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事件①
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僕が殿下の元へ通うようになって数ヶ月すぎた。
その間に「僕に敬語はいらない」といわれ、それは流石に…ダメだろ…と思って抵抗していたら「二人の時だけ」と約束されてしまった。
それと、殿下に毎週一冊、本を貰うようになった。これが一番不思議すぎる。遠回しに「お前には学がないから、本を読め」といわれてるのかと思った。6歳児には、太くて重い本を読むのきついのに…。部屋が本だらけで、そろそろ置く場所がなくなってきて、困っている。少しは殿下と仲良くなれたと思っているけど、結局の所、ヴィンセント殿下はどう思っているのだろう?
いつも通りに、殿下の部屋の前につき、部屋をノックする。今日は週の初めだから、その本を貰う日だ。今日こそは、もう本は大丈夫ですと断るぞ!と意気込んできた。
「殿下~?いないんですかー?」
なんか、妙に今日は王宮が静かな気がする。ヴィンセント殿下が生活している棟は政をする場所とはてんでかけ離れた所にあるので、いつも静かといえばそうなんだけど。
扉を開け、中に入る。前に「返事がなく、僕が不在でもルイゼなら入ってもいい」と言われ、まぁ。殿下がいいならいいかと思って頷いたのだ。
部屋に入り、ぐるっと見渡した。机の上には書きかけのメモがあり、覗き込むと本の題名が何個か書いてあった。
そして、“ルイゼの好きな本がわからない”とも小さくかいてあった。
僕は、毎週くれる本は殿下がちゃんと選んでくれていたんだ…。嫌がらせじゃなかった!と思い、思わずにやけてしまった。
「ヴィンセント殿下って、可愛いところあるだ…」
このメモがあるなら、図書館にいるのかな?と考え、メモを握りしめ、部屋を勢いよく出た。
その瞬間
後に髪を引っ張られた。
振り返ると、黒づくめの大人が数人いた。叫ぼうと息を吸い込むと同時に、口を布で塞がれた。
やばい!と思った時には布に付着していた薬品も吸い込んでしまっていた。意識が朦朧とする中、逃げないとと思い、手に魔力を込めおもいっきり後ろに水魔法をぶっぱなした。
霞む視界の中、後ろをみると、僕の髪を引っ張っていた人がちぎれた僕の髪を持ちながら後ろに飛ばされていてのびていた。一人だけかよ…!思わず舌打ちが出る。
駆け出そうとしたが、身体に力が入らず数メートルも進んでない所で床に蹲るように倒れる。すぐにドタドタと音が聞こえ、何か袋みたいなものを被せられ、首に重い衝撃がきた。
そこで完全に僕は意識を落としたのだった。
◆
side ヴィンセント
王宮にある図書館の受付係にルイゼの為に取り寄せた本を受け取りにきていた。来週用の本を選んでいたら、ルイゼがくる時間なると気づいて、慌ててきた。
いつもいる受付には「ヴィンセント殿下が熱心で嬉しいです!」なんて言われ「うるさい」と返したのに、笑顔のまま「すみません」と言われて、なんだコイツは?となった。
コイツに構ってる暇はない。ルイゼが多分もう部屋にいるだろう。早く戻らねば。
早足で僕の部屋がある棟まで戻ってきたが、なんか凄い静かだ。そういえば…今、誰ともすれ違ってない。何故か…無性に胸騒ぎがして、いつもは気にならないのに心臓がドクドクと大きな音を鳴らしてる。
階段を急いで昇り、廊下を全力で走る。部屋の扉が若干開いてるのが目に入り、一瞬最悪なケースが浮かんだ。いや、閉め忘れただけだ。と思い込みながら走り、部屋の前までたどり着いた。震える手で、ゆっくり扉を開き、部屋を覗く。
「る、ルイゼ……」
見渡しても…シーンとしていて、特に部屋を出る前と変わりはなかったし、誰もいなかった。
まだきてないだけか…。と思ったが、ルイゼは1回も遅れてきた事はない。もう一歩動いて、部屋を良くみようと踏み込んだら、にゅる…と靴が滑り、何かを踏んだ事に気づいた。
何だろう?と下をむくと、銀色の長い髪の毛が無造作に散らばっていた。
「るいぜの…」
喉がヒュッとなり、ゾッとして鳥肌がたちはじめる。
腕に力が入らず、本が滑り落ちて廊下にバシャッ、トンッという音が響いた。
震える手で散らばった髪に触れ…、握りしめる。
この髪の毛はルイゼの…!初めてみた時から、目を奪われた綺麗な透き通る様な銀色の髪。まるで、太陽の光を反射して輝く湖の水面のような髪。絶対に僕が見間違うはずがない…!
そんな…、。何故?ルイゼが??ルイゼは…どこへ?!王宮に不審者が紛れ込んでいたということか?拐われた?どうしてルイゼが。もしかして、殺されて…?もう、この世には居ないとか…?もしかして…。俺の代わりに…??
もう、わけがわからなくてぐるぐると思考が最悪のケースをも想像してしまう。
「はっ、はっ…。誰かに…。誰か!誰か居ないのか!!」
僕の声がこだまするだけで、何も返事がない。何故!
「はっ!兄様に。今は訓練中だから騎士棟に…、ここから王宮に戻るより近い。早く…伝えなきゃ」
僕は、震える身体を叱咤しながら騎士棟まで走った。
「兄様!!兄様!!」
騎士棟にたどり着いた僕は、訓練場に一目散に進んでいった。まだ、危ないからといつもは近寄らせてもらえないが、そんなの今は関係ない。休憩していた騎士達が慌てて追いかけてくるが、掻い潜る。
そんな、僕に気づいた兄様は訓練を止めこちらにくる。
「ヴィンス。どうした。そんな血相をかえて…」
「兄、さまっ!!」
はっ…はっ。兄様はいる…!良かった…。
こんなに…、走ったの初めてで。口が乾いて…喉が張り付くようだ。うまく、声がでない。
「ゆっくりでいい。何があったんだ」
「る、ルイゼが…、拐われた、ぽくて。いないんだ…。僕の部屋の前に切られた、髪の毛がおちてて…」
手に握りしめたままのルイゼの髪を見せる。
「ルイゼ…?あぁ、ハイネルセン家の。お前が興味示した子か」
「そう!ルイゼ・ノエル・ハイネルセン…。なんか、争った後もあって!!僕の代わりに連れ去られたかも…。ルイゼは…」
「お前の棟の警備は?いったいどうなっているのだ。王宮内に不審人物が入っただけでなく、誘拐もか」
兄様はむぅと唸りながら黄金の髪をグシャグシャとかき、一息ついた。僕より薄い、藍色の瞳と目があう。
「ルイゼは生きている。安心しろ」
僕だけに聞こえるように、頭を撫でながら囁いた。
兄様の言葉は不思議だ。兄様に言われると、不確かな事でも真実のように聞こえる。安心するのだ。僕は、その言葉で、緊張がほどけたようで涙が溢れてきた。「いつもなら、人前で泣くな」と怒られるが今回は背中をトントンと叩き慰めてくれている。
「お前たち、聞こえたな。直ぐにヴィンセントの部屋に向かい調査しろ。ルイゼ・ノエル・ハイネルセンの捜索も直ぐにかかれ!ルイゼを早く救出するのだ。発見時にルイゼの命がなかった場合、お前らの命も無いものだと思え」
騎士達は一斉に返事をしながら敬礼をし、動き始めた。
「お前は、私の…。いや、一緒に父上に連絡へいこう。その後に、私の部屋に居るといい」
僕は頷いて、兄様の手を握りながらついていった。
その間に「僕に敬語はいらない」といわれ、それは流石に…ダメだろ…と思って抵抗していたら「二人の時だけ」と約束されてしまった。
それと、殿下に毎週一冊、本を貰うようになった。これが一番不思議すぎる。遠回しに「お前には学がないから、本を読め」といわれてるのかと思った。6歳児には、太くて重い本を読むのきついのに…。部屋が本だらけで、そろそろ置く場所がなくなってきて、困っている。少しは殿下と仲良くなれたと思っているけど、結局の所、ヴィンセント殿下はどう思っているのだろう?
いつも通りに、殿下の部屋の前につき、部屋をノックする。今日は週の初めだから、その本を貰う日だ。今日こそは、もう本は大丈夫ですと断るぞ!と意気込んできた。
「殿下~?いないんですかー?」
なんか、妙に今日は王宮が静かな気がする。ヴィンセント殿下が生活している棟は政をする場所とはてんでかけ離れた所にあるので、いつも静かといえばそうなんだけど。
扉を開け、中に入る。前に「返事がなく、僕が不在でもルイゼなら入ってもいい」と言われ、まぁ。殿下がいいならいいかと思って頷いたのだ。
部屋に入り、ぐるっと見渡した。机の上には書きかけのメモがあり、覗き込むと本の題名が何個か書いてあった。
そして、“ルイゼの好きな本がわからない”とも小さくかいてあった。
僕は、毎週くれる本は殿下がちゃんと選んでくれていたんだ…。嫌がらせじゃなかった!と思い、思わずにやけてしまった。
「ヴィンセント殿下って、可愛いところあるだ…」
このメモがあるなら、図書館にいるのかな?と考え、メモを握りしめ、部屋を勢いよく出た。
その瞬間
後に髪を引っ張られた。
振り返ると、黒づくめの大人が数人いた。叫ぼうと息を吸い込むと同時に、口を布で塞がれた。
やばい!と思った時には布に付着していた薬品も吸い込んでしまっていた。意識が朦朧とする中、逃げないとと思い、手に魔力を込めおもいっきり後ろに水魔法をぶっぱなした。
霞む視界の中、後ろをみると、僕の髪を引っ張っていた人がちぎれた僕の髪を持ちながら後ろに飛ばされていてのびていた。一人だけかよ…!思わず舌打ちが出る。
駆け出そうとしたが、身体に力が入らず数メートルも進んでない所で床に蹲るように倒れる。すぐにドタドタと音が聞こえ、何か袋みたいなものを被せられ、首に重い衝撃がきた。
そこで完全に僕は意識を落としたのだった。
◆
side ヴィンセント
王宮にある図書館の受付係にルイゼの為に取り寄せた本を受け取りにきていた。来週用の本を選んでいたら、ルイゼがくる時間なると気づいて、慌ててきた。
いつもいる受付には「ヴィンセント殿下が熱心で嬉しいです!」なんて言われ「うるさい」と返したのに、笑顔のまま「すみません」と言われて、なんだコイツは?となった。
コイツに構ってる暇はない。ルイゼが多分もう部屋にいるだろう。早く戻らねば。
早足で僕の部屋がある棟まで戻ってきたが、なんか凄い静かだ。そういえば…今、誰ともすれ違ってない。何故か…無性に胸騒ぎがして、いつもは気にならないのに心臓がドクドクと大きな音を鳴らしてる。
階段を急いで昇り、廊下を全力で走る。部屋の扉が若干開いてるのが目に入り、一瞬最悪なケースが浮かんだ。いや、閉め忘れただけだ。と思い込みながら走り、部屋の前までたどり着いた。震える手で、ゆっくり扉を開き、部屋を覗く。
「る、ルイゼ……」
見渡しても…シーンとしていて、特に部屋を出る前と変わりはなかったし、誰もいなかった。
まだきてないだけか…。と思ったが、ルイゼは1回も遅れてきた事はない。もう一歩動いて、部屋を良くみようと踏み込んだら、にゅる…と靴が滑り、何かを踏んだ事に気づいた。
何だろう?と下をむくと、銀色の長い髪の毛が無造作に散らばっていた。
「るいぜの…」
喉がヒュッとなり、ゾッとして鳥肌がたちはじめる。
腕に力が入らず、本が滑り落ちて廊下にバシャッ、トンッという音が響いた。
震える手で散らばった髪に触れ…、握りしめる。
この髪の毛はルイゼの…!初めてみた時から、目を奪われた綺麗な透き通る様な銀色の髪。まるで、太陽の光を反射して輝く湖の水面のような髪。絶対に僕が見間違うはずがない…!
そんな…、。何故?ルイゼが??ルイゼは…どこへ?!王宮に不審者が紛れ込んでいたということか?拐われた?どうしてルイゼが。もしかして、殺されて…?もう、この世には居ないとか…?もしかして…。俺の代わりに…??
もう、わけがわからなくてぐるぐると思考が最悪のケースをも想像してしまう。
「はっ、はっ…。誰かに…。誰か!誰か居ないのか!!」
僕の声がこだまするだけで、何も返事がない。何故!
「はっ!兄様に。今は訓練中だから騎士棟に…、ここから王宮に戻るより近い。早く…伝えなきゃ」
僕は、震える身体を叱咤しながら騎士棟まで走った。
「兄様!!兄様!!」
騎士棟にたどり着いた僕は、訓練場に一目散に進んでいった。まだ、危ないからといつもは近寄らせてもらえないが、そんなの今は関係ない。休憩していた騎士達が慌てて追いかけてくるが、掻い潜る。
そんな、僕に気づいた兄様は訓練を止めこちらにくる。
「ヴィンス。どうした。そんな血相をかえて…」
「兄、さまっ!!」
はっ…はっ。兄様はいる…!良かった…。
こんなに…、走ったの初めてで。口が乾いて…喉が張り付くようだ。うまく、声がでない。
「ゆっくりでいい。何があったんだ」
「る、ルイゼが…、拐われた、ぽくて。いないんだ…。僕の部屋の前に切られた、髪の毛がおちてて…」
手に握りしめたままのルイゼの髪を見せる。
「ルイゼ…?あぁ、ハイネルセン家の。お前が興味示した子か」
「そう!ルイゼ・ノエル・ハイネルセン…。なんか、争った後もあって!!僕の代わりに連れ去られたかも…。ルイゼは…」
「お前の棟の警備は?いったいどうなっているのだ。王宮内に不審人物が入っただけでなく、誘拐もか」
兄様はむぅと唸りながら黄金の髪をグシャグシャとかき、一息ついた。僕より薄い、藍色の瞳と目があう。
「ルイゼは生きている。安心しろ」
僕だけに聞こえるように、頭を撫でながら囁いた。
兄様の言葉は不思議だ。兄様に言われると、不確かな事でも真実のように聞こえる。安心するのだ。僕は、その言葉で、緊張がほどけたようで涙が溢れてきた。「いつもなら、人前で泣くな」と怒られるが今回は背中をトントンと叩き慰めてくれている。
「お前たち、聞こえたな。直ぐにヴィンセントの部屋に向かい調査しろ。ルイゼ・ノエル・ハイネルセンの捜索も直ぐにかかれ!ルイゼを早く救出するのだ。発見時にルイゼの命がなかった場合、お前らの命も無いものだと思え」
騎士達は一斉に返事をしながら敬礼をし、動き始めた。
「お前は、私の…。いや、一緒に父上に連絡へいこう。その後に、私の部屋に居るといい」
僕は頷いて、兄様の手を握りながらついていった。
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