太陽のデイジー 〜私、組織に縛られない魔術師を目指してるので。〜

スズキアカネ

文字の大きさ
53 / 209
Day‘s Eye 魔術師になったデイジー

似合わない口紅

しおりを挟む
 卒業式典後の立食パーティがお開きとなったので、友人や恩師に挨拶を済ませると私は早々に転送術で帰省した。
 一応、学校側が乗合馬車を手配してくれているんだけど、翌日出発と聞かされた。なので私は魔法を使って一足先に帰ってきたのだ。

 転送術でひとっ飛びした私は顔を上げる。
 懐かしい私が育った村、私の実家が目の前にあった。私は頬を緩めると、トランクを持ち替える。息を吸って逸る心を落ち着かせ、ドアノブを掴んだ。

「ただいま」
「! おかえり」
「卒業おめでとうデイジー」

 家に入ってすぐに兄さんたちに出迎えられた。おめでとうの言葉に私はニンマリと笑う。今日は義姉さんやハロルドもお祝いに駆けつけてくれたみたいだ。テーブルにお皿を並べていた義姉さんの背中に背負われたハロルドがこっちを見てキョトンとした顔をしている。

 うちでは私を出迎える準備をしてくれていたようだ。ごちそうのいい匂いが家中に満ちている。台所からひょこっと顔を出したお母さんはエプロンの裾で手を拭いながらこちらに近づいてくる。近くで私の顔を見ると、おかしそうに笑っていた。

「おかえり。ふふ、誇らしげな顔をしちゃって」
「だって中級魔術師として認められたんだもの」

 ペンダントを首から外し、持ち上げて見せびらかすと、お母さんがそれを手にとって物珍しそうに見てきた。彼女がそっと中央の翠石に触れると、碧く光っていた光が失われる。

「あれっ!? 石の光が消えちゃったよ?」
「あぁ持ち主以外の人間が触ったらこうなるようになってるの。悪用できないようにね」
「あら…そうなの…」

 お母さんは恐る恐るそのペンダントを返却してきた。別に呪われたりしないから怖がらなくてもいいのに。

「デイジー、荷物は部屋に運んでおいたぞ」
「うんありがとう」
「今日は父さんも早めに帰ってくるからな」
「今晩はお祝いにごちそうよ、義母さんが昨日の晩から下ごしらえ頑張ってくれてたのよ」

 親兄弟にそのお嫁さんと甥っ子まで勢揃いで私の卒業祝いをしてくれる。私はそれが嬉しくてくすぐったくて、エヘヘ…と気の抜けた笑い声を漏らしてしまった。


■□■


「デイジー、客だぞ。通していいか?」

 主役は休んでろと言われたので、部屋で荷解きや片付けをしていると、リック兄さんから来客だと告げられる。

「? …いいけど…誰?」
「安心しろ、兄さんも同席してやるから」
「……?」

 何を安心しろというのか。
 少し遅れて私の部屋に入ってきたのは1年ぶりのテオである。なんか又でかくなった気がするのは気のせいかな。
 いくら種族が違うにしても身長差が激しくないか。私は人間女性の平均よりも背が高い方なのに、村にいると自分がまだ子どもだと錯覚しちゃうんですけど。
 部屋に入ってきたテオは尻尾をブンブン振っていた。まるで犬である。

「おかえり」

 なんだかテオにお帰りと言われると調子狂うな。私はムズムズした気持ちを抱えながら、小さくただいまと返す。

「…ほら見てよ、私は晴れて中級魔術師になれたのよ」

 すぐに上級魔術師になってみせるから見てなさいよ! と私が胸を張ると、テオはずいっと何かを差し出してきた。

「…ほら、卒業祝い」

 卒業祝い。テオの中の贈り物ブームはまだ過ぎ去っていないようだ。差し出されたのは小さな箱だ。気を抜くとどこかに失くしそうな小さな箱。とても軽い。
 小さな箱に入っていたそれ。手のひらにちょこんと乗るサイズのそれを開けると赤の口紅が入っていた。

「……これを私に?」

 私に、テオが、口紅を贈るの?
 ガリ勉クイーンの私に化粧品をあげちゃうのか。

「お、女はそういうの好きだって店員が言ってたんだよ!」

 テオは顔を真っ赤にして言い訳をしていた。そうか、店員に言われたのか。なるほど、深い意味はないのね。

「うん…まぁ、ありがとう?」

 化粧のひとつくらいしろって言う気遣いだろうか。まぁ私も今年で16になるから少しくらいは興味を持ったほうがいいのだろうが。
 私はベッド脇にある小さなドレッサーの鏡に自分の姿を映すと、小指でちょいちょい口紅を付けてみる。普段全く塗らないのでちょっと慣れないな。上唇と下唇をんーと合わせて、色が均等に馴染んでいるのを確認すると、自分の顔を見て顔をしかめてしまった。
 なんかものすごく違和感があるんだけど。

 私がくるりと首を動かしてテオとお目付け役のリック兄さんを見ると、テオはぴしりと固まっていた。

「似合うじゃないか。一気に大人っぽくなった感じがする」

 感想をくれたのはリック兄さんだ。
 でも妹可愛さで褒めてくれているような気もしないでもない。

「……落とせ」
「えっ…むぐぉ…っ」

 素早く風のように近づいてきたテオは何を思ったのかおっかない顔をして着用していたシャツで私の口元を拭ってきた。
 痛い痛い! いきなり何するんだ! 唇の皮がむけるでしょうが!
 テオの手を振り払おうとするが、離さない。好き勝手に人の唇を乱暴に拭ったと思えば、真顔でこう言ったのだ。

「やっぱり付けるな、男が見る」

 いや…普通に歩いていたら何かしら人に顔を見られるでしょうよ…なんなの、そんなに私の顔がひどかったといいたいの…?
 そんな事言われたら逆に悲しくなるわ。
 もういいよ、持っていても宝の持ち腐れでしょ?

「じゃあこれ返す」
「なんでだよ」
「…使い道がないでしょ」

 私が口紅を返却しようとすると、その手を掴まれて引き戻される。
 私がジトッと不満を込めて睨みつけると、テオは頬を赤くさせて、照れているような情けない顔をしていた。

「俺のいる前だけでつけるなら…別に使ってもいいけどよ」
「なんでよ」

 あんたが言ってることはさっきから滅茶苦茶だ。
 私は煮え切らない気持ちで渋い表情を浮かべてしまう。

「…伝わってないぜ、色々と」
「…リック、まだいたのかよ」
「はいはい、嫁入り前の大事な妹に手ぇ出されちゃかなわんからな」

 そう言って兄さんはやんわりと私とテオを引き剥がしていた。

「おいリック、そりゃねぇだろ」
「悪いな、俺はいつだってデイジーの味方なんだ」

 それにムッとした顔をしたテオが兄さんに文句をつけていたが、私には何の話をしているのかわからない。
 しかしふたりの間では何か意思疎通しているらしい。味方とか何の話をしているのだろう一体。


 お祝いを渡しに来ただけだからテオはすぐに帰るんだろうと思っていたのだが、私を呼びに来たお母さんが「あんたも食べてくかい」と夕飯のお誘いをして、何故かテオも同席することになった。
 …なんで?

「デイジー、魔法魔術学校卒業おめでとう!」
「ありがとう」

 ごちそうに囲まれた私は家族にお祝いの言葉を投げかけられ、ふにゃふにゃと締りのない顔で笑っていた。
 魔法魔術学校での生活について問われている間、隣の席に座ってるテオが私の皿にどんどん肉を乗せてきた。

「お肉ばかり乗せるのやめて。食べたい時に自分で取るからいいよ」
「もっと食えよ。お前は細すぎる」

 そう言って新たに切り分けた肉を乗せてくるテオ。
 聞こえないのか、肉ばっか乗せるなと言っている。あのね、いくら育ち盛りの私でも胃袋はそんなに大きくないんだよ。そんでもって雑食なの、肉を好む狼獣人とは違うんだよ。

 ──ピィー…ヨロロ…
 甲高い鳴き声に獣人の皆は一斉に動きを止めて耳をピコピコ動かしていた。その動作が皆同じで見ていて面白い。
 飛んできたのは半透明の鳩だ。これは伝書鳩の呪文による連絡だ。緊急の時に使われることが多い。

「ごめん、私だ。伝書鳩が届いたみたいだから中身確認してくる」

 自分の肩に止まった半透明の鳩を連れてひとり廊下に出ると、伝書鳩の連絡を確認した。
 中身は王太子殿下から直々の連絡だった。

 なんで卒業パーティ出ないで帰っちゃったの? と言われたが、面倒だったというしか……卒業パーティは卒業生と恩師、そして5年生が集まって、送り出す学校生活締めくくりのイベントだ。貴族のパーティさながらにダンスタイムも設けられているそうだ。
 私としては卒業式典後の立食パーティで満足したのでもう十分でした。ぶっちゃけ6年生でいたの半年もなかったし…思い出も何も……
 首席卒業生はみんなの前でダンスを踊らなきゃいけなかったらしいが、私としては、あの例の貴族の仲間に会いたくなかったので、不参加でちょうど良かった。
 このパーティに参加しても大して得られるものはない。卒業資格のペンダントや証書を貰えばこっちのもんだとばかりに、転送術でお先に帰宅させてもらったのである。

 だって家族が家で卒業祝いのごちそう作って待ってくれるって言ったんだもの。帰宅予定時間も知らせたあとだったし…優先順位を考えて、家族を選んだそれだけのことだ。
 ごめんごめんという言葉を堅苦しくして、返事の伝書鳩を殿下宛に飛ばした。
 なぁに、私は飛び級での卒業生だからその場にいなくとも問題ないだろ。本来なら今年度の卒業生の中にはいなかった生徒だしさ。そもそもパーティに参加するための準備を一切何もしてなかったし、一般塔の先生方には前もってまっすぐ帰りますと宣言していたもん。

 伝書鳩が夜の空を飛び去っていくのを見送っていると、「…誰からだよ」と後ろから不機嫌な声が聞こえてきた。

「盗み聞きは趣味悪い」

 私が注意すると、奴は不機嫌そのものな顔をしてこちらを睨んできた。
 不快である。人を疑い、責めるような目を向けるとは何様のつもりだ。
 なので私は腕を組んで相手を睨み返して差し上げる。

「…この国の王太子殿下からの連絡だよ。学校で知り合いになったの、聞いてるでしょ? …言っておくけど殿下には相思相愛の婚約者がいるから」

 こいつは私を尻軽かなんかだと思っているのか。群れのリーダー気取りなのかなんだか知らんが、詮索しすぎやしないか。

「フーン、ならいいけど」

 ゆらん、とテオの尻尾が揺れた。

「なにがよ」
「おら、飯食うぞ」

 いやあんたが人の皿に肉ばっか乗せるから、もうお腹いっぱいなんだけど…
 こっちの気も知らないで、私の腕を引っ張るとテオは尻尾をブンブン振って、みんなのいる食卓へと向かっていったのである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

やけに居心地がいいと思ったら、私のための愛の巣でした。~いつの間にか約束された精霊婚~

小桜
恋愛
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。 そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい。 幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。 そろそろ彼との関係も終わらせなければならないけれど、ルディエルも精霊達もネネリアだけに優しくて――? 「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」 鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。 精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜

鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。 そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。 秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。 一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。 ◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。

【完結】成りすましの花嫁に、祝福の鐘は鳴る?

白雨 音
恋愛
代々、神に仕える一族、モード家の直系の娘は、《聖女の光》を持って 生まれると言われているが、三姉妹の真中、クレアは違った。 《聖女の光》を持たずに生まれたクレアは、不遇の少女時代を送り、 二十歳を迎える頃には、すっかり気弱でお人好しの娘に育っていた。 一方、聖女として頭角を現し始めた妹のロザリーンは、隣国の王から妃にと望まれる。 クレアは妹付きの侍女として、一緒に隣国に行く事になるが、途中、一行は賊に襲われてしまう。 だが、それは王との結婚を望まぬロザリーンの策謀だった___ ロザリーンと間違われ、王宮で手厚く保護されたクレアだったが、 聖女の力が使えないと分かるや否や、王は激怒する。 王を執り成し、クレアの窮地を救ってくれたのは、騎士団長のオーウェン。 だが、その為に、彼は行き場の無い花嫁(クレア)との結婚を命じられてしまう___ 異世界恋愛:短めの長編  ※18禁にしていますが、ささやかなものです。《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆ 

処理中です...