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勘違いを続ける彼女と彼女が気になる彼。
10色のカラーボールから4色のボールを選ぶ方法は何通りあるかを求めよ。
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充実した夏休みが終わり、8月下旬から始まった2学期は学年共通の実力テストから開始された。
順位は週明けに発表され、私は2学年全体で5位だった。そのついでにいつも100位以内にランクインしている悠木君の順位も確認しようと名前を探すもなかなか見つからない。
あれ。あれれ? と困惑しながら下の順位まで目で追って…見つけた。学年95位のところに悠木君の名前があった。
…おかしいな悠木君はもっと順位が上だった記憶だったのだが……100位以内に入っているだけでも優秀な部類だが、なんというか今までの成績から見て下がり方が半端なく思えた。
「森宮さん」
「おぉーっと! 授業に遅れちゃうぞ!」
私は忘れていた。掲示板前にいると高確率で先生に捕まるので早々に退散すべきだと。声をかけられた直後だったが、何も聞こえていない風を振る舞って私はその場から逃走した。ちなみにまだ昼休みは終わらない。
はー危ない危ない。夏期講習のときのことを私は忘れていないからな。あの後も何度も特進科クラスに組み込まれそうになったのをなんとか普通科にしがみついて…大変だったんだ。
もうさ、高2の今の時期って受験に向かう時期だから所属科転科とかそんな事している場合じゃないのにどうして諦めてくれないのか。先生たちのその情熱が私には理解出来ない。私はお姉ちゃんみたいに医大を受けるわけじゃないのになぜそこまで執着するのか。
私が進路として考えているのは国際関係学部だ。政治経済法律以外にも英語教育に力を入れていて、留学を希望しており、海外に興味のある私の目的にあった学部なのだ。
…特進科に入ったらその辺まで色々言われそうだからこれ以上の干渉はゴメンである。
掲示板前から逃げて、先生を撒けたのを確認するとホッと一息。せっかくなので空いた時間はお昼寝に費やそうとお昼寝場所の社会科準備室に向かうと、同じ階にある生徒会室前の廊下に悠木君がいた。
彼は今の代の生徒会長と何やら廊下で話し込んでいるようだった。
「せっかくですが、次は選挙には出馬しないことにしたんで」
「…そうか。悠木なら立派に勤め上げると思ったのだが」
「いえいえ、俺には荷が重いです」
「…お前にその気がないのなら、残念だが仕方ないな」
なんと。
悠木君は次の生徒会役員選挙には出馬しないことにしたそうだ。
意外である。あんなに熱心に活動していたのに推薦を辞退するとは。
「桐生さんには副会長、酒谷には会計、そして悠木にはぜひ生徒会長へと言う声もあったんだけどな」
「いやいや…そんな大役俺には…」
悠木君は苦笑いをしながら謙遜していた。彼ならできそうだけど、悠木君が無理だと言うなら無理なのだろう。
そこで話は終わりらしい。生徒会長と別れた悠木君は大きくため息を吐き出していた。
「悠木君」
私が背後から声をかけたからか、悠木君が肩を大きくビクつかせていた。ごめん、驚かせるつもりはなかったんだけど。
「ごめん、話聞いちゃった。生徒会、今期限りで引退するの?」
私の問いかけに悠木君は気まずそうに後ろ首を擦り、苦笑いを浮かべていた。
「…もともと生徒会は俺には荷が重いと思っていたんだ。それに加えて一部の成績の低下で実家の親から塾かカテキョつけるかって言われたんだよ。正直生徒会やっている余裕ねぇ」
その言葉に私はさっき見た実力テストの順位を思いだした。いつも50位以内には入っていたはずなのに成績が落ちたのは……
「いや、それって夏休みのバイトのせいじゃ…」
全身の血の気が引く音が聞こえた気がした。
お誘い合わせをしたわけじゃないけど、私がバイトをする姿に憧れて一緒に海の家バイトをした数日間。その間勉強時間が大いに削れたせいで今回の実力テストで大幅なランクダウンをしたのでは…!
「いや、1学期期末からだからそれはない」
しかし悠木君はそれを否定した。
いやいやいや、そういう問題じゃないよ。
「尚更バイトしてる場合じゃないじゃん! なんでバイトしたの!?」
「なんでって…」
私が問い詰めると悠木君は視線をさまよわせていた。頬を赤らめちゃって私には言いにくい理由でもあるのか? 1学期から成績低下の予兆があったのなら断固としてバイトなんかさせなかったのに、なぜ私は気づけなかったんだ…!
私は責任を感じた。1週間程度の住み込みバイトしたせいで成績が全てな特進科所属の悠木君が窮地に立たされるなんて…! 自分のことのように苦しくなってしまい、目の前に立つ彼の手を両手で掴んだ。ビクリと彼の手が震えたが、その震えごと強く握りしめる。
「悠木君! 今日の放課後勉強に付き合うよ! 苦手科目撲滅しよう!」
私にはその程度しか出来ないが、罪滅ぼしとして無償奉仕させてくれ!
「でも俺のクラス、夕課外までだし…」
私のクラスより終わるのが遅いからと悠木君が遠慮の言葉を言いかけたので、私はずずいと前のめりになった。
「その間に準備しとくよ! 悠木君の苦手科目って何かな!?」
勢いで悠木君を頷かせた私は燃えに燃えた。とりあえず自分のクラスの授業が終わったら一旦家に戻ろう。お姉ちゃん特製の秘伝の書を取りに戻って、全部コピーしてから引き返す。代金は私が全額負担する。
今はお姉ちゃんの秘伝の書パワーが必要なのだ。
■□■
自転車を飛ばしてとんぼ返りで学校に戻ってくると図書室に出向いて2席席取りした。
そこでも悠木君が苦手な科目を中心に復習しておく。私は普通科なので、どこまで彼の力になれるかがわからないがやれることは全てやっておこう。悠木君が中間テストでは挽回できるように私はいつになく真剣に勉強した。
普通科の生徒がちらほらいただけの図書室にぞろぞろと生徒が入ってきたのは17時半過ぎだった。特進科の生徒の夕課外が終わったのだ。こんな時間まで授業とは本当に恐れ入る。
なだれ込んできた生徒の波の中に彼の姿はあった。私の姿を見つけるなり一直線にやってきたので、カバンで場所取りしていた席を開けてあげた。
「待たせたな」
「うぅん、こっちも準備でバタバタしてたからそうでもないよ」
さぁさぁ座ってと隣をすすめると、早速勉強に取り掛かった。
特進科クラス1学期期末試験の範囲から復習も兼ねてマンツーマンで指導する。うちの学校は自習室では私語禁止だが、図書室なら少しであれば会話OKだ。周りに迷惑がかからぬようひそひそ声で教えた。
「…悠木君、話ちゃんと聞いてる?」
テキストに書き込みをする私の手元じゃなくて、顔に視線が注がれている気がするんだけど。私はちらりと隣の悠木君を見上げる。すると至近距離に悠木君の整ったかんばせがあった。
「お前の横顔が真剣そのものだったから見惚れてた」
ささやき声っぽい小さな声で口説き文句みたいなことを言われた私はのけぞって距離を開けた。こ、この男は何を言っているんだ…! みと、見惚れてたって…!
顔中にじわじわ熱が集まってくるのがわかったけど、ここで騒いだら周りの迷惑になってしまう。
「ちゃんと説明聞いて。私は遊びで教えてるんじゃないんだよ」
「ごめん、ちゃんと聞く」
小声で注意すると素直に謝罪した彼はその次からは勉強に集中していた。ドキドキしながらも私は次から次に教えていく。悠木君は引っかかっている部分を懇切丁寧に解説していけばすぐに飲み込んだ。やっぱり地頭がいい人は違うな。教えていて気持ちがいい。さすが特進科クラスの生徒である。
「これは?」
テキストの問題文を指差した悠木君の手と私のシャーペンを持つ手が当たって私は一人でビクッとしてしまう。私は平常心を装って、裏返りそうな声をなんとか抑えた。
どうした、今日の私おかしいぞ。まるで悠木君の情緒不安定が感染ってしまったみたいに……
「ここを正しく理解するにはまず、直接法と仮定法過去を対比させて理解したほうがいい」
私はノートにがりがりと例文を書き出していく。悠木君に聞こえる程度の声量で説明していたつもりなんだけど、ふと視線に気づいて顔をあげれば、対面の席に座っていた同じ2年生が身を乗り出してこちらを伺っているのに気づいた。
私は声がうるさかったかなと更に小さな声で話した。声が悠木君の耳に届くように近づいて説明していたので、悠木君の吐息が近く感じたけどそれは仕方ない。
「…18時半になったし、そろそろ帰るか」
図書室の壁にかけられた丸時計を見た悠木くんが解散を持ちかけた。
しかしまだ1時間程度しか経過していない。この学校の図書室は20時まで開放されているのにもう帰るの?
「今日バイト休みだからとことん勉強付き合うよ」
私はまだまだ行けるぞ! と拳を握ると、悠木君は戸惑っていた。
「でも」
「私、22時まで大丈夫だよ! 図書室で勉強しにくいならファーストフード店行こう」
「いや、流石に22時はだめだろ…」
遠慮するな。私は責任を感じていて、その罪滅ぼしに君の勉強に付き合っているだけ。これは自分のためなのだ。
「親にもこの事は言ってるから大丈夫」
私が家族グループメッセージの証拠を悠木君に見せると、悠木君は息を呑んだ。私がバイトで帰りが遅くなるのは日常茶飯事。帰りが遅くなる理由が友達と勉強という内容だったので二つ返事で許可をもらっている。
悠木君は口元を抑えて少し考えた後、一つの提案をした。
「…それなら、ウチくる?」
その言葉に私は目を丸くしたのである。
順位は週明けに発表され、私は2学年全体で5位だった。そのついでにいつも100位以内にランクインしている悠木君の順位も確認しようと名前を探すもなかなか見つからない。
あれ。あれれ? と困惑しながら下の順位まで目で追って…見つけた。学年95位のところに悠木君の名前があった。
…おかしいな悠木君はもっと順位が上だった記憶だったのだが……100位以内に入っているだけでも優秀な部類だが、なんというか今までの成績から見て下がり方が半端なく思えた。
「森宮さん」
「おぉーっと! 授業に遅れちゃうぞ!」
私は忘れていた。掲示板前にいると高確率で先生に捕まるので早々に退散すべきだと。声をかけられた直後だったが、何も聞こえていない風を振る舞って私はその場から逃走した。ちなみにまだ昼休みは終わらない。
はー危ない危ない。夏期講習のときのことを私は忘れていないからな。あの後も何度も特進科クラスに組み込まれそうになったのをなんとか普通科にしがみついて…大変だったんだ。
もうさ、高2の今の時期って受験に向かう時期だから所属科転科とかそんな事している場合じゃないのにどうして諦めてくれないのか。先生たちのその情熱が私には理解出来ない。私はお姉ちゃんみたいに医大を受けるわけじゃないのになぜそこまで執着するのか。
私が進路として考えているのは国際関係学部だ。政治経済法律以外にも英語教育に力を入れていて、留学を希望しており、海外に興味のある私の目的にあった学部なのだ。
…特進科に入ったらその辺まで色々言われそうだからこれ以上の干渉はゴメンである。
掲示板前から逃げて、先生を撒けたのを確認するとホッと一息。せっかくなので空いた時間はお昼寝に費やそうとお昼寝場所の社会科準備室に向かうと、同じ階にある生徒会室前の廊下に悠木君がいた。
彼は今の代の生徒会長と何やら廊下で話し込んでいるようだった。
「せっかくですが、次は選挙には出馬しないことにしたんで」
「…そうか。悠木なら立派に勤め上げると思ったのだが」
「いえいえ、俺には荷が重いです」
「…お前にその気がないのなら、残念だが仕方ないな」
なんと。
悠木君は次の生徒会役員選挙には出馬しないことにしたそうだ。
意外である。あんなに熱心に活動していたのに推薦を辞退するとは。
「桐生さんには副会長、酒谷には会計、そして悠木にはぜひ生徒会長へと言う声もあったんだけどな」
「いやいや…そんな大役俺には…」
悠木君は苦笑いをしながら謙遜していた。彼ならできそうだけど、悠木君が無理だと言うなら無理なのだろう。
そこで話は終わりらしい。生徒会長と別れた悠木君は大きくため息を吐き出していた。
「悠木君」
私が背後から声をかけたからか、悠木君が肩を大きくビクつかせていた。ごめん、驚かせるつもりはなかったんだけど。
「ごめん、話聞いちゃった。生徒会、今期限りで引退するの?」
私の問いかけに悠木君は気まずそうに後ろ首を擦り、苦笑いを浮かべていた。
「…もともと生徒会は俺には荷が重いと思っていたんだ。それに加えて一部の成績の低下で実家の親から塾かカテキョつけるかって言われたんだよ。正直生徒会やっている余裕ねぇ」
その言葉に私はさっき見た実力テストの順位を思いだした。いつも50位以内には入っていたはずなのに成績が落ちたのは……
「いや、それって夏休みのバイトのせいじゃ…」
全身の血の気が引く音が聞こえた気がした。
お誘い合わせをしたわけじゃないけど、私がバイトをする姿に憧れて一緒に海の家バイトをした数日間。その間勉強時間が大いに削れたせいで今回の実力テストで大幅なランクダウンをしたのでは…!
「いや、1学期期末からだからそれはない」
しかし悠木君はそれを否定した。
いやいやいや、そういう問題じゃないよ。
「尚更バイトしてる場合じゃないじゃん! なんでバイトしたの!?」
「なんでって…」
私が問い詰めると悠木君は視線をさまよわせていた。頬を赤らめちゃって私には言いにくい理由でもあるのか? 1学期から成績低下の予兆があったのなら断固としてバイトなんかさせなかったのに、なぜ私は気づけなかったんだ…!
私は責任を感じた。1週間程度の住み込みバイトしたせいで成績が全てな特進科所属の悠木君が窮地に立たされるなんて…! 自分のことのように苦しくなってしまい、目の前に立つ彼の手を両手で掴んだ。ビクリと彼の手が震えたが、その震えごと強く握りしめる。
「悠木君! 今日の放課後勉強に付き合うよ! 苦手科目撲滅しよう!」
私にはその程度しか出来ないが、罪滅ぼしとして無償奉仕させてくれ!
「でも俺のクラス、夕課外までだし…」
私のクラスより終わるのが遅いからと悠木君が遠慮の言葉を言いかけたので、私はずずいと前のめりになった。
「その間に準備しとくよ! 悠木君の苦手科目って何かな!?」
勢いで悠木君を頷かせた私は燃えに燃えた。とりあえず自分のクラスの授業が終わったら一旦家に戻ろう。お姉ちゃん特製の秘伝の書を取りに戻って、全部コピーしてから引き返す。代金は私が全額負担する。
今はお姉ちゃんの秘伝の書パワーが必要なのだ。
■□■
自転車を飛ばしてとんぼ返りで学校に戻ってくると図書室に出向いて2席席取りした。
そこでも悠木君が苦手な科目を中心に復習しておく。私は普通科なので、どこまで彼の力になれるかがわからないがやれることは全てやっておこう。悠木君が中間テストでは挽回できるように私はいつになく真剣に勉強した。
普通科の生徒がちらほらいただけの図書室にぞろぞろと生徒が入ってきたのは17時半過ぎだった。特進科の生徒の夕課外が終わったのだ。こんな時間まで授業とは本当に恐れ入る。
なだれ込んできた生徒の波の中に彼の姿はあった。私の姿を見つけるなり一直線にやってきたので、カバンで場所取りしていた席を開けてあげた。
「待たせたな」
「うぅん、こっちも準備でバタバタしてたからそうでもないよ」
さぁさぁ座ってと隣をすすめると、早速勉強に取り掛かった。
特進科クラス1学期期末試験の範囲から復習も兼ねてマンツーマンで指導する。うちの学校は自習室では私語禁止だが、図書室なら少しであれば会話OKだ。周りに迷惑がかからぬようひそひそ声で教えた。
「…悠木君、話ちゃんと聞いてる?」
テキストに書き込みをする私の手元じゃなくて、顔に視線が注がれている気がするんだけど。私はちらりと隣の悠木君を見上げる。すると至近距離に悠木君の整ったかんばせがあった。
「お前の横顔が真剣そのものだったから見惚れてた」
ささやき声っぽい小さな声で口説き文句みたいなことを言われた私はのけぞって距離を開けた。こ、この男は何を言っているんだ…! みと、見惚れてたって…!
顔中にじわじわ熱が集まってくるのがわかったけど、ここで騒いだら周りの迷惑になってしまう。
「ちゃんと説明聞いて。私は遊びで教えてるんじゃないんだよ」
「ごめん、ちゃんと聞く」
小声で注意すると素直に謝罪した彼はその次からは勉強に集中していた。ドキドキしながらも私は次から次に教えていく。悠木君は引っかかっている部分を懇切丁寧に解説していけばすぐに飲み込んだ。やっぱり地頭がいい人は違うな。教えていて気持ちがいい。さすが特進科クラスの生徒である。
「これは?」
テキストの問題文を指差した悠木君の手と私のシャーペンを持つ手が当たって私は一人でビクッとしてしまう。私は平常心を装って、裏返りそうな声をなんとか抑えた。
どうした、今日の私おかしいぞ。まるで悠木君の情緒不安定が感染ってしまったみたいに……
「ここを正しく理解するにはまず、直接法と仮定法過去を対比させて理解したほうがいい」
私はノートにがりがりと例文を書き出していく。悠木君に聞こえる程度の声量で説明していたつもりなんだけど、ふと視線に気づいて顔をあげれば、対面の席に座っていた同じ2年生が身を乗り出してこちらを伺っているのに気づいた。
私は声がうるさかったかなと更に小さな声で話した。声が悠木君の耳に届くように近づいて説明していたので、悠木君の吐息が近く感じたけどそれは仕方ない。
「…18時半になったし、そろそろ帰るか」
図書室の壁にかけられた丸時計を見た悠木くんが解散を持ちかけた。
しかしまだ1時間程度しか経過していない。この学校の図書室は20時まで開放されているのにもう帰るの?
「今日バイト休みだからとことん勉強付き合うよ」
私はまだまだ行けるぞ! と拳を握ると、悠木君は戸惑っていた。
「でも」
「私、22時まで大丈夫だよ! 図書室で勉強しにくいならファーストフード店行こう」
「いや、流石に22時はだめだろ…」
遠慮するな。私は責任を感じていて、その罪滅ぼしに君の勉強に付き合っているだけ。これは自分のためなのだ。
「親にもこの事は言ってるから大丈夫」
私が家族グループメッセージの証拠を悠木君に見せると、悠木君は息を呑んだ。私がバイトで帰りが遅くなるのは日常茶飯事。帰りが遅くなる理由が友達と勉強という内容だったので二つ返事で許可をもらっている。
悠木君は口元を抑えて少し考えた後、一つの提案をした。
「…それなら、ウチくる?」
その言葉に私は目を丸くしたのである。
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