魔法使いと眠れるオメガ

むー

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同居:6日目 11/27(土)

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目覚めると味噌汁のいい匂いがした。

そうだ、和食の朝食の日だ。

金曜日はだいたい合コンか飲み会ばかりしてる。
その後は合コンでお持ち帰りした子か都合が合う子とホテルへ直行して、なんやかんややって始発で帰る。

土曜日なんてバイトが入ってなければ、夕方まで惰眠を貪ってる。
健康的な週末なんてもうずっとしてない気がする。

そんな俺は、約束通り毎日風呂とトイレ掃除した。
朝ちょっと余裕がある時にはリビングダイニングにフローリングモップを掛けた。
そんな俺に真琴さんが「ありがとう」なんてお礼言ってくれた。
家事頑張ったからその日の夕飯のナポリタンはめちゃくちゃ美味しかった。

昨夜は真琴さんが買ってきたプリン食べながら映画を見た。
禁欲はやっぱりちょっとキツイけど真琴さんがホットミルクを作ってくれて、そんなまったりした時間が心地良かった。

「おやすみ」って言葉がこんなにも名残惜しく感じるのははじめてだった。
そのせいもあったんだろうな。
目覚ましなしで7時に起きた。



「ベタで申し訳ないけど」

そう言いながら並べられた朝食は、ご飯、味噌汁、焼鮭、玉子焼き、浅漬けのTHE 日本の朝食だった。
納豆もあるよと言っていた。

「すげぇ…美味そう…」
「お口に合うと良いのだけど」
「合わないわけがない」
「ふふっ。顔洗っておいで」

そんな新婚さんのようなやり取りをした。

「味噌汁は何度か食べてるから美味いの知ってますけど……。玉子焼き、ヤバい……スッゲェ美味いんですけど」
「僕、だし巻き卵より砂糖と塩だけの玉子焼きが好きだからこっちにしたんだけど喜んでもらえて良かった」
「俺もこっちの方が好きです」


食後は緑茶をズズズっと啜った。

「紫陽くん」
「はい」
「今日は夕方から冷えるらしいから夜はおでんにしようと思うんだけど」
「いいですね。俺、餅巾着好きです」
「僕は白滝かな」

俺と真琴さんは今晩のおでんの具の選抜から、おでんはご飯のおかずになりえるかどうかの話で盛り上がった。
そんなひと時をぶち破るように俺のスマホが着信を知らせた。

着信はバイト先からだった。
早番専門のベテランさんが風邪で休むことになったから、オープンに間に合うように出勤してほしいと言うことだった。
元々、この日は13時~19時のシフトで、早く来てくれるならその分早く上がってもいいといわれ、二つ返事で行くことにした。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

オープンは店長と俺の2人で対応したが、なかなかハードだった。
風邪で休んだベテランさんは手際が良く気が利く人だから、その穴は結構大きかった。
俺もこのバイトはそれなりに長いから一通りこなせるが、今日はそれにプラスαの対応が要求された。
ピークが過ぎる頃には軽く息が切れた。
13時に沙也が入って3人体制になるとだいぶ楽になった。

「立花くんが早番なら、ボクも早くくれば良かった」
「うん。来て欲しいくらい忙しかったよ」

口を尖らせて拗ねる沙也に店長が疲れた顔で返す。
店長はアレで一応アルファだ。
外面が剥がれるとアレだが、仕事っぷりはカッコいい。
そこが俺たちスタッフやお客さんに好かれる要因だったりする。

「ねぇ、紫陽くん。バイト終わったらご飯食べに行こ」

客足が途絶えたタイミングで沙也は俺の耳元に顔を寄せて囁いた。

「あーごめん。用事あるから無理だ」
「えー」
「あと、今日17時で上がるから」
「えーー聞いてない」
「ああ、言ってないな。聞かれてなかったし」

頬をブーと膨らませて睨まれたがスルーして会計対応をする。
そんな沙也もお客さんに呼ばれると一瞬で営業スマイルに切り替えて対応した。
なんだかんだあっても、俺らは仕事はちゃんと真面目にやるんです。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

予定通り17時にバイトを上ることができた俺は、ダッシュで家路に着いた。

「また走ったの?」って真琴さんに笑われたけど仕方がない。
その顔とおでんが楽しみだったから。

真琴さん特製のおでんは、具材に出汁がよく染みていて美味かった。
特に大根は昼前からコトコト煮込んでいたらしく絶妙な柔らかさだった。

「ヤバい。これから俺、まず大根から食べそう」
「ふふっ、まだまだたくさんあるから」

餅巾着をはじめいろんな具を食べる俺に対し、少食の真琴さんは最初に取った大根、白滝、厚揚げをまだ食べていた。

「真琴さん、もっと食べなよ」
「ああ、そうだね。なら、餅巾着食べようかな」

そう言うと、鍋から餅巾着をひとつ皿に取った。
結局、それ以上は食べなかった。


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