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Day's Eye 森に捨てられたデイジー
王宮への招待状
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ファーナム嬢に誘われた中庭でのお茶会に珍しく王太子殿下が同席していると思ったら、私に渡したいものがあるからとのことであった。
「え?」
私は自分の耳を疑った。
彼から渡されたのは一通のお手紙。その送り主を聞いて聞き返したのである。
「……今、なんとおっしゃりました?」
「私の母…王妃殿下からの招待状だよ」
私は持っていたティーカップをそっとソーサーに戻して椅子から腰を浮かすと、殿下が差し出すお手紙を両手で恭しく受け取った。
上質な封筒には封蝋が施されており、そこにはロザリー・エスメラルダと差出人の署名がされていた。表を見れば間違いなく私宛。
「…なぜに…?」
王妃様とは一度もお会いしたことがないのですが。私はこれが王太子殿下のイタズラなのではないかと疑った。
「正体を現せ」
紛い物を見破る呪文をかけてみるが、封筒には何の変化もない。
「…正真正銘、私の母から君へのお手紙だよ」
殿下は苦笑いして私に声を掛けてくる。私は半信半疑のまま、封蝋を慎重に開けて手紙を確認する。
要約するとこうだ。【息子を黒呪術から助けてくれてありがとう。一度お顔を見てお礼を言いたいので、王宮にいらしてください】という、お招きのお手紙である。
それを読んだ私は再び疑心暗鬼に陥る。
…なぜ? 天上人が、一村人をお招き…?
なんだ、どんな企みがあるのか。お礼と言われても私はもうお礼を受け取っている。わざわざ呼び出してのお礼って何か企みがあってのことなんじゃないのか……
「…マックさん?」
私の反応が思っていたのと違ったのか、殿下が恐る恐る声を掛けてくる。私は顔を上げて、殿下のお顔を疑いの眼差しで見つめた。
「…本当に、お礼なんですか…?」
考えれば考えるほど疑ってしまう。
怖いんですけど。
「エリーゼに降り掛かっていた呪いを察知した上に、私にかかった魅了術まで抑え込んでしまった。更には多数の黒呪術を術者本人に見事返してみせた君の才能を高く評価しているんだよ」
なにやら褒められているようだが、私はそこまで単純ではない。うまい話には裏があるってものである。何かあるのではと疑ってしまっても私は悪くないと思うのだ。
「君は魔法の才能に恵まれている。国としてもその才能を手放したくない。たとえ君が庶民であったとしても、優秀になるであろう魔術師の卵。この手紙は国の宝になるであろうマックさんと話してみたいという王妃殿下の純粋なお気持ちからの招待状だ。そんなに怖がらないで」
なにそれ怖い。おっかないので避けて通りたいのですがそれは。
だけど村娘がお断りとかしたら首ちょんぱーに加えて、村焼き討ちとかされたりして……私はゾッとして恐怖に震えていた。
私は高等魔術師になりたいけど、貴族王族に顔を覚えられたいとは全く思っていないのだ。だってめんどく…恐れ多いじゃん。
「それで今週の休日に早速…」
「待ってください」
私の意志の確認は必要としないのか、もう私が王宮へ出向く方向に話が進んでいるようだ。勝手に予定を立てられそうになったが、私は待ったの声をあげた。
「もうすぐ期末試験が行われるので休日は勉強したいんです。試験の後にしてください」
「…あ、あぁ…じゃあ、その後で予定を調整しよう」
殿下は面食らった顔をしていたが、私の都合を尊重してくれた。彼の隣でファーナム嬢は小さく微笑んでいた。
その日、私は家族にお手紙を書いた。
学校生活のことに加えて、縁があって貴族のお姫様と王太子殿下と知り合いになりました。それで今度王宮に招待されました。って。
どういう流れでそうなったのかちゃんと説明したいけど、文章で伝えるってなかなか難しい。しかもこんな時に限って便箋が足りない。今度便箋買いに行かなきゃ。
■□■
2年前の私は自分が王宮にお邪魔するとは考えていなかっただろうな。ただの村娘な私がなぜこんな場所に……きらびやかな王宮は物語や伝聞で聞かされるよりも豪華絢爛。私の語彙では説明しきれない。
それ以前に緊張で視野狭窄状態のため周りを観察する余裕がない。しばらく待機していると、ドレスの裾が地面を擦れる音が聞こえてきた。
既婚の女性らしく落ち着いた色合いのドレスは上質そのもの。……あのドレスを着た人が王妃殿下。
高貴な人から声を掛けられるまで顔を上げてはいけない、口を開いてはいけないと聞かされていたので、私はギュッと唇をかみしめて地面を睨みつけていた。
「まぁまぁあなたが…思っていたよりも小さな女の子なのね」
その声に顔をゆっくり上げると、そこには王太子殿下と同じ金色の髪を保つ貴婦人の姿が。…美しい人だ。それに王族特有の威圧感と言うか威厳がすごくて、情けなくも声が震えそうになった。
「…はじめまして王妃殿下、デイジー・マックと申します。本日はお招きいただきありがとうございます」
事前にフレッカー卿に相談しておいたので付け焼き刃の礼儀作法は会得した。教えてもらったばかりの魔術師としての礼をしてみせる。左胸に右手を当て、反対側の腕は伸ばして広げる。
普段絶対にやらない気取った礼に、やった後で恥ずかしくなった。
「小さな魔術師さん、此度の事件では我が息子クリフォードを悪夢から目覚めさせてくれて本当に感謝しております」
「ありがたきお言葉、お力になれたのなら幸いでございます」
どうにもギクシャクとしてしまうが、そのへんはご愛嬌として受け止めてほしい。
「一時はあの悪女へ盲目状態に陥った息子が廃嫡になる可能性も出てきて気が気じゃなかったけど…本当に、本当に良かった…」
そう言って彼女は目元をハンカチで拭っていた。想像しかできないけど、まぁ色々と大変だったんだろうな、国の一大事だもんね。
「誰も気づかなかった黒呪術の存在を察知したあなたの鋭い感性と才能には期待しておりますよ。私はあなたの能力を開花させるための助力は惜しまないつもりです」
「ありがとうございます」
いや、学費無料で学ばせて頂いてるんでもうすでに助力いただいてるんですけどね。というツッコミはしない。
「王妃様その件ですが、もうすぐ始まる長期休暇中に彼女を王立図書館へ案内しようと思うのです」
「え?」
「まぁ、それはいい案だわ」
同席していたファーナム嬢の発言に私は聞き返したが、王妃様は両の手をぽんと叩いて名案だと言う。
……そんな話聞いてない。いや、王立図書館を案内するという話は聞いたけど、長期休暇って……
「エリーゼの案内であれば警備もしっかりしているから安全ね」
ぜひ、そうしてあげて。と笑う王妃様はどことなく王太子殿下の面差しに似ている……
私は口を挟めなかった。なんか勝手に長期休暇の予定を立てられてしまった。ファーナム嬢は厚意で予定を立ててくれてるってわかってるから口を挟むのも憚れて…
お礼を言われた後、簡単なお茶会に招待され、私はぎくしゃくとお茶を飲み、淡々と相槌を打った。場違い感半端ない。早く帰りたいです。もうちょっと王宮を観察しておきたかったけど、緊張してあまり見れなかった。
気疲れしてうつむきがちに王宮を後にしていると、ふぁさ…と目の端に何かが揺れた気がした。
「…?」
それは茶と黒と白が混じった毛色だった。
「あ」
正体は王宮の警護騎士の尻尾である。入場の際は緊張していてあまり見なかったが、ここでは獣人も働いているのか。
そうか、彼らには魔法が使えないが、恵まれた身体能力を持ち、五感にも優れている。こういう仕事が向いているよね。
私がまじまじ見ていたからか相手に気づかれてしばらく見つめ合いをしていた。
「マックさん、どうしたの?」
「あ、いえ…私の幼馴染に狼の獣人がいるので、同じ狼獣人かなと思って…」
もしかしたら犬獣人かもしれないけど。あんまり凝視するのは失礼だな。私は騎士に会釈して視線をそらした。
「あら、それってもしかしてマックさんの恋人?」
「いえ、ただのいじめっ子です」
ファーナム嬢がからかうような声音で突っ込んできたので、私は真顔で否定してあげた。冗談じゃないぞ、あんないじめっ子。幼馴染と言ってるじゃないか。
「そうなの?」
「幼い頃から追いかけ回されてマウントとられて物理で噛みつかれまくったんですよ。どこに逃げても見つけ出されて…本当大変だったんですから」
噛み付いちゃいけませんと当時の学校の先生に注意されても、アホのテオは「なんでだよ!」と反発していたんだよねぇ…獣人同士のじゃれ合いと言われたらそこまでだけど私人間だからそれについていけないんだってば。
私がため息交じりに吐き出すと彼女はふふふ、と小さく笑い声を漏らしていた。
何がおかしいのかとじろりと見上げると、彼女は肩をすくめていた。
「そんな怖い顔しないで。あなたの素が見れた気がして私は嬉しかったのよ」
彼女の言葉に私は目を丸くしてしまった。そんなことが嬉しいの?
私は王妃殿下が手配した馬車(乗合ではない)に乗って学校に戻った。学校の正門前でファーナム嬢と分かれる際に「終業式の後、ここで待っていてね。うちの馬車で一緒に参りましょう」と言葉を送られた。
終業式から直行コースですか。…帰りの馬車に乗らずに王立図書館に送られるパターンなんですかね。それなら学校の寮に残る手続きをしたほうがいいのかもしれない。つまり、帰省が遅れるということで……家族に連絡しなくてはならない。
これは、今すぐに便箋を買いに行ったほうがいいのかもしれない。
「え?」
私は自分の耳を疑った。
彼から渡されたのは一通のお手紙。その送り主を聞いて聞き返したのである。
「……今、なんとおっしゃりました?」
「私の母…王妃殿下からの招待状だよ」
私は持っていたティーカップをそっとソーサーに戻して椅子から腰を浮かすと、殿下が差し出すお手紙を両手で恭しく受け取った。
上質な封筒には封蝋が施されており、そこにはロザリー・エスメラルダと差出人の署名がされていた。表を見れば間違いなく私宛。
「…なぜに…?」
王妃様とは一度もお会いしたことがないのですが。私はこれが王太子殿下のイタズラなのではないかと疑った。
「正体を現せ」
紛い物を見破る呪文をかけてみるが、封筒には何の変化もない。
「…正真正銘、私の母から君へのお手紙だよ」
殿下は苦笑いして私に声を掛けてくる。私は半信半疑のまま、封蝋を慎重に開けて手紙を確認する。
要約するとこうだ。【息子を黒呪術から助けてくれてありがとう。一度お顔を見てお礼を言いたいので、王宮にいらしてください】という、お招きのお手紙である。
それを読んだ私は再び疑心暗鬼に陥る。
…なぜ? 天上人が、一村人をお招き…?
なんだ、どんな企みがあるのか。お礼と言われても私はもうお礼を受け取っている。わざわざ呼び出してのお礼って何か企みがあってのことなんじゃないのか……
「…マックさん?」
私の反応が思っていたのと違ったのか、殿下が恐る恐る声を掛けてくる。私は顔を上げて、殿下のお顔を疑いの眼差しで見つめた。
「…本当に、お礼なんですか…?」
考えれば考えるほど疑ってしまう。
怖いんですけど。
「エリーゼに降り掛かっていた呪いを察知した上に、私にかかった魅了術まで抑え込んでしまった。更には多数の黒呪術を術者本人に見事返してみせた君の才能を高く評価しているんだよ」
なにやら褒められているようだが、私はそこまで単純ではない。うまい話には裏があるってものである。何かあるのではと疑ってしまっても私は悪くないと思うのだ。
「君は魔法の才能に恵まれている。国としてもその才能を手放したくない。たとえ君が庶民であったとしても、優秀になるであろう魔術師の卵。この手紙は国の宝になるであろうマックさんと話してみたいという王妃殿下の純粋なお気持ちからの招待状だ。そんなに怖がらないで」
なにそれ怖い。おっかないので避けて通りたいのですがそれは。
だけど村娘がお断りとかしたら首ちょんぱーに加えて、村焼き討ちとかされたりして……私はゾッとして恐怖に震えていた。
私は高等魔術師になりたいけど、貴族王族に顔を覚えられたいとは全く思っていないのだ。だってめんどく…恐れ多いじゃん。
「それで今週の休日に早速…」
「待ってください」
私の意志の確認は必要としないのか、もう私が王宮へ出向く方向に話が進んでいるようだ。勝手に予定を立てられそうになったが、私は待ったの声をあげた。
「もうすぐ期末試験が行われるので休日は勉強したいんです。試験の後にしてください」
「…あ、あぁ…じゃあ、その後で予定を調整しよう」
殿下は面食らった顔をしていたが、私の都合を尊重してくれた。彼の隣でファーナム嬢は小さく微笑んでいた。
その日、私は家族にお手紙を書いた。
学校生活のことに加えて、縁があって貴族のお姫様と王太子殿下と知り合いになりました。それで今度王宮に招待されました。って。
どういう流れでそうなったのかちゃんと説明したいけど、文章で伝えるってなかなか難しい。しかもこんな時に限って便箋が足りない。今度便箋買いに行かなきゃ。
■□■
2年前の私は自分が王宮にお邪魔するとは考えていなかっただろうな。ただの村娘な私がなぜこんな場所に……きらびやかな王宮は物語や伝聞で聞かされるよりも豪華絢爛。私の語彙では説明しきれない。
それ以前に緊張で視野狭窄状態のため周りを観察する余裕がない。しばらく待機していると、ドレスの裾が地面を擦れる音が聞こえてきた。
既婚の女性らしく落ち着いた色合いのドレスは上質そのもの。……あのドレスを着た人が王妃殿下。
高貴な人から声を掛けられるまで顔を上げてはいけない、口を開いてはいけないと聞かされていたので、私はギュッと唇をかみしめて地面を睨みつけていた。
「まぁまぁあなたが…思っていたよりも小さな女の子なのね」
その声に顔をゆっくり上げると、そこには王太子殿下と同じ金色の髪を保つ貴婦人の姿が。…美しい人だ。それに王族特有の威圧感と言うか威厳がすごくて、情けなくも声が震えそうになった。
「…はじめまして王妃殿下、デイジー・マックと申します。本日はお招きいただきありがとうございます」
事前にフレッカー卿に相談しておいたので付け焼き刃の礼儀作法は会得した。教えてもらったばかりの魔術師としての礼をしてみせる。左胸に右手を当て、反対側の腕は伸ばして広げる。
普段絶対にやらない気取った礼に、やった後で恥ずかしくなった。
「小さな魔術師さん、此度の事件では我が息子クリフォードを悪夢から目覚めさせてくれて本当に感謝しております」
「ありがたきお言葉、お力になれたのなら幸いでございます」
どうにもギクシャクとしてしまうが、そのへんはご愛嬌として受け止めてほしい。
「一時はあの悪女へ盲目状態に陥った息子が廃嫡になる可能性も出てきて気が気じゃなかったけど…本当に、本当に良かった…」
そう言って彼女は目元をハンカチで拭っていた。想像しかできないけど、まぁ色々と大変だったんだろうな、国の一大事だもんね。
「誰も気づかなかった黒呪術の存在を察知したあなたの鋭い感性と才能には期待しておりますよ。私はあなたの能力を開花させるための助力は惜しまないつもりです」
「ありがとうございます」
いや、学費無料で学ばせて頂いてるんでもうすでに助力いただいてるんですけどね。というツッコミはしない。
「王妃様その件ですが、もうすぐ始まる長期休暇中に彼女を王立図書館へ案内しようと思うのです」
「え?」
「まぁ、それはいい案だわ」
同席していたファーナム嬢の発言に私は聞き返したが、王妃様は両の手をぽんと叩いて名案だと言う。
……そんな話聞いてない。いや、王立図書館を案内するという話は聞いたけど、長期休暇って……
「エリーゼの案内であれば警備もしっかりしているから安全ね」
ぜひ、そうしてあげて。と笑う王妃様はどことなく王太子殿下の面差しに似ている……
私は口を挟めなかった。なんか勝手に長期休暇の予定を立てられてしまった。ファーナム嬢は厚意で予定を立ててくれてるってわかってるから口を挟むのも憚れて…
お礼を言われた後、簡単なお茶会に招待され、私はぎくしゃくとお茶を飲み、淡々と相槌を打った。場違い感半端ない。早く帰りたいです。もうちょっと王宮を観察しておきたかったけど、緊張してあまり見れなかった。
気疲れしてうつむきがちに王宮を後にしていると、ふぁさ…と目の端に何かが揺れた気がした。
「…?」
それは茶と黒と白が混じった毛色だった。
「あ」
正体は王宮の警護騎士の尻尾である。入場の際は緊張していてあまり見なかったが、ここでは獣人も働いているのか。
そうか、彼らには魔法が使えないが、恵まれた身体能力を持ち、五感にも優れている。こういう仕事が向いているよね。
私がまじまじ見ていたからか相手に気づかれてしばらく見つめ合いをしていた。
「マックさん、どうしたの?」
「あ、いえ…私の幼馴染に狼の獣人がいるので、同じ狼獣人かなと思って…」
もしかしたら犬獣人かもしれないけど。あんまり凝視するのは失礼だな。私は騎士に会釈して視線をそらした。
「あら、それってもしかしてマックさんの恋人?」
「いえ、ただのいじめっ子です」
ファーナム嬢がからかうような声音で突っ込んできたので、私は真顔で否定してあげた。冗談じゃないぞ、あんないじめっ子。幼馴染と言ってるじゃないか。
「そうなの?」
「幼い頃から追いかけ回されてマウントとられて物理で噛みつかれまくったんですよ。どこに逃げても見つけ出されて…本当大変だったんですから」
噛み付いちゃいけませんと当時の学校の先生に注意されても、アホのテオは「なんでだよ!」と反発していたんだよねぇ…獣人同士のじゃれ合いと言われたらそこまでだけど私人間だからそれについていけないんだってば。
私がため息交じりに吐き出すと彼女はふふふ、と小さく笑い声を漏らしていた。
何がおかしいのかとじろりと見上げると、彼女は肩をすくめていた。
「そんな怖い顔しないで。あなたの素が見れた気がして私は嬉しかったのよ」
彼女の言葉に私は目を丸くしてしまった。そんなことが嬉しいの?
私は王妃殿下が手配した馬車(乗合ではない)に乗って学校に戻った。学校の正門前でファーナム嬢と分かれる際に「終業式の後、ここで待っていてね。うちの馬車で一緒に参りましょう」と言葉を送られた。
終業式から直行コースですか。…帰りの馬車に乗らずに王立図書館に送られるパターンなんですかね。それなら学校の寮に残る手続きをしたほうがいいのかもしれない。つまり、帰省が遅れるということで……家族に連絡しなくてはならない。
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