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第56話
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買い出しから戻り、僕とレナは自分達の寝室にする部屋だけ決めてそれぞれそこを掃除することでその日は終わりました。
それからレナが手料理を作ってくれたのですが、想像以上に美味しくて驚きました!
「美味しいです!レナは料理が上手なんですね!?」
「うちは貧乏だったからね!小さい頃から家の手伝いは一通りしてきたのよっ!鳳凰のしらべでも私しか家事なんてできなかったから、全部私がやってたわ!」
「へー!レナは口は悪いけど、面倒見がいい優しいお姉さんなんですね?」
「口が悪くって悪かったわね!?むしろ冒険者なんてしてるのに、あんたの口調の方が不思議だわ!!何でそんなに丁寧なのよ?」
「僕は成人するまで人と話すのが苦手で家族と幼なじみの3人以外と話したことが殆どなかったんです。お陰で、幼なじみの3人以外の人と親しく話すのがどうしていいか分からなくなるんです。
だからこうやって適当な距離感を取れる敬語が癖付いたんだと思います。」
「ふーん。でも知っておくといいわ!あんたと親しくなりたいって思ってる人からすれば、親しくなっても適当に砕けた喋りになってもらえないのは逆に辛いわよ!」
「えっ?そうなんですか?」
「当たり前でしょ?まさかと思うけど…そのあんたの好きなポーターちゃんにもさん付けの敬語で話してるんじゃないでしょうね?」
「その通りです。」
「信じられないくらいに不器用な男ね!?多分その子、あんたに距離を置かれてるって感じてると思うわよ!」
「そ、そんな…!」
「これ以上悲しませたくなかったら、呼び捨てで呼んであげることね!ついでに敬語もやめな!」
「いきなりは難しいですが…がんばります。」
「はあ、何で私はこんな恋愛のれの字も知らない男に振られたような感じになってんだか…」
「ここから今すぐ出ていけー!」
「えっ?あんた何か言った?」
「えっ?僕は何も…でも今誰かの声が聞こえましたよね?」
「あんたじゃないなら何なのよ?ここには誰か他に誰かいるの?」
「そんな筈はないと思うんですが…」
そんなことを話してると再び声が聞こえてきました。
「ここから今すぐ出ていけー!」
しゃがれた低い声です。
「何者ですか!?ここは僕の家ですよ!!」
「あんた気配を読めるんじゃないの?」
「気配は一切感じません!かなりの隠蔽能力です。レナも気をつけて下さい!!」
「どうすれはいいのよ!私は人間相手には一切反撃すらできないのよ!」
「そうでした。では僕のうしろにいて下さい!僕が守ります!!」
「出ていけと言ってるだろー!」
再び声が聞こえてきたのと同時に、周りにあったものたちが突然激しく「カタカタカタッ」と震え始めます。それは皿やフォークのようなものだけに限らず、大きな家具などもです。
「これは何の攻撃なんでしょうか?」
「な、何を言ってるのよ!これはどうみてもポルターガイストでしょ!?」
そう叫ぶレナが真っ青な顔で震えていました。
「ポルターガイストって何なんですか?」
「幽霊よ!幽霊!」
「幽霊ですか?なら浄化してしまえばよいのではないですか?」
「幽霊はレイス系の魔物に近い存在なんだけど、実体がない分逆に浄化が難しいのよ!!聖属性魔法の使い手で、姿が見える人なら普通に浄化できるらしいんだけど、そんな人間殆どいないのよ!あんたそういうの見える?」
「今は何の存在も見えませんね。聖属性魔法なら使えるんですが…範囲魔法で当てるしかなさそうですね?」
「大規模範囲魔法が使えるならそれも可能なんだろうけど…そこまで聖属性魔法を極めてる人なんてこの国でも大聖司祭様くらいよ!あんたはこの屋敷全体を一気に浄化なんて当然無理でしょ?」
「それは無理ですね…何日間か時間かければ覚えれそうですが…」
「えっ?あんた今何て言った?たった何日かで覚えれそうですって?無理に決まってるじゃない!そんなに簡単ならそこらじゅうに使い手がいるわよ!!」
「言ってませんでしたね。僕は特殊なジョブを持っていて、戦闘職も生産職も全てのスキルを覚えることができるんです。デメリットも多いですが、全てのスキルを覚える為の経験を10倍の速度で得ることができます!」
「はい!?何なのよ?そのデタラメなジョブは!!!」
「ボッチです。1人で行動していることが経験値10倍の条件です。逆に今のようにレナと一緒にいると経験値は10分の1になります。」
「どうやら私をからかってるようには見えないわね…でも少しだけ納得はしたわ!あんた私たちとの戦いで魔法も近接戦闘もしていたもんね?
でもそんなジョブを持ってるなら、すぐに最強の冒険者になれるんじゃないの?」
「最強になる必要なんてあるんですか?自分を守れる強さはもちろん必要ですが、僕は幼なじみたちや信頼のできる人たちと仲良く暮らせればそれで満足なんです!
最強は勇者みたいな人たちにお任せします。」
「····あんたの言いたいことは分かるわ!でも、おそらくそれは無理ね!あんたの能力を知れば周りの人間はあんたに期待してしまう筈よ!あんたは勇者じゃないけど、英雄になることはできそうだって私だって考えてしまったもの!!
あんた強い癖にいい奴だしね!まあ、それ以上に頼りないけどね…」
「英雄ですか?みんな僕の未来を英雄っていうんですけど、僕なんかがそんな立派な存在になれる筈がないんですよ。ただの人見知りで、自分に自信がない男ですよ。。」
「今はそれでいいんじゃない?英雄なんて職業でもないんだし、自分のペースで自分に自信をつけてけばいいじゃない!!まあ、それでもそのうち周りから勝手に英雄って呼ばれることになりそうな気はするけどね!」
「そんなこと初めて言われました。すごく気持ちが楽になりました。ありがとうございます。レナはやっぱりいい人だったんですね!」
「やめてよ気持ち悪い!!それよりさっきから幽霊は落ち着いたみたいだけど、今夜はどうするの?この屋敷に泊まるつもりなの?
ハッキリ言うわ!私は嫌よ!!さっきみたいにいつ襲われるか分からない状況で寝るなんて…もしそれを強要するのなら、あんたと同じベッドで寝るからね!!」
「えっ?それは逆に僕の方が困りますよ!なら、レナはこれで宿に泊まって下さい。僕は1人で幽霊を浄化できないか試してみます。明日10時頃、この屋敷で合流しましょう。」
「それで困ると言われるのも癪だけど、幽霊屋敷で寝なくて済むなら、私は宿に泊まってくるわ!あっ、でもちゃんと一筆書いてよね!犯罪奴隷だけで宿に泊まろうとしたらそれだけで下手をすれば衛兵に通報されちゃうわ!」
「そんなことになるんですか?分かりました。では宿の方に手紙を書きますね。」
こうして僕はその夜、幽霊の出る屋敷に1人で泊まることになりました。
それからレナが手料理を作ってくれたのですが、想像以上に美味しくて驚きました!
「美味しいです!レナは料理が上手なんですね!?」
「うちは貧乏だったからね!小さい頃から家の手伝いは一通りしてきたのよっ!鳳凰のしらべでも私しか家事なんてできなかったから、全部私がやってたわ!」
「へー!レナは口は悪いけど、面倒見がいい優しいお姉さんなんですね?」
「口が悪くって悪かったわね!?むしろ冒険者なんてしてるのに、あんたの口調の方が不思議だわ!!何でそんなに丁寧なのよ?」
「僕は成人するまで人と話すのが苦手で家族と幼なじみの3人以外と話したことが殆どなかったんです。お陰で、幼なじみの3人以外の人と親しく話すのがどうしていいか分からなくなるんです。
だからこうやって適当な距離感を取れる敬語が癖付いたんだと思います。」
「ふーん。でも知っておくといいわ!あんたと親しくなりたいって思ってる人からすれば、親しくなっても適当に砕けた喋りになってもらえないのは逆に辛いわよ!」
「えっ?そうなんですか?」
「当たり前でしょ?まさかと思うけど…そのあんたの好きなポーターちゃんにもさん付けの敬語で話してるんじゃないでしょうね?」
「その通りです。」
「信じられないくらいに不器用な男ね!?多分その子、あんたに距離を置かれてるって感じてると思うわよ!」
「そ、そんな…!」
「これ以上悲しませたくなかったら、呼び捨てで呼んであげることね!ついでに敬語もやめな!」
「いきなりは難しいですが…がんばります。」
「はあ、何で私はこんな恋愛のれの字も知らない男に振られたような感じになってんだか…」
「ここから今すぐ出ていけー!」
「えっ?あんた何か言った?」
「えっ?僕は何も…でも今誰かの声が聞こえましたよね?」
「あんたじゃないなら何なのよ?ここには誰か他に誰かいるの?」
「そんな筈はないと思うんですが…」
そんなことを話してると再び声が聞こえてきました。
「ここから今すぐ出ていけー!」
しゃがれた低い声です。
「何者ですか!?ここは僕の家ですよ!!」
「あんた気配を読めるんじゃないの?」
「気配は一切感じません!かなりの隠蔽能力です。レナも気をつけて下さい!!」
「どうすれはいいのよ!私は人間相手には一切反撃すらできないのよ!」
「そうでした。では僕のうしろにいて下さい!僕が守ります!!」
「出ていけと言ってるだろー!」
再び声が聞こえてきたのと同時に、周りにあったものたちが突然激しく「カタカタカタッ」と震え始めます。それは皿やフォークのようなものだけに限らず、大きな家具などもです。
「これは何の攻撃なんでしょうか?」
「な、何を言ってるのよ!これはどうみてもポルターガイストでしょ!?」
そう叫ぶレナが真っ青な顔で震えていました。
「ポルターガイストって何なんですか?」
「幽霊よ!幽霊!」
「幽霊ですか?なら浄化してしまえばよいのではないですか?」
「幽霊はレイス系の魔物に近い存在なんだけど、実体がない分逆に浄化が難しいのよ!!聖属性魔法の使い手で、姿が見える人なら普通に浄化できるらしいんだけど、そんな人間殆どいないのよ!あんたそういうの見える?」
「今は何の存在も見えませんね。聖属性魔法なら使えるんですが…範囲魔法で当てるしかなさそうですね?」
「大規模範囲魔法が使えるならそれも可能なんだろうけど…そこまで聖属性魔法を極めてる人なんてこの国でも大聖司祭様くらいよ!あんたはこの屋敷全体を一気に浄化なんて当然無理でしょ?」
「それは無理ですね…何日間か時間かければ覚えれそうですが…」
「えっ?あんた今何て言った?たった何日かで覚えれそうですって?無理に決まってるじゃない!そんなに簡単ならそこらじゅうに使い手がいるわよ!!」
「言ってませんでしたね。僕は特殊なジョブを持っていて、戦闘職も生産職も全てのスキルを覚えることができるんです。デメリットも多いですが、全てのスキルを覚える為の経験を10倍の速度で得ることができます!」
「はい!?何なのよ?そのデタラメなジョブは!!!」
「ボッチです。1人で行動していることが経験値10倍の条件です。逆に今のようにレナと一緒にいると経験値は10分の1になります。」
「どうやら私をからかってるようには見えないわね…でも少しだけ納得はしたわ!あんた私たちとの戦いで魔法も近接戦闘もしていたもんね?
でもそんなジョブを持ってるなら、すぐに最強の冒険者になれるんじゃないの?」
「最強になる必要なんてあるんですか?自分を守れる強さはもちろん必要ですが、僕は幼なじみたちや信頼のできる人たちと仲良く暮らせればそれで満足なんです!
最強は勇者みたいな人たちにお任せします。」
「····あんたの言いたいことは分かるわ!でも、おそらくそれは無理ね!あんたの能力を知れば周りの人間はあんたに期待してしまう筈よ!あんたは勇者じゃないけど、英雄になることはできそうだって私だって考えてしまったもの!!
あんた強い癖にいい奴だしね!まあ、それ以上に頼りないけどね…」
「英雄ですか?みんな僕の未来を英雄っていうんですけど、僕なんかがそんな立派な存在になれる筈がないんですよ。ただの人見知りで、自分に自信がない男ですよ。。」
「今はそれでいいんじゃない?英雄なんて職業でもないんだし、自分のペースで自分に自信をつけてけばいいじゃない!!まあ、それでもそのうち周りから勝手に英雄って呼ばれることになりそうな気はするけどね!」
「そんなこと初めて言われました。すごく気持ちが楽になりました。ありがとうございます。レナはやっぱりいい人だったんですね!」
「やめてよ気持ち悪い!!それよりさっきから幽霊は落ち着いたみたいだけど、今夜はどうするの?この屋敷に泊まるつもりなの?
ハッキリ言うわ!私は嫌よ!!さっきみたいにいつ襲われるか分からない状況で寝るなんて…もしそれを強要するのなら、あんたと同じベッドで寝るからね!!」
「えっ?それは逆に僕の方が困りますよ!なら、レナはこれで宿に泊まって下さい。僕は1人で幽霊を浄化できないか試してみます。明日10時頃、この屋敷で合流しましょう。」
「それで困ると言われるのも癪だけど、幽霊屋敷で寝なくて済むなら、私は宿に泊まってくるわ!あっ、でもちゃんと一筆書いてよね!犯罪奴隷だけで宿に泊まろうとしたらそれだけで下手をすれば衛兵に通報されちゃうわ!」
「そんなことになるんですか?分かりました。では宿の方に手紙を書きますね。」
こうして僕はその夜、幽霊の出る屋敷に1人で泊まることになりました。
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