23 / 63
#22 動き出す
しおりを挟む
見慣れてきたウェイトレスが白夜の皿を下げると同時に、雪音のコーヒーカップも新たに持ってきたものと入れ替えた。彼女はそのまま一礼して去っていく。
雪音は新たに持ってきてくれた暖かいコーヒーに口をつけながら、その記憶を思い起こしていた。
「そうですね、父については怪しい挙動はありませんでしたが、仕事の方で少し思うところがあったようです」
「……思うところ?」
白夜もウェイトレスが気を利かせて持ってきてくれた、新たなナタデココジュースを飲みながら彼女の話に耳を傾ける。
「持ち場、といいますか。"白き信頼"の中枢にある情報機関の巨大ストレージ、"情報種子機関"に、よく足を運ぶようになったようです」
「"情報種子機関"か……。そこで東宮総司が何をしていて、それが打倒金剛寺の人手不足に関係してるのか……」
白夜は腕を組む。"スイレン"の中枢とやらにある"情報種子機関"。白夜には想像し難いものであるが、要するに"スイレン"が得た様々な情報が保存されている場所であろう。
もし、『その"情報種子機関"に東宮総司足を運んでいること』と『金剛寺を倒すためにこれ以上人手がさけないこと』に繋がりがあるとしたら、どのようなことが考えられるだろうか。こういうことには疎い白夜であるが、頭を回転させた。
昨日今日で"スイレン"や金剛寺、東宮一家らに対して得た情報。それを次々と想起しながら、当てつけでもいいからまともそうな理由を探していく。
そうやって稚拙ながらも何とか捻り出たものを、白夜は口にした。
「……東宮総司は"足りない"情報を探っている……とか?」
「……金剛寺についての情報ですか? それなら、昨日の資料を作る際に粗方調べ終えてるハズなので、"足りない"ということはないのでは……」
「そうだよなあ……」
なんとか捻り出せた理由も真実には程遠そうだ。そもそも、今求めている真実自体が眉唾ものであり、存在すらしない恐れさえある。
複雑な状況に白夜がため息をつくと、雪音もそれに続くように言った。
「そのことについてはあまり思いつめない方がいいのかもしれません。白夜さんの言う通り、父が何かを隠しているかもしれませんが、決して私たちを貶めるような理由で隠しているわけではないと思います」
「そう……だよなあ」
雪音の真っすぐな物言い。雪音の父に対する信頼が垣間見る言葉だ。白夜は彼女の父である東宮総司の雪音への信頼を知っているため、言葉の信ぴょう性も理解できる。
確かに東宮総司は白夜に対してはともかく、雪音を切り捨てるような真似はしないだろう。隠し事があるとしても、そこまで致命的なものではないはずだ。
白夜はナタデココジュースを飲み干した。
「考えても仕方ねえな……。杞憂かもしれねえし。雪音さん、変なこと言って悪かったな」
白夜のそれは雪音の身内を疑ったようなものだ。加えて、疑いだけをぶら下げただけで、明確な答えも出せなかったという結果に終わった。これではあまりにも不躾であろう。
白夜の謝罪に雪音はじっと白夜を見つめ返すと、人差し指を立てた。
「……可能性を模索するのは結構ですよ。ただですね、昨日からずっと思ってたことを言わせて貰いますけど、いいですか?」
立ち上がり身を乗り出すと、雪音は白夜を近くから見つめる。白夜はぎょっとして体を後ろに下げた。
「な……なにか失礼を……?」
雪音の言うことによれば、昨日から続いていることのようだ。彼女の表情を見るに、怒っているというわけでもなさそうだが、何か不満があるのだろうか。
雪音はそんな白夜にため息をつくと、立てた人差し指を白夜に向けた。
「昨日からずっと"さん"付けしてるじゃないですか。それ、子供扱いされてる気がするので、やめてほしいです。確かに貴方は私の年上で、立場的にも同等かちょっと上でしょうが、子供扱いは不要です。呼び捨てで構いません。それに少し他人行儀な気がします」
「は、はぁ……そんなことか……」
まさか呼び方に言及されるとは思っていなかった。何か重大な失礼を指摘されるのか思っていた白夜はひとまず胸をなでおろす。
しかし彼女の言うことも間違いではないかもしれない。白夜は席に座りなおした雪音を見つめなおした。
昨日、この場所で総司へ語った言葉は雪音を子供扱いしていたからかもしれない。他人行儀というのも、昨日"天叢雲剣"のことについて語れなかったことからして、その言葉の通りだった。
白夜は口を開く。
「分かったよ、雪音……ちょっとむず痒いな」
そう言って白夜は苦笑した。
そういえば年代の近い女子を呼び捨てしたのは久しぶりだ。思春期というやつなのだろうか、と白夜は自覚する。
雪音もそれを見て笑った。
「その調子ですよ、"白夜"」
「……うん?」
突然に呼び捨てにされて、白夜は違和感を覚えた。別に不満なわけではないし、そこにそれほど拘るつもりはないが。
雪音は困惑する白夜を前に、そのまま笑いかける。
「私も他人行儀的な呼び方をやめにしました。どうですか? どうせなら呼び捨てで呼び合いましょう」
「お、おう……。俺的には別に構わないが……してやられた感があるな……」
「ふふっ。これからも仲良くやっていきましょうね」
どこか楽しそうに笑う雪音は白夜よりも一枚上手だったかもしれない。白夜もつられて笑う。
それから雪音はごほんと咳ばらいをすると、笑みを消して口を開いた。
「ごほん。さて、じゃあ本題に戻りましょうか」
「……そうだな」
一気に雰囲気は軽いものから真剣味が帯びたものへと変化する。雪音は言った。
「まずは金剛寺の居場所です。とりあえず、昨日エイラから聞き出した四丁目に向かいますか?」
「ああ。そうしよう。手掛かりは今のところそれしかない」
雪音の案に白夜はうなずいた。それを見て雪音もうなずくと、腰を上げる。
「ならすぐに向かいましょうか。ここからならそう遠くも――」
「雪音様っ!」
目的が決まったというタイミングで、突然女の声が響き渡った。二人は驚いて声の方を見る。
その声の主はこの喫茶店のウェイトレスだった。店内には他に客はいない。その中で彼女は白夜たちのいるテーブルへと走ってきた。
すぐそばまで来ると、彼女は雪音へと慌てて言った。
「雪音様っ。大変です。どうか、落ち着いてきいてください。慌てずに、冷静に!」
「ど、どうしたの……?」
ただ事ではないのだろう。そのウェイトレスは慌てつつも、冷静を保とうとしているのがすぐに分かった。雪音に呼びかけた言葉も、半分は自分に言い聞かせているのだろう。
ウェイトレスはごくんと唾を飲むと、困惑しつつも聞く準備ができている雪音へと告げる。
「――三日月病院が襲撃を受けました。詳細は未だ不明、お嬢様の安否もまだ……!」
「っ!」
「なっ……!」
その報を受け、唇をかみしめながら一気に青ざめる雪音。白夜もまさかの報告にうろたえた。
雪華が入院している三日月病院――そこに襲撃をかけるような奴らを二人は知っている。
そして恐らく、このウェイトレスも。言うまでもない、それは白夜たちが追っていた人物であるのだから。
「理恵さんっ! 車を出して! 今から病院に向かう!」
「はいっ!」
雪音はそう怒鳴って、報告をしにきたウェイトレス――理恵と共に足を踏み出した。白夜もそれに続く。
「くそっ、これは探すまでもなく見つかって朗報ということになるのか?」
「……三日月病院には"スイレン"の異能力者が待機しているはずです……! 最悪の状況にはならないでしょう……!」
駆け足で喫茶店を出て、車へ向かう一行。
店から出る当時に雪音と理恵のスマートフォンが鳴り響く。喫茶店の中では電波は全て遮断されていたのだ。だから、出たタイミングで理恵が報告した情報がスマートフォンへ伝達されたのだろう。
喫茶店内で理恵がその情報を知れたのは、恐らく厨房に有線の連絡機器があるからだ。
走りながらスマートフォンを取り出し、画面を見つめる二人。白夜は走りながら彼女らに聞いた。
「状況は!?」
「……回線を開放します!」
雪音はそう言いながら、スマートフォンをスピーカー出力に切り替えた。同時にそのスマホから男の必死な声が流れ出す。
『……状況報告、敵の内一人は杵淵星那であることを確認……! その他三名は不明……! 少なくとも金剛寺結弦の姿は確認できない! 繰り返す――』
クリアーなノイズ交じりに報告が聞こえてくる。そこで三人は理恵の車へと到達し、三人で慌てて乗り込んだ。
理恵は瞬時にエンジンを起動する。報告を聞いた白夜は動き出す車内でぼやいた。
「金剛寺はいない……!? 杵淵だけ……!?」
勢いよく走りだす車。白夜はその中で奇妙な奇襲メンバーに引っかかりを感じていた。
そんな中雪音は汗を頬につたわせながら、運転者の理恵へと告げる。
「できるだけ急いで!」
「了解です! 少し揺れますよ……!」
その車は三人を乗せて三日月病院へと向かっていったのだった。
雪音は新たに持ってきてくれた暖かいコーヒーに口をつけながら、その記憶を思い起こしていた。
「そうですね、父については怪しい挙動はありませんでしたが、仕事の方で少し思うところがあったようです」
「……思うところ?」
白夜もウェイトレスが気を利かせて持ってきてくれた、新たなナタデココジュースを飲みながら彼女の話に耳を傾ける。
「持ち場、といいますか。"白き信頼"の中枢にある情報機関の巨大ストレージ、"情報種子機関"に、よく足を運ぶようになったようです」
「"情報種子機関"か……。そこで東宮総司が何をしていて、それが打倒金剛寺の人手不足に関係してるのか……」
白夜は腕を組む。"スイレン"の中枢とやらにある"情報種子機関"。白夜には想像し難いものであるが、要するに"スイレン"が得た様々な情報が保存されている場所であろう。
もし、『その"情報種子機関"に東宮総司足を運んでいること』と『金剛寺を倒すためにこれ以上人手がさけないこと』に繋がりがあるとしたら、どのようなことが考えられるだろうか。こういうことには疎い白夜であるが、頭を回転させた。
昨日今日で"スイレン"や金剛寺、東宮一家らに対して得た情報。それを次々と想起しながら、当てつけでもいいからまともそうな理由を探していく。
そうやって稚拙ながらも何とか捻り出たものを、白夜は口にした。
「……東宮総司は"足りない"情報を探っている……とか?」
「……金剛寺についての情報ですか? それなら、昨日の資料を作る際に粗方調べ終えてるハズなので、"足りない"ということはないのでは……」
「そうだよなあ……」
なんとか捻り出せた理由も真実には程遠そうだ。そもそも、今求めている真実自体が眉唾ものであり、存在すらしない恐れさえある。
複雑な状況に白夜がため息をつくと、雪音もそれに続くように言った。
「そのことについてはあまり思いつめない方がいいのかもしれません。白夜さんの言う通り、父が何かを隠しているかもしれませんが、決して私たちを貶めるような理由で隠しているわけではないと思います」
「そう……だよなあ」
雪音の真っすぐな物言い。雪音の父に対する信頼が垣間見る言葉だ。白夜は彼女の父である東宮総司の雪音への信頼を知っているため、言葉の信ぴょう性も理解できる。
確かに東宮総司は白夜に対してはともかく、雪音を切り捨てるような真似はしないだろう。隠し事があるとしても、そこまで致命的なものではないはずだ。
白夜はナタデココジュースを飲み干した。
「考えても仕方ねえな……。杞憂かもしれねえし。雪音さん、変なこと言って悪かったな」
白夜のそれは雪音の身内を疑ったようなものだ。加えて、疑いだけをぶら下げただけで、明確な答えも出せなかったという結果に終わった。これではあまりにも不躾であろう。
白夜の謝罪に雪音はじっと白夜を見つめ返すと、人差し指を立てた。
「……可能性を模索するのは結構ですよ。ただですね、昨日からずっと思ってたことを言わせて貰いますけど、いいですか?」
立ち上がり身を乗り出すと、雪音は白夜を近くから見つめる。白夜はぎょっとして体を後ろに下げた。
「な……なにか失礼を……?」
雪音の言うことによれば、昨日から続いていることのようだ。彼女の表情を見るに、怒っているというわけでもなさそうだが、何か不満があるのだろうか。
雪音はそんな白夜にため息をつくと、立てた人差し指を白夜に向けた。
「昨日からずっと"さん"付けしてるじゃないですか。それ、子供扱いされてる気がするので、やめてほしいです。確かに貴方は私の年上で、立場的にも同等かちょっと上でしょうが、子供扱いは不要です。呼び捨てで構いません。それに少し他人行儀な気がします」
「は、はぁ……そんなことか……」
まさか呼び方に言及されるとは思っていなかった。何か重大な失礼を指摘されるのか思っていた白夜はひとまず胸をなでおろす。
しかし彼女の言うことも間違いではないかもしれない。白夜は席に座りなおした雪音を見つめなおした。
昨日、この場所で総司へ語った言葉は雪音を子供扱いしていたからかもしれない。他人行儀というのも、昨日"天叢雲剣"のことについて語れなかったことからして、その言葉の通りだった。
白夜は口を開く。
「分かったよ、雪音……ちょっとむず痒いな」
そう言って白夜は苦笑した。
そういえば年代の近い女子を呼び捨てしたのは久しぶりだ。思春期というやつなのだろうか、と白夜は自覚する。
雪音もそれを見て笑った。
「その調子ですよ、"白夜"」
「……うん?」
突然に呼び捨てにされて、白夜は違和感を覚えた。別に不満なわけではないし、そこにそれほど拘るつもりはないが。
雪音は困惑する白夜を前に、そのまま笑いかける。
「私も他人行儀的な呼び方をやめにしました。どうですか? どうせなら呼び捨てで呼び合いましょう」
「お、おう……。俺的には別に構わないが……してやられた感があるな……」
「ふふっ。これからも仲良くやっていきましょうね」
どこか楽しそうに笑う雪音は白夜よりも一枚上手だったかもしれない。白夜もつられて笑う。
それから雪音はごほんと咳ばらいをすると、笑みを消して口を開いた。
「ごほん。さて、じゃあ本題に戻りましょうか」
「……そうだな」
一気に雰囲気は軽いものから真剣味が帯びたものへと変化する。雪音は言った。
「まずは金剛寺の居場所です。とりあえず、昨日エイラから聞き出した四丁目に向かいますか?」
「ああ。そうしよう。手掛かりは今のところそれしかない」
雪音の案に白夜はうなずいた。それを見て雪音もうなずくと、腰を上げる。
「ならすぐに向かいましょうか。ここからならそう遠くも――」
「雪音様っ!」
目的が決まったというタイミングで、突然女の声が響き渡った。二人は驚いて声の方を見る。
その声の主はこの喫茶店のウェイトレスだった。店内には他に客はいない。その中で彼女は白夜たちのいるテーブルへと走ってきた。
すぐそばまで来ると、彼女は雪音へと慌てて言った。
「雪音様っ。大変です。どうか、落ち着いてきいてください。慌てずに、冷静に!」
「ど、どうしたの……?」
ただ事ではないのだろう。そのウェイトレスは慌てつつも、冷静を保とうとしているのがすぐに分かった。雪音に呼びかけた言葉も、半分は自分に言い聞かせているのだろう。
ウェイトレスはごくんと唾を飲むと、困惑しつつも聞く準備ができている雪音へと告げる。
「――三日月病院が襲撃を受けました。詳細は未だ不明、お嬢様の安否もまだ……!」
「っ!」
「なっ……!」
その報を受け、唇をかみしめながら一気に青ざめる雪音。白夜もまさかの報告にうろたえた。
雪華が入院している三日月病院――そこに襲撃をかけるような奴らを二人は知っている。
そして恐らく、このウェイトレスも。言うまでもない、それは白夜たちが追っていた人物であるのだから。
「理恵さんっ! 車を出して! 今から病院に向かう!」
「はいっ!」
雪音はそう怒鳴って、報告をしにきたウェイトレス――理恵と共に足を踏み出した。白夜もそれに続く。
「くそっ、これは探すまでもなく見つかって朗報ということになるのか?」
「……三日月病院には"スイレン"の異能力者が待機しているはずです……! 最悪の状況にはならないでしょう……!」
駆け足で喫茶店を出て、車へ向かう一行。
店から出る当時に雪音と理恵のスマートフォンが鳴り響く。喫茶店の中では電波は全て遮断されていたのだ。だから、出たタイミングで理恵が報告した情報がスマートフォンへ伝達されたのだろう。
喫茶店内で理恵がその情報を知れたのは、恐らく厨房に有線の連絡機器があるからだ。
走りながらスマートフォンを取り出し、画面を見つめる二人。白夜は走りながら彼女らに聞いた。
「状況は!?」
「……回線を開放します!」
雪音はそう言いながら、スマートフォンをスピーカー出力に切り替えた。同時にそのスマホから男の必死な声が流れ出す。
『……状況報告、敵の内一人は杵淵星那であることを確認……! その他三名は不明……! 少なくとも金剛寺結弦の姿は確認できない! 繰り返す――』
クリアーなノイズ交じりに報告が聞こえてくる。そこで三人は理恵の車へと到達し、三人で慌てて乗り込んだ。
理恵は瞬時にエンジンを起動する。報告を聞いた白夜は動き出す車内でぼやいた。
「金剛寺はいない……!? 杵淵だけ……!?」
勢いよく走りだす車。白夜はその中で奇妙な奇襲メンバーに引っかかりを感じていた。
そんな中雪音は汗を頬につたわせながら、運転者の理恵へと告げる。
「できるだけ急いで!」
「了解です! 少し揺れますよ……!」
その車は三人を乗せて三日月病院へと向かっていったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
遊鷹太
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる