すべてが叶う黒猫の鈴

雪町子

文字の大きさ
14 / 36
第四章

好きってどんなもの

しおりを挟む
『わたしに、黒猫くんを描かせてくれないかな』
 ずぶぬれの彩がそう言ったのは数日前のことだった。同じくずぶぬれの黒猫がぽかんとしている間に『気が向いたらうちの庭に来て』と彩はくしゃみひとつを残して帰って行った。くしゅん。遅れて、黒猫もくしゃみをした。
 その日から、黒猫はどこをとっても真っ黒な毛に顔を埋めながら考えた。
 いったいなんだというのだろう。
 なぜあの流れで僕を描こうって話になるのか。そもそも僕の絵なんか描いてどうする。あんなに色を詰め込んだ絵を描くのに、黒猫なんてただの黒しかないじゃないか。彩の絵から一番遠い気さえする。血迷ってるとしか思えない。
 ……それなのに一週間後。黒猫は青い屋根の下を訪れていた。
 胸にあるのは、たいそうな意味も理由もなく、ただ『見てみたい』という、それだけ。寝ても覚めても考えるうちに風船のようにふくらんだ。あの瞳が、あの手が、どうかたちにするのか。
 どんな逡巡もすべてその好奇心に負けたかたちになる。
 うざったく話しかけられでもしたらすぐ帰ろうと思っていたが、絵を描いているときの彩はひどく静かだった。
 瞳に焼き付けるかのごとく長く見つめていたかと思うと、次の瞬間には紙の上、吸いこんだ息を吐き出すような勢いで手を動かす。
 彩の目は、どんなふうにできているんだろう。黒猫には心底不思議だった。
 近づいてもまるで気づかないので、後ろからそっと回り込んでみる。ラクガキのようなタッチで黒猫が沢山描かれている。黒猫……だろうか。なぜだか赤、青、緑と色とりどり。
「あれっ」
 いなくなったことにようやく気付いたらしい彩が辺りを見回す。後ろでにゃあと鳴いてみせると、驚きのあまりスケッチブックを地面に落っことした。まったくどんくさいやつ。
「いつの間に……なんだか、前もこういうことあったよね」
 ぱんぱんとスケッチブックについた土を払う。幸い絵に汚れはついていないようだ。
 黒猫の視線が絵にあるのに気付いた彩は「気になる?」と笑った。
「今はね、練習。黒猫くんのかたちをつかまえるっていうか……なんていったらいいのかな。あのね、写真みたいに、黒猫くんを見えるまま描きたいわけじゃないんだ。わたしの中の黒猫くんを描きたくて。ぼんやりしてるから、はっきりさせたいの。だから、今は見るために描いてる」
 やっぱり全然わからなかったけれど、語る彩の瞳が力に溢れているのはわかった。
 見たい、とまたつよく思う。
 見てみたい。彩が描く――あの瞳に映る、自分の姿が。
「だから、黒猫くんはあんまり気にせず自由にしてて大丈夫。落ち着かないと思うけど」
 ……見透かされていたみたいで、なんとなくむかつく。

「――おかえりなさい」
 寝床の歩道橋下に戻ってきた黒猫は、まったく歓迎されてない声で迎えられた。白猫はこちらをちらとも見ず、ばしっばしっと尻尾を地に打ち付けている。
「来てたんだ」
「来てましたけど」
「なんか不機嫌じゃない?」
「そんなこともありませんけど」
 けど、のあとが本題にちがいない。駆け引きは苦手だ。
(なんだろう、何か忘れてたかな)
「最近、昼間いないことが多いのね」
「ああ、うん。ちょっと……用があって」
「また『用』。用、用、用。人間みたいにずいぶんと用事がおありなようで」
 そう言って後ろを向いてしまう。尻尾がしおれている。なんだっていうんだ、いったい。
「……黒猫さん、浮気してないわよね」
「えっ」思わず声をあげると、白猫が畳みかけるように「その反応、もしかして……!」と迫ってきた。
「違うよ。まさかそんな勘違いしてるとは思わなくてびっくりしたんだ」
 途端に勢いをなくした白猫はうなだれてしまう。
「だって……いつも何も言ってくれないし」
「そんなこと……」
 あるな、と思い直す。でも言えるわけもない。
 この場をどうおさめようかと考えていると、白猫がじっと見つめてきた。
「そんなこと『ない』なら、今日の用がなんだったのか教えて」
「えっ」一歩あとずさると、すかさず一歩白猫が詰めてくる。
「それから、わたしも一緒に連れて行って」
「ええっ」間近に迫った白猫の瞳がぎらぎらと燃えている。
「言っておくけど、ごまかそうとしたって無駄だから。そういうの全部、女にはわかるんだから!」

「わあっ、今日は白猫ちゃんも一緒なんだ」
 縁側に置かれた扇風機がカタカタと首を振りながら風を送っている。その人工的なぬるい風に毛を撫でられながら、黒猫は気まずさのあまり深くうつむいていた。
「へえ……自分が来たくないって言ったくせに、こっそり来てたのね」
 じろりと白猫が横目で見てくるのが気配でわかり、下げた頭がさらに下がる。まさか再びここに来ることになるとは、黒猫自身も思っていなかったのだからしょうがない。
 枯れた花のようにしおれてしまった黒猫がおかしかったのか、白猫はふっと笑った。
「大丈夫よ、怒ってないから。ほっとしたし。わたしね、ここにまた来たかったの。だから今すごく嬉しい」
 一目散に庭に咲き乱れる花のもとに走っていく。黒猫は花に詳しくないが、それでも夏の花は色鮮やかなものが多いと思う。赤い色のイチゴのような花、涼やかな薄紫が流水のような形をした花。
「見て。前に来た時とちがう花が咲いてる」
(また子猫みたいにはしゃいでる)
 とりあえず機嫌はなおったようだとほっとしていると、うしろでちいさく笑う声がした。いぶかしげに見上げると彩が微笑んでいる。今、笑うようなことなんてあっただろうか。
「ごめんね、なんだか可愛くて……」彩はいっそう目を細めた。
「黒猫くんは白猫ちゃんのことが本当に好きなんだね。すごく、優しい目で見てた」
 言われた意味がよくわからなかった。
 好き? 優しく? 今、自分はただ白猫を見ていただけだ。
 自分に『好き』なんて感情、あるわけがない。魔法の鈴を得た代償になくしたはずなのだから。
 彩はもう縁側に腰を下ろし、膝上のスケッチブックをめくっている。なんとなくひっかかる気持ちがしながらも、まあいいかと黒猫も縁側にのぼった。彩の隣で丸くなる。
 気にしなくていいと彩自身が言ったのだから、お言葉に甘えて寝てしまおう。なにせ今日はこんなにいい天気なのだから。
 紙とクレヨンのこすれる音がなんだかくすぐったい。うっすらと開いた瞳の向こうでは白猫が飽きもせず花とじゃれている。木漏れ日のひかりに包まれて黒猫はこの上なく安心していた。そうしてゆっくりと夢の世界に落ちかけていたときだった。
「――彩」
 突然の低い声に飛び起きた黒猫は、転げ落ちるように縁側を降りた。
 和室の襖に手をかけてスーツ姿の男が立っていた。ほっそりとして、草みたいに静かなたたずまい。眼鏡をかけている以外に特徴という特徴のない男だった。
「パパ……帰ってきてたんだ」
 どうやらこの男は、彩の父親らしい。眉毛を下げて困った顔をしている彩は、なぜか頬だけが赤かった。
「予定より早まってね。午前の便で成田についたんだ。電話しようかと思ったけど、帰って言えばいいかと思って」
「い、インド楽しかった?」
「遊びに行ったわけじゃないから、楽しくはないかな」
「しばらく、いられるの?」
「いや。本社の仕事を片付けたら、またどこかに出向することになると思う」
「……そうなんだ」
 そこで会話は途切れてしまった。
 落ち着かなげに紙の端を何度も指でこすっている娘と、何も感じてないかのように落ち着いた様子の父親。なんだか、ぎこちない親子だった。
 ふいに父親の目が、彩ではなく黒猫を見た。
「――猫、飼い始めたのか。あっちにも一匹いるな」
「あっ、ちがうの。ふたりは……遊びに来てくれてるだけ。わたしが黒猫くんの絵を描いてるから……」
「彩、ふたりじゃないよ。二匹」
 彩は焦ったようにうつむく。
「あ、そ、そうだよね。黒猫くんたちは友だちみたいだからつい……」
 父親はわかったような、わかっていないような「そうか」を口にすると、つっかけに足を入れ、黒猫の頭を撫でようとしゃがみこんできた。なんだかこの男は気に入らない。思いきりそっぽを向いてやった。
「……嫌われちゃったみたいだな」
 困ったように眉毛を下げて目を細める、その笑い方がはじめて彩に重なる。
「ずいぶんとボロボロだけど、新しいの買ってやろうか」
 立ち上がった父親の視線がクレヨンの上にあるのに気づいた彩は、慌てて蓋を閉める。細かい欠片となっても本分を全うする、満身創痍の戦友たち。
「ま、まだ大丈夫。大事にするって、約束したでしょ?」
『大事にするって……約束したのにね』
 懐かしい声が蘇る。折られてしまったクレヨンを前に彩がつぶやいた『約束』。あれは、父親とのものだったのか。
「そうだったっけ。でも、そんなにボロボロじゃ使いにくいだろ。遠慮しなくていいから」
 なにか続けようとしたはずの彩の口からは何も出てこなかった。小さくお礼を言うと、またうつむいてしまう。
「じゃあ、ちょっと会社にも顔を出しておきたいから行くよ。こっちにいるうちに、どこか出かけような」
 そうして父親はもう彩のことは振り返らずに家の中へと消えていった。変なやつがいなくなって黒猫はせいせいしたけれど、彩は見えない背中をいつまでも追い続けていた。

 お礼なのか知らないが、彩はある程度絵が描き終わると、黒猫にご飯をふるまってくれる。今日は白猫と二匹連れだったせいか、いつもより豪勢だった。魚肉ソーセージ盛り、かつおぶしとにぼしを添えて。だから、帰り道はお腹が満たされてほんのりと眠い。
 ぼんやりとした頭でコンクリートに長く伸びた影を踏むようにして歩いていると、突然横を歩く白猫が立ち止まった。前足で頭をかきはじめる。
「大丈夫?」
 白猫は大丈夫と返す代わりに微笑んだ。
「最近ときどき頭が痛くなるの」
 しばらく待って二匹はまた歩き始める。さっきよりゆっくりとした速度で。
「あんまり似てなかったね、彩たち。親子なのに」
「親子だからって皆似ているわけじゃないと思うわ」
「そうかな?」
 会ったこともない父親譲りの真っ黒な毛に包まれた黒猫には、母親の真っ白な毛は一本も生えていない。確かにそうかもしれない。だとしたら、彩は母親に似ているのだろうか。
 彩の顔をぼんやりと頭に浮かべているうち、そういえば今日おかしなことを言われたなと思い出す。
「あのさ……花の『好き』ってどんな感じ?」
「――どっ、どうしたの急に」
 白猫の目がまんまるに見開かれる。
「いや、ちょっと気になって。よかったら説明してみてくれない?」
 妙に早足になったので、黒猫も追って早足になる。
「そんなこと、普通聞かないわ」
「そうなんだ。でも僕は知りたいんだよ。お願い」
 落ち着きなくぶんぶん尻尾が振られたかと思うと、急にぴたりとその動きが止まった。
「……好きになると、自分が自分じゃなくなったみたいになるの。どきどきしたり、切なくなったり、嫉妬してしまったり。心が少しだけ、乗っ取られてるみたいに」
「心が?」
 心が自分だけのものじゃなかったことなんて黒猫にはない。やっぱり彩の気のせいだ。しかし『好き』ってそんな物騒なものなのか。
 白猫は照れ隠しするように勢いよく振り返って尋ねる。「黒猫さんの『好き』は?」
「……僕?」
 さてどうしたものか。白猫の喜びそうな答えはないかと考えていると、きらきらと自分をまっすぐに見つめる白猫の目とぶつかった。
 本当の言葉を、待っていた。
 何も言えないでいる黒猫を見て、白猫はなぜかおかしそうに笑う。
「ね、困るでしょ。言葉にできない気持ちってあるわ。あるならいいの。うまく言えなくっても」
 白猫は黒猫の後ろに回り込むと、「この話は終わり! 行きましょ」と頭でぐいぐい押してきた。黒猫は押されながら、ふと地面に影がずいぶん広がっていることに気づく。少しずつ、そう、乗っ取られていくみたいに。
 夜が近づいている。浮かび上がる白猫とは逆に、黒猫の姿は闇に溶けていった。
 ああ、そうだ。やらなければいけないことをひとつ思い出した。
「――ねえ、花。この近くの小学校ってどこにあったっけ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようならの定型文~身勝手なあなたへ

宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」 ――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。 額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。 涙すら出なかった。 なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。 ……よりによって、元・男の人生を。 夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。 「さようなら」 だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。 慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。 別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。 だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい? 「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」 はい、あります。盛りだくさんで。 元・男、今・女。 “白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。 -----『白い結婚の行方』シリーズ ----- 『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。

✿ 私は夫のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい 

設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀ 結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。 結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。 それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて しなかった。 呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。 それなのに、私と別れたくないなんて信じられない 世迷言を言ってくる夫。 だめだめ、信用できないからね~。 さようなら。 *******.✿..✿.******* ◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才   会社員 ◇ 日比野ひまり 32才 ◇ 石田唯    29才          滉星の同僚 ◇新堂冬也    25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社) 2025.4.11 完結 25649字 

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...