焼きたがる元ストーカーに一発蹴りをお見舞いするリリス。
恍惚の表情で受けてますけどね。そいつ。
しかしリリスの魅了で本当に助かりました。普段モンスター相手に使っていませんので実感は沸きませんが、ピンポイントであのストーカーのみを魅了させたのは流石の一言です。
「お願いとは何でしょうか」
「私を、魔王様の元へ連れて行ってくださらない?」
「あ、僕も!それなら僕も一緒に行きたいのです!」
ツヅラオはともかくリリスは前に一度連れて行って……あぁ、その後に転醒したんでしたか。
しかも今考えれば固有転醒のほうでしたね。
その時に上塗りされて場所を忘れてしまっている……と。
「仕事が終わってからにはなりますが、構いません。2人ともを魔王城へとお連れします」
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