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ー 焼燬の過去に
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薄暗い森の中、一人の少女は連れの帰りを待っていた。彼女は巫女服にミニスカートという、人の目を引くような格好をしている。
天気は曇り。森の静けさも相まって、鬱蒼とした雰囲気が漂っていた。
――そんな中、突然"それ"は起きる。
「――っ! へぇ……」
その黄色の瞳にベージュ色の短髪の少女――火孁の左腕から不自然に力が抜けた。
長時間腕の上におもりを乗せていたせいでグダった、とかではない。
火孁は一瞬で理解する。――これは異能による不測の攻撃である、と。
ならば、どこかに敵がいるはずだ。
火孁は瞬時に地面を蹴り、その場から退避した。
軽く周囲を感知してみても、大きな気配は感じられない。身を隠しているのか、それとも遠距離から攻撃をしてきたのか。
左腕からは完全に力が抜けていた。否、それ以上に感覚をも失い、動かすことも不可能となっていた。
森の中を駆けながら、火孁は冷静に左腕を視界の隅で見据え、小さく舌打ちする。
「なんだこれ……?」
左腕に伝達する力が抜け落ちている、奇妙な感覚がそこにあった。どのような攻撃を受けたのかはまだ不明であるが、左腕が使用不能になったのは確かである。全く動かせない。
刹那、悪寒を感じて火孁は別方向に地面を蹴った。突然放たれた"何か"をかわす。
「ッ!」
その一瞬の間に、火孁はその"何か"を見た。自らの右足があった場所に、大きく開けた"口"が浮いていたことを。そしてそれが、避けた直後に鋭い歯で虚空を噛み砕き、その後消滅したところも見た。
そこで火孁はまだ見ぬ敵の異能を推測する。
どうやら相手は"口"を召喚し、それで噛み砕くことで感覚を奪うことができる異能を持っているようだ。
不気味であるが、今のところ攻撃性は薄い。異能力者本人の居場所が分かれば、一転好戦できるはずだ。
ならばやることは一つ。火孁は右腕に火炎を纏わせた。
「っ!」
火炎を纏った右腕を振るい、三百六十度全方向へ火炎の波を発生させた。森が火の波に飲まれていき、周囲を大火が包みこむ。
森ごと燃やしていく。これで近くを虱潰しにできるだろう。
もし敵が近くにいるのなら、この火炎の波を異能か何かを使って防ぐ、または回避するはず。その際の動きを感知し叩く。それが火孁のプランだった。
――唐突に、目の前に放たれていた火の波に穴が開いた。
そこからは炎の波を断ち切って大きな口が現れ、火孁へと向かってきた。火孁は再び右腕に炎を込める。
正面にいたのか、と火孁は右腕を振るった。
棚引く火炎は炎の刃となって放たれ、現れた大きな口を真っ二つにかち割った。意外なことに血が噴き出し、周囲へ飛び散る。
"実体"があるのか――火孁の眉がピクリと動く。その瞬間だった。
「――っ!」
「おっと」
隣から一つの影が飛び出てきて、火孁へと迫りくる。
その人影は掌底突きを火孁へと放つが、それをすでに感知できていた彼女ははらりと躱した。
「その姿見たり、ってね」
そう余裕そうにぼやく火孁だが、現れた人影はすでに追撃へ移行していた。躱した火孁へさらに接近する。
が、火孁はその躱し際に火炎を放っていた。その火炎は接近してきていた人影をすぐに襲う。
人影に対し火炎が炸裂したかのように見えて――が、それは叶わない。命中する寸前で人影の前に"口"が現れたのだ。"口"は火炎を飲み込み、小さな火花を散らしながら虚空に消えていく。
「……!」
火孁の顔に切羽詰まった緊張感が走った。
そんな中、間髪入れず男の掌底付きが再び放たれる。彼女はそれをスウェーで避けた後に背後へ跳んだ。
それは僅かな間だったが、その隙に目の前から放たれたそれに付随した気配を、火孁はしっかりと感知していた。
人影が放った掌底、そこには妙な気配を感じていた。隙を測り目視してみたら、そこには例の"口"がついていた。
火孁はそれに気づくや否や、その性質について見極めた。
なるほど、これが"口"の気配か。
火孁はその瞬間に"口"の気配を覚えた。これが奴の異能だ。虚空から出てくる"口"もこれと同じ性質のはず。これで突然現れるあの"口"を感知できるようになる。
そして火孁の左腕から感覚を奪ったのもこれだ。
ならば、と火孁は瞬時に次の行動を思いつき実行する。
人影の掌底突きを動かせる右腕で相殺するフリをし感覚を吸わせて、その隙に火炎を纏った足蹴りで仕留めよう、と。
火孁は動き出した。
その思考時間と実行に移すまでの時間はまとめて一秒ほど。火孁はそのまま右腕で人影の掌底突きを甘んじて受けようと、その拳を重ねようとして――。
「……!」
悪寒が走った。何かマズい。火孁の勘がそう告げた。
原因はあれだ、火孁の炎の刃が大きな"口"を真っ二つにしたときのこと。切られた"口"からは消滅する前に血が噴き出た。血肉が通う実体があったのだ。
ヤバい、火孁はそう感じて突如作戦を変えた。
「……っ」
人影の掌底突きと火孁の右腕がついに接触する。が、火孁の右腕が掌底突きとかち合った途端、炎に変化して実体を失った。それを見た人影は舌打ちをする。
その隙を狙った火孁の蹴り上げをギリギリかわしつつ、人影は距離を取った。火孁は火炎に変化させた右腕を戻しながら、その人影を睨む。
――危なかった。あの"口"は『感覚を奪う能力』と『物理的に噛み砕ける殺傷性』の使い分けができるようだ。あのまま掌底突きを右腕で生身のまま防御していたら、右腕を噛み千切られていた。
「貴様ァ……何者だ……!」
火孁は犬歯を露わにしつつ、その人影を鬼の形相で睨みつけていた。
いつの間にか瞳が赤と黄のオッドアイに変化しており、その殺気は人影を刺し抜いていた。
「やっぱ一筋縄じゃいかねえよなぁ~」
その人影――不格好な赤い長髪を振るいながら、黒と黄色の不気味な瞳で男は笑った。それから続けて、だらけ切った口調で言った。
「初めまして精霊様ぁ。俺は金剛寺結弦ってゆ~、しがない呪術師さ」
「ハッ。精霊と知って私を狙うか、人間」
火の精霊、火孁は金剛寺と名乗った男へそう吐き捨てた。金剛寺は片目をつぶると、低い声で言ってのける。
「――そういうところだぜ、精霊様」
「何を――」
口調の変わりように不信に思った火孁も束の間。火孁の左腕が千切られ宙に舞っていた。
「がッ……!」
突然左腕に顕現した"口"が、その左腕を噛み千切ったのだ。その激痛に火孁は跪いた。金剛寺はそれを冷たい瞳で見下ろす。
おかしい、火孁は頭の中で混乱しながらその場に崩れ落ちる。
"口"の気配は完全に感じ取れるようになっていたはずだ。それなのに、火孁は左腕に"口"が顕現したことに気づかなかった。
千切れた左腕の側面からは血液がドバドバと流れ出している。何かがおかしい。体に力が入らない。
倒れ込んだ火孁へ金剛寺が歩み寄る。それから大きな"口"を顕現し、それを大きく開けさせた。
「よし、さっさとトドメを――」
金剛寺が言葉は途中で途切れた。彼はビクンと何かに反応して八時の方向へ振り返る。
火孁は血だまりの中で過呼吸になりつつも、小さく笑った。
「ぜぇ……は……ぁ……。ふ……来る、よ……今から……私の主がね……」
「チッ、やめとこう」
「……」
火孁を噛み砕こうと現れた"口"が消える。金剛寺は慌てた様子で踵を返した。
「良い経験ができたよ」
彼はそれだけ残して、燃え盛る森の中へと消えていく。火孁は薄れゆく視界で、その後ろ姿だけをかすかに追っていた。
その数秒後、左腕を失い血だまりの上で倒れる火孁の姿を、二つの人影が目撃したのだった。
天気は曇り。森の静けさも相まって、鬱蒼とした雰囲気が漂っていた。
――そんな中、突然"それ"は起きる。
「――っ! へぇ……」
その黄色の瞳にベージュ色の短髪の少女――火孁の左腕から不自然に力が抜けた。
長時間腕の上におもりを乗せていたせいでグダった、とかではない。
火孁は一瞬で理解する。――これは異能による不測の攻撃である、と。
ならば、どこかに敵がいるはずだ。
火孁は瞬時に地面を蹴り、その場から退避した。
軽く周囲を感知してみても、大きな気配は感じられない。身を隠しているのか、それとも遠距離から攻撃をしてきたのか。
左腕からは完全に力が抜けていた。否、それ以上に感覚をも失い、動かすことも不可能となっていた。
森の中を駆けながら、火孁は冷静に左腕を視界の隅で見据え、小さく舌打ちする。
「なんだこれ……?」
左腕に伝達する力が抜け落ちている、奇妙な感覚がそこにあった。どのような攻撃を受けたのかはまだ不明であるが、左腕が使用不能になったのは確かである。全く動かせない。
刹那、悪寒を感じて火孁は別方向に地面を蹴った。突然放たれた"何か"をかわす。
「ッ!」
その一瞬の間に、火孁はその"何か"を見た。自らの右足があった場所に、大きく開けた"口"が浮いていたことを。そしてそれが、避けた直後に鋭い歯で虚空を噛み砕き、その後消滅したところも見た。
そこで火孁はまだ見ぬ敵の異能を推測する。
どうやら相手は"口"を召喚し、それで噛み砕くことで感覚を奪うことができる異能を持っているようだ。
不気味であるが、今のところ攻撃性は薄い。異能力者本人の居場所が分かれば、一転好戦できるはずだ。
ならばやることは一つ。火孁は右腕に火炎を纏わせた。
「っ!」
火炎を纏った右腕を振るい、三百六十度全方向へ火炎の波を発生させた。森が火の波に飲まれていき、周囲を大火が包みこむ。
森ごと燃やしていく。これで近くを虱潰しにできるだろう。
もし敵が近くにいるのなら、この火炎の波を異能か何かを使って防ぐ、または回避するはず。その際の動きを感知し叩く。それが火孁のプランだった。
――唐突に、目の前に放たれていた火の波に穴が開いた。
そこからは炎の波を断ち切って大きな口が現れ、火孁へと向かってきた。火孁は再び右腕に炎を込める。
正面にいたのか、と火孁は右腕を振るった。
棚引く火炎は炎の刃となって放たれ、現れた大きな口を真っ二つにかち割った。意外なことに血が噴き出し、周囲へ飛び散る。
"実体"があるのか――火孁の眉がピクリと動く。その瞬間だった。
「――っ!」
「おっと」
隣から一つの影が飛び出てきて、火孁へと迫りくる。
その人影は掌底突きを火孁へと放つが、それをすでに感知できていた彼女ははらりと躱した。
「その姿見たり、ってね」
そう余裕そうにぼやく火孁だが、現れた人影はすでに追撃へ移行していた。躱した火孁へさらに接近する。
が、火孁はその躱し際に火炎を放っていた。その火炎は接近してきていた人影をすぐに襲う。
人影に対し火炎が炸裂したかのように見えて――が、それは叶わない。命中する寸前で人影の前に"口"が現れたのだ。"口"は火炎を飲み込み、小さな火花を散らしながら虚空に消えていく。
「……!」
火孁の顔に切羽詰まった緊張感が走った。
そんな中、間髪入れず男の掌底付きが再び放たれる。彼女はそれをスウェーで避けた後に背後へ跳んだ。
それは僅かな間だったが、その隙に目の前から放たれたそれに付随した気配を、火孁はしっかりと感知していた。
人影が放った掌底、そこには妙な気配を感じていた。隙を測り目視してみたら、そこには例の"口"がついていた。
火孁はそれに気づくや否や、その性質について見極めた。
なるほど、これが"口"の気配か。
火孁はその瞬間に"口"の気配を覚えた。これが奴の異能だ。虚空から出てくる"口"もこれと同じ性質のはず。これで突然現れるあの"口"を感知できるようになる。
そして火孁の左腕から感覚を奪ったのもこれだ。
ならば、と火孁は瞬時に次の行動を思いつき実行する。
人影の掌底突きを動かせる右腕で相殺するフリをし感覚を吸わせて、その隙に火炎を纏った足蹴りで仕留めよう、と。
火孁は動き出した。
その思考時間と実行に移すまでの時間はまとめて一秒ほど。火孁はそのまま右腕で人影の掌底突きを甘んじて受けようと、その拳を重ねようとして――。
「……!」
悪寒が走った。何かマズい。火孁の勘がそう告げた。
原因はあれだ、火孁の炎の刃が大きな"口"を真っ二つにしたときのこと。切られた"口"からは消滅する前に血が噴き出た。血肉が通う実体があったのだ。
ヤバい、火孁はそう感じて突如作戦を変えた。
「……っ」
人影の掌底突きと火孁の右腕がついに接触する。が、火孁の右腕が掌底突きとかち合った途端、炎に変化して実体を失った。それを見た人影は舌打ちをする。
その隙を狙った火孁の蹴り上げをギリギリかわしつつ、人影は距離を取った。火孁は火炎に変化させた右腕を戻しながら、その人影を睨む。
――危なかった。あの"口"は『感覚を奪う能力』と『物理的に噛み砕ける殺傷性』の使い分けができるようだ。あのまま掌底突きを右腕で生身のまま防御していたら、右腕を噛み千切られていた。
「貴様ァ……何者だ……!」
火孁は犬歯を露わにしつつ、その人影を鬼の形相で睨みつけていた。
いつの間にか瞳が赤と黄のオッドアイに変化しており、その殺気は人影を刺し抜いていた。
「やっぱ一筋縄じゃいかねえよなぁ~」
その人影――不格好な赤い長髪を振るいながら、黒と黄色の不気味な瞳で男は笑った。それから続けて、だらけ切った口調で言った。
「初めまして精霊様ぁ。俺は金剛寺結弦ってゆ~、しがない呪術師さ」
「ハッ。精霊と知って私を狙うか、人間」
火の精霊、火孁は金剛寺と名乗った男へそう吐き捨てた。金剛寺は片目をつぶると、低い声で言ってのける。
「――そういうところだぜ、精霊様」
「何を――」
口調の変わりように不信に思った火孁も束の間。火孁の左腕が千切られ宙に舞っていた。
「がッ……!」
突然左腕に顕現した"口"が、その左腕を噛み千切ったのだ。その激痛に火孁は跪いた。金剛寺はそれを冷たい瞳で見下ろす。
おかしい、火孁は頭の中で混乱しながらその場に崩れ落ちる。
"口"の気配は完全に感じ取れるようになっていたはずだ。それなのに、火孁は左腕に"口"が顕現したことに気づかなかった。
千切れた左腕の側面からは血液がドバドバと流れ出している。何かがおかしい。体に力が入らない。
倒れ込んだ火孁へ金剛寺が歩み寄る。それから大きな"口"を顕現し、それを大きく開けさせた。
「よし、さっさとトドメを――」
金剛寺が言葉は途中で途切れた。彼はビクンと何かに反応して八時の方向へ振り返る。
火孁は血だまりの中で過呼吸になりつつも、小さく笑った。
「ぜぇ……は……ぁ……。ふ……来る、よ……今から……私の主がね……」
「チッ、やめとこう」
「……」
火孁を噛み砕こうと現れた"口"が消える。金剛寺は慌てた様子で踵を返した。
「良い経験ができたよ」
彼はそれだけ残して、燃え盛る森の中へと消えていく。火孁は薄れゆく視界で、その後ろ姿だけをかすかに追っていた。
その数秒後、左腕を失い血だまりの上で倒れる火孁の姿を、二つの人影が目撃したのだった。
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