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最高の目覚めから最悪の事態 ③
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「婚約だと?」
「はい」
俺の同意もなくマコトさんは俺との婚約を提案した。
「ただし、1ヶ月」
「1ヶ月?」
どういうことだ?
さっぱり分からない。
「2週間ほどで僕の妊娠の有無も分かりますし、1ヶ月もあれば、この痕も綺麗に消えるでしょう」
マコトさんはガーゼの下に隠れている、俺が付けた項の噛み跡を撫でながら、話を続けた。
「この噛み跡が消えるまでの1ヶ月間、僕は彼の婚約者として同居します」
「…………えっ……どう、きょ…?」
「そっ、同居」
急展開に頭がついていけない俺は、アホみたいに口をぽかんと開けてマコトさんを見るとニッコリと笑顔を返された。
「どうも君は下半身の管理が緩々のようだから、外聞も考えて1ヶ月間禁欲をしてもらうよ」
「……きん…よくぅー⁈」
俺の下半身は正直なんだ。
1週間ならまだしも1ヶ月なんて我慢したことがない。
「何か問題でも?」
「あのぅ、それは今日からですか?明日からですか?」
ちっがーう!
俺が聞きたいのはそこじゃない。
「……分かった。では明日から1ヶ月間、真琴と立花くんは婚約者として一緒に生活しなさい。望月」
「はい。マンション、家具、その他生活用品の手配は1時間で整えます」
「ん」
「ご挨拶が遅れました。会長秘書の望月と申します。必要なものがごさいましたら、何なりと申し付けください」
「あ、ご丁寧にどうも」
爺さんの秘書さんは名刺を取り出し、俺に丁寧に挨拶してくれた。
つか、いつからいたんだこの人。
「それと、こちらも」
「へっ?」
渡されたのは小さな包み紙。
開けるとカラコンが入っていた。
「立花様の目、外ではお見せしないほうが良いと思われます」
「め?……うをっ」
スッと手鏡出してきた。
まあまあデカイやつ。
覗き込む。
あっ寝癖。
「……ってーー何じゃこりゃあああぁぁぁー」
鏡に映る俺の目が紫色になってる。
昨日までは普通のちょっと茶色が入ってる黒目だったよな、俺。
「ほう、立花くんはレア・アルファか」
「「レア・アルファ?」」
俺はもちろん知らないが、マコトさんも知らないらしい。
「説明はいづれするが、レア・アルファはアルファの中でも特別種のアルファのことだ」
「特別なアルファ…」
爺さん、そこまで言ったら最後まで教えてくれ。
呆気に取られているうちに、俺の目は望月さんの手によってコンタクトを装着された。
この人、忍者か何かか?
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
その後、俺は夜に解放された。
ちゃっかりお昼に鮨を頂いたが、衝撃的に美味かった。
家までは望月さんが送ってくれて、同居の件を家族に報告し了承まで得た。
お待たせの高級肉と高級スイーツが俺の家族の胃を掴んだようだ。
「では、此方が部屋の鍵になります。住所はメールで連絡致します。また、諸々の説明をさせて頂きますので、明日の15時までにご入居をお願い致します」
望月さんは部屋のカードキーを俺に渡して帰っていった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
夕飯は高級肉のすき焼きとなった。
程よい脂がたまらなく美味かった。
その後、デザートの高級スイーツタイムには、家族、特に母親と妹に根掘り葉掘りことの経緯を問いただされた。
都合の悪いところを端折って説明したが、家族から氷の様な眼差しを送られた。
家族は騙せなかった…。
俺は不安しかない夜を過ごし朝を迎えた。
____________________
この続きは10月から開始します。
※1日1~2回更新を予定しています。
よろしくお願いします。
「はい」
俺の同意もなくマコトさんは俺との婚約を提案した。
「ただし、1ヶ月」
「1ヶ月?」
どういうことだ?
さっぱり分からない。
「2週間ほどで僕の妊娠の有無も分かりますし、1ヶ月もあれば、この痕も綺麗に消えるでしょう」
マコトさんはガーゼの下に隠れている、俺が付けた項の噛み跡を撫でながら、話を続けた。
「この噛み跡が消えるまでの1ヶ月間、僕は彼の婚約者として同居します」
「…………えっ……どう、きょ…?」
「そっ、同居」
急展開に頭がついていけない俺は、アホみたいに口をぽかんと開けてマコトさんを見るとニッコリと笑顔を返された。
「どうも君は下半身の管理が緩々のようだから、外聞も考えて1ヶ月間禁欲をしてもらうよ」
「……きん…よくぅー⁈」
俺の下半身は正直なんだ。
1週間ならまだしも1ヶ月なんて我慢したことがない。
「何か問題でも?」
「あのぅ、それは今日からですか?明日からですか?」
ちっがーう!
俺が聞きたいのはそこじゃない。
「……分かった。では明日から1ヶ月間、真琴と立花くんは婚約者として一緒に生活しなさい。望月」
「はい。マンション、家具、その他生活用品の手配は1時間で整えます」
「ん」
「ご挨拶が遅れました。会長秘書の望月と申します。必要なものがごさいましたら、何なりと申し付けください」
「あ、ご丁寧にどうも」
爺さんの秘書さんは名刺を取り出し、俺に丁寧に挨拶してくれた。
つか、いつからいたんだこの人。
「それと、こちらも」
「へっ?」
渡されたのは小さな包み紙。
開けるとカラコンが入っていた。
「立花様の目、外ではお見せしないほうが良いと思われます」
「め?……うをっ」
スッと手鏡出してきた。
まあまあデカイやつ。
覗き込む。
あっ寝癖。
「……ってーー何じゃこりゃあああぁぁぁー」
鏡に映る俺の目が紫色になってる。
昨日までは普通のちょっと茶色が入ってる黒目だったよな、俺。
「ほう、立花くんはレア・アルファか」
「「レア・アルファ?」」
俺はもちろん知らないが、マコトさんも知らないらしい。
「説明はいづれするが、レア・アルファはアルファの中でも特別種のアルファのことだ」
「特別なアルファ…」
爺さん、そこまで言ったら最後まで教えてくれ。
呆気に取られているうちに、俺の目は望月さんの手によってコンタクトを装着された。
この人、忍者か何かか?
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
その後、俺は夜に解放された。
ちゃっかりお昼に鮨を頂いたが、衝撃的に美味かった。
家までは望月さんが送ってくれて、同居の件を家族に報告し了承まで得た。
お待たせの高級肉と高級スイーツが俺の家族の胃を掴んだようだ。
「では、此方が部屋の鍵になります。住所はメールで連絡致します。また、諸々の説明をさせて頂きますので、明日の15時までにご入居をお願い致します」
望月さんは部屋のカードキーを俺に渡して帰っていった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
夕飯は高級肉のすき焼きとなった。
程よい脂がたまらなく美味かった。
その後、デザートの高級スイーツタイムには、家族、特に母親と妹に根掘り葉掘りことの経緯を問いただされた。
都合の悪いところを端折って説明したが、家族から氷の様な眼差しを送られた。
家族は騙せなかった…。
俺は不安しかない夜を過ごし朝を迎えた。
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この続きは10月から開始します。
※1日1~2回更新を予定しています。
よろしくお願いします。
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