私のわだかまり

霜月満月

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学生時代

小学生の間

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まず、最初に「今思えば」と浮かぶのは小学生時代だ。

私は生まれた時から父の実家があるど田舎に住んでいた。

父方の祖母、両親、兄、私の5人暮らし。
祖父は私が生まれる前どころか、母が嫁いでくる前に亡くなっていたらしい。

山の中の一軒家。
田んぼも畑もある自然豊かな場所に住んでいた。

でも、さすがど田舎。
小学校に登校するのに汽車に乗るのだが、一時間に一本。
電線はないので、リアルに汽車。

そうなると、小学校に間に合う様に出るなら、早すぎる到着。それに乗り遅れたら遅刻しかない。

なので、朝行く時だけは大抵両親どちらかの車で送ってもらっていた。

それでも、この時の私はこの生活に特に文句なかった。

田んぼでお米を作るのも、畑の野菜などの収穫も手伝うのが当たり前だと思ってたし、徒歩圏内に野苺取り放題の場所もあった。
栗や柿の木もあって毎年の楽しみでもあった。
梅の木もあったが、それは収穫したあと母方の祖母に漬けてもらうべく、母の実家に送っていた。

そんな和な生活に一点の曇りは学校で男子全員にバイ菌扱いされていたことぐらい。


男子全員と言っても12人ぐらい。
ど田舎の学校らしく、各学年にクラスは一つだけだし、男女合わせても10人強ぐらい。

私がいた時は私の学年が一番多かったけど、それでも19人ぐらいだったと思う。

男子全員に避けられようと、女子一同は味方でいてくれたので、さほど気にせずに済んでいたから、そこまで辛く感じていなかった。


だからこそ私の最初の後悔がこの時期なのだ。

私が小学5年生の時だった。
ある日、母から話があると一対一で向き合って聞かれた。

「(母の実家がある県)に引っ越すことになったんだけど、母さんと父さん、どっちと一緒がいい?」

昔のことだからこの通りかは怪しいが、とりあえずどっちを選ぶかを聞かれた。

この時に両親は離婚したのだ。

同時の私はこのど田舎の環境しかほぼ知らない。
年に2回、お盆とお正月に母の実家に集まることはあったが、母の実家と近所にある母の弟━つまり叔父の家にしかいったことがないし、せいぜい一泊ぐらいですぐに帰ってきていたので、都会に出た感覚はなかった。
だからこそ、憧れがあった。

それもあって、深く考えずに私は母を選んだ。

そうして、転校が決まり。
同級生と担任でお別れ会を開いてくれた際、最後だからというのと、先生の前だからってことだろうが、「最後に全員で握手しよう」となった時、男子一同も渋々握手してくれた。


そして、転校した先の学校。
各学年4クラス、30人ずつぐらい。

特に思い入れがなかったから、記憶は定かではないけど、大体これぐらい。

転校初日。
母は私を小学校に連れて行ったあと、3つ上の中学生である兄の付き添いに行ってしまった。

そもそも引っ越したのがこのタイミングだったのが、兄の高校受験に合わせる為だったから。

私は一人取り残され、新しく加わるクラスに向かうまでの間、緊張していたんだと思う。クラスの扉を開く時からの記憶はあるのに、待たされてる間の記憶がないから。

それまで自分合わせても20人いなかったクラスにいた田舎者が、いきなりこんなにびっしり生徒がいる中に加わる。
頭が真っ白になりそうな中、なんとか自己紹介をした。

でも、見知らぬ土地であり、誰も知り合いなどいないところに来た私は、この時にやっと自分が人見知りだったんだと自覚した。

自分から友達を作るなんてどうしたらいいか分からなかったから、基本じっと自分の席にいた。

その後、優しい子がいてなんとか友人はできたが、しばらく居心地が悪かった。



そして。

どこから仕入れてきた情報なのか忘れたが、母が少年団に入るかと聞いてきた。

地域の小学生~中学生までの中から募ってバドミントンを教える教室。
私が引っ越す前によく父と遊びでバドミントンをしていたのを覚えていたらしく、本格的にやってみる?ということだ。

興味があったことは確かだったので、通わせてもらった。
小学校が終わった放課後。一旦家に帰って、夕方から小学校の体育館を借りてやっていた。
ところが、同級生の中にも2人いて。
2人共女の子だったし、元々2人が友人同士だったし、家が近いからと一緒に行く様になった。

それはある意味間違いだった。

私は当時、髪の長さがセミロングぐらいはあった。
当然、結って行くし、母にやってもらっていた。
が。一緒に行く2人も似たような長さだったからか、理不尽にも「髪型を真似ないで」と言ってきた。
それで髪型を変えてもたまに被っていたため、言われた。

その後、バドミントン以外でも遊びに誘われる様になったが、なんとも居心地が悪くて、帰ろうとすると止められるし、なんなら追いかけられた。
正直、当時の私は2人が怖かった。
身長は私の方が高いのに、態度で負けていた。

『これはいじめになるのでは?』

そう思ったけど、言う勇気は私にはなかった。


そんな日々が続いて、6年生に上がった時。
この頃にはさすがにある程度環境の変化には慣れていた。

そして、意外なところから驚くことを言われる。

中学3年生である兄の担任。
その人がバドミントン部の顧問でもあった。
兄は何故かテニス部に入っていたため、私に目をつけたらしく、母か兄を通してだった気がするが、中学に入学したら、入部するよね?ということを言われた。

小学生にして中学の部活を決められる。
今思うと理不尽だ。選択権がない。

でも、当時の私は深く考えてなかったので、そのまま普通に小学校を卒業したし、兄と同じ中学に入学した。


「今思えば」最初の後悔はこの小学生時代。

何故なら。
転校した先ではもう修学旅行等の行事は終わったあと。
運動会とか毎年ある行事のみ。
思い出など全然ない。

むしろ、前の学校にいた時にしかそういった思い出はない。

だからこそ、卒業式で流す涙などない。
中学でも一緒の方が多いだろうに、なんで泣くのか不思議に思っていたぐらいだった。

卒業アルバムも一年と数ヶ月しかいなかった私にとっては、なんの思い出もないと言っていいぐらいだった。
アルバムに乗る写真に私の思い出などない。
私がいるのはクラスの集合写真だけ。

思い出の写真が乗っているのは前の学校の方。

こんなことなら私だけでも引っ越すのを小学校を卒業してからにしてほしかった。

転校先に修学旅行等の思い出がないのは兄も同じだったが、高校受験があるから仕方ない。
私は受験しないのに転校することになってしまっていた。


今ではもう、前の学校の男子の名前はほとんど覚えてない。
女子は転校しても年賀状を出したりしていたので、メモを見たら分かるし、お別れ会の時に撮った集合写真で顔と一致させることもできる。男子は一致させることができないけど。
私が高校生の時に事故で亡くなった元同級生の男子がいたが、下の名前が出てこない。
一緒に汽車に乗って登校していたので、名字は覚えているんだ。

そんな悲しい状況になるなら、私は元の小学校を卒業して、そこのアルバムがほしかった。



大人になった今、当時のことを思い出すこともなければ、思い出すきっかけになるはずのアルバムもない。
最初の後悔が小学5年生の時。
これが一年ずれただけで違ったかもしれないと思うと、悔しくて仕方ない。


そして、小学生の時に転校することになってから私は度々後悔を繰り返していくことになる。 
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感想 1

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みんなの感想(1件)

赤井水
2022.10.06 赤井水

初感想を贈ります。

 最初に……え? 良くない? 社会全体の問題として無職は良くないと言われるし経済的にはマイナスかもしれない。

 けれども生産性や時間の有効活用、そして精神性ではプラスだと思ったりします。

 ダメなのは自己の見直しをしないタイプでただ生かされてる人は厳しい感情が向けられるかも知れません。

 でも現状を見て、考察するのはせっかちさんには白い目で見られますがある程度の経験してる人にはええやんかってなりますよ。

 そして投稿して多少ポイントが伸びれば数ヶ月後かどうかは分かりませんが収益が出るかもしれない。

 という意味では全てにおいてプラスですよ。
 エッセイやノンフィクションは本音を脚色する方が居ますけど (綺麗事を並べたりですね)
 そんなことはせずに吐露した方がダイレクトに響くかなぁと思います。

 投稿を楽しみに待ちます。読まれてるからとか考えずに本能や本音で書かれることをお待ちしております。

2022.10.06 霜月満月

私の周りには無職を責める人しかいなかったので、お言葉が嬉しかったです。
こうして投稿していることも家族に言ってないので、書ける時に書いて、順次投稿していきます。
なので、投稿時間とかもまちまちになるかと思いますが、家族に言ってない理由も後々書いていくつもりです。

それと、ため込んでいたものを吐き出すつもりなので、一切脚色しません。

解除

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