10 / 79
同居:6日目 11/27(土)
しおりを挟む
目覚めると味噌汁のいい匂いがした。
そうだ、和食の朝食の日だ。
金曜日はだいたい合コンか飲み会ばかりしてる。
その後は合コンでお持ち帰りした子か都合が合う子とホテルへ直行して、なんやかんややって始発で帰る。
土曜日なんてバイトが入ってなければ、夕方まで惰眠を貪ってる。
健康的な週末なんてもうずっとしてない気がする。
そんな俺は、約束通り毎日風呂とトイレ掃除した。
朝ちょっと余裕がある時にはリビングダイニングにフローリングモップを掛けた。
そんな俺に真琴さんが「ありがとう」なんてお礼言ってくれた。
家事頑張ったからその日の夕飯のナポリタンはめちゃくちゃ美味しかった。
昨夜は真琴さんが買ってきたプリン食べながら映画を見た。
禁欲はやっぱりちょっとキツイけど真琴さんがホットミルクを作ってくれて、そんなまったりした時間が心地良かった。
「おやすみ」って言葉がこんなにも名残惜しく感じるのははじめてだった。
そのせいもあったんだろうな。
目覚ましなしで7時に起きた。
「ベタで申し訳ないけど」
そう言いながら並べられた朝食は、ご飯、味噌汁、焼鮭、玉子焼き、浅漬けのTHE 日本の朝食だった。
納豆もあるよと言っていた。
「すげぇ…美味そう…」
「お口に合うと良いのだけど」
「合わないわけがない」
「ふふっ。顔洗っておいで」
そんな新婚さんのようなやり取りをした。
「味噌汁は何度か食べてるから美味いの知ってますけど……。玉子焼き、ヤバい……スッゲェ美味いんですけど」
「僕、だし巻き卵より砂糖と塩だけの玉子焼きが好きだからこっちにしたんだけど喜んでもらえて良かった」
「俺もこっちの方が好きです」
食後は緑茶をズズズっと啜った。
「紫陽くん」
「はい」
「今日は夕方から冷えるらしいから夜はおでんにしようと思うんだけど」
「いいですね。俺、餅巾着好きです」
「僕は白滝かな」
俺と真琴さんは今晩のおでんの具の選抜から、おでんはご飯のおかずになりえるかどうかの話で盛り上がった。
そんなひと時をぶち破るように俺のスマホが着信を知らせた。
着信はバイト先からだった。
早番専門のベテランさんが風邪で休むことになったから、オープンに間に合うように出勤してほしいと言うことだった。
元々、この日は13時~19時のシフトで、早く来てくれるならその分早く上がってもいいといわれ、二つ返事で行くことにした。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
オープンは店長と俺の2人で対応したが、なかなかハードだった。
風邪で休んだベテランさんは手際が良く気が利く人だから、その穴は結構大きかった。
俺もこのバイトはそれなりに長いから一通りこなせるが、今日はそれにプラスαの対応が要求された。
ピークが過ぎる頃には軽く息が切れた。
13時に沙也が入って3人体制になるとだいぶ楽になった。
「立花くんが早番なら、ボクも早くくれば良かった」
「うん。来て欲しいくらい忙しかったよ」
口を尖らせて拗ねる沙也に店長が疲れた顔で返す。
店長はアレで一応アルファだ。
外面が剥がれるとアレだが、仕事っぷりはカッコいい。
そこが俺たちスタッフやお客さんに好かれる要因だったりする。
「ねぇ、紫陽くん。バイト終わったらご飯食べに行こ」
客足が途絶えたタイミングで沙也は俺の耳元に顔を寄せて囁いた。
「あーごめん。用事あるから無理だ」
「えー」
「あと、今日17時で上がるから」
「えーー聞いてない」
「ああ、言ってないな。聞かれてなかったし」
頬をブーと膨らませて睨まれたがスルーして会計対応をする。
そんな沙也もお客さんに呼ばれると一瞬で営業スマイルに切り替えて対応した。
なんだかんだあっても、俺らは仕事はちゃんと真面目にやるんです。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
予定通り17時にバイトを上ることができた俺は、ダッシュで家路に着いた。
「また走ったの?」って真琴さんに笑われたけど仕方がない。
その顔とおでんが楽しみだったから。
真琴さん特製のおでんは、具材に出汁がよく染みていて美味かった。
特に大根は昼前からコトコト煮込んでいたらしく絶妙な柔らかさだった。
「ヤバい。これから俺、まず大根から食べそう」
「ふふっ、まだまだたくさんあるから」
餅巾着をはじめいろんな具を食べる俺に対し、少食の真琴さんは最初に取った大根、白滝、厚揚げをまだ食べていた。
「真琴さん、もっと食べなよ」
「ああ、そうだね。なら、餅巾着食べようかな」
そう言うと、鍋から餅巾着をひとつ皿に取った。
結局、それ以上は食べなかった。
そうだ、和食の朝食の日だ。
金曜日はだいたい合コンか飲み会ばかりしてる。
その後は合コンでお持ち帰りした子か都合が合う子とホテルへ直行して、なんやかんややって始発で帰る。
土曜日なんてバイトが入ってなければ、夕方まで惰眠を貪ってる。
健康的な週末なんてもうずっとしてない気がする。
そんな俺は、約束通り毎日風呂とトイレ掃除した。
朝ちょっと余裕がある時にはリビングダイニングにフローリングモップを掛けた。
そんな俺に真琴さんが「ありがとう」なんてお礼言ってくれた。
家事頑張ったからその日の夕飯のナポリタンはめちゃくちゃ美味しかった。
昨夜は真琴さんが買ってきたプリン食べながら映画を見た。
禁欲はやっぱりちょっとキツイけど真琴さんがホットミルクを作ってくれて、そんなまったりした時間が心地良かった。
「おやすみ」って言葉がこんなにも名残惜しく感じるのははじめてだった。
そのせいもあったんだろうな。
目覚ましなしで7時に起きた。
「ベタで申し訳ないけど」
そう言いながら並べられた朝食は、ご飯、味噌汁、焼鮭、玉子焼き、浅漬けのTHE 日本の朝食だった。
納豆もあるよと言っていた。
「すげぇ…美味そう…」
「お口に合うと良いのだけど」
「合わないわけがない」
「ふふっ。顔洗っておいで」
そんな新婚さんのようなやり取りをした。
「味噌汁は何度か食べてるから美味いの知ってますけど……。玉子焼き、ヤバい……スッゲェ美味いんですけど」
「僕、だし巻き卵より砂糖と塩だけの玉子焼きが好きだからこっちにしたんだけど喜んでもらえて良かった」
「俺もこっちの方が好きです」
食後は緑茶をズズズっと啜った。
「紫陽くん」
「はい」
「今日は夕方から冷えるらしいから夜はおでんにしようと思うんだけど」
「いいですね。俺、餅巾着好きです」
「僕は白滝かな」
俺と真琴さんは今晩のおでんの具の選抜から、おでんはご飯のおかずになりえるかどうかの話で盛り上がった。
そんなひと時をぶち破るように俺のスマホが着信を知らせた。
着信はバイト先からだった。
早番専門のベテランさんが風邪で休むことになったから、オープンに間に合うように出勤してほしいと言うことだった。
元々、この日は13時~19時のシフトで、早く来てくれるならその分早く上がってもいいといわれ、二つ返事で行くことにした。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
オープンは店長と俺の2人で対応したが、なかなかハードだった。
風邪で休んだベテランさんは手際が良く気が利く人だから、その穴は結構大きかった。
俺もこのバイトはそれなりに長いから一通りこなせるが、今日はそれにプラスαの対応が要求された。
ピークが過ぎる頃には軽く息が切れた。
13時に沙也が入って3人体制になるとだいぶ楽になった。
「立花くんが早番なら、ボクも早くくれば良かった」
「うん。来て欲しいくらい忙しかったよ」
口を尖らせて拗ねる沙也に店長が疲れた顔で返す。
店長はアレで一応アルファだ。
外面が剥がれるとアレだが、仕事っぷりはカッコいい。
そこが俺たちスタッフやお客さんに好かれる要因だったりする。
「ねぇ、紫陽くん。バイト終わったらご飯食べに行こ」
客足が途絶えたタイミングで沙也は俺の耳元に顔を寄せて囁いた。
「あーごめん。用事あるから無理だ」
「えー」
「あと、今日17時で上がるから」
「えーー聞いてない」
「ああ、言ってないな。聞かれてなかったし」
頬をブーと膨らませて睨まれたがスルーして会計対応をする。
そんな沙也もお客さんに呼ばれると一瞬で営業スマイルに切り替えて対応した。
なんだかんだあっても、俺らは仕事はちゃんと真面目にやるんです。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
予定通り17時にバイトを上ることができた俺は、ダッシュで家路に着いた。
「また走ったの?」って真琴さんに笑われたけど仕方がない。
その顔とおでんが楽しみだったから。
真琴さん特製のおでんは、具材に出汁がよく染みていて美味かった。
特に大根は昼前からコトコト煮込んでいたらしく絶妙な柔らかさだった。
「ヤバい。これから俺、まず大根から食べそう」
「ふふっ、まだまだたくさんあるから」
餅巾着をはじめいろんな具を食べる俺に対し、少食の真琴さんは最初に取った大根、白滝、厚揚げをまだ食べていた。
「真琴さん、もっと食べなよ」
「ああ、そうだね。なら、餅巾着食べようかな」
そう言うと、鍋から餅巾着をひとつ皿に取った。
結局、それ以上は食べなかった。
12
あなたにおすすめの小説
聖者の愛はお前だけのもの
いちみりヒビキ
BL
スパダリ聖者とツンデレ王子の王道イチャラブファンタジー。
<あらすじ>
ツンデレ王子”ユリウス”の元に、希少な男性聖者”レオンハルト”がやってきた。
ユリウスは、魔法が使えないレオンハルトを偽聖者と罵るが、心の中ではレオンハルトのことが気になって仕方ない。
意地悪なのにとても優しいレオンハルト。そして、圧倒的な拳の破壊力で、数々の難題を解決していく姿に、ユリウスは惹かれ、次第に心を許していく……。
全年齢対象。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
晴れの日は嫌い。
うさぎのカメラ
BL
有名名門進学校に通う美少年一年生笹倉 叶が初めて興味を持ったのは、三年生の『杉原 俊』先輩でした。
叶はトラウマを隠し持っているが、杉原先輩はどうやら知っている様子で。
お互いを利用した関係が始まる?
赤く染まる君色に
やっこ
BL
自分の居場所は何処にあるのだろう。
血の繋がらない父、残酷な恋人。
人を恐れながらも、こだまは強く愛というものを欲していた。
空虚な日々を過ごす中で、その出会いは突然だった。
乾いた空気に淡く広がるタバコの煙。 燃えるような赤髪が、朝日で鮮やかに輝く。
おう、サボりか少年。
彼は自分を見ると、先程までとは別人のような無邪気な笑みを浮かべた。
自立したい僕を社長が甘やかしてきます
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます!】
両親を亡くし、定時制高校に通いながら自立を目指す葵と、葵を可愛がりたい智秋のお話。
今度こそ溺愛を書きたい…!
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
大嫌いなこの世界で
十時(如月皐)
BL
嫌いなもの。豪華な調度品、山のような美食、惜しげなく晒される媚態……そして、縋り甘えるしかできない弱さ。
豊かな国、ディーディアの王宮で働く凪は笑顔を見せることのない冷たい男だと言われていた。
昔は豊かな暮らしをしていて、傅かれる立場から傅く立場になったのが不満なのだろう、とか、
母親が王の寵妃となり、生まれた娘は王女として暮らしているのに、自分は使用人であるのが我慢ならないのだろうと人々は噂する。
そんな中、凪はひとつの事件に巻き込まれて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる