魔女として断罪された悪役令嬢は婚約破棄されたので魔王の妃として溺愛されることを目指します

悠月

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第四章 魔王の国を改革するための第一歩! 採用試験で自由に職業選択できる世界を目指します

4 メイヴブランドの化粧品シリーズを作りませんか? ②

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 メイヴの得意とすることは、誰かに雇用されて発揮されるものではなく、起業することで活かされるものかもしれない。
 「異世界モノあるある」だけれど、化粧品や石けんの販売は魅力的なビジネスだ。化粧水以外にも、石けんや美容オイルを作って、シリーズで売り出すことはできないだろうか。
 そして、メイヴ自身が美のミューズ、カリスマ美容家となって売り出したら、話題性もあり若い女性の心に響くのではないか。
 私はそう考えたのである。

 この世界にも石けんは既に存在していた。
 しかし、動物性油脂を使用しているため、独特のクセの強い香りがする。
 オリーブオイルを産出できる南部の地域であれば、もう少し使いやすい香りの石けんも存在しているのかもしれないが、アヴァロニア王国や聖カトミアル王国で使用している石けんは、お世辞にもいい香りとは言えない。

「たとえば、石けんを今よりもっと使いやすいものにできないかしら。石けんに、ハーブを混ぜて、香りを良くしてみるのはどう? ハーブや植物の色素を使って綺麗な色合いに染めてみたり、形自体を可愛らしくしてみたり、見た目も可愛くしたらどうかしら。お花をあしらってみてもいいわね。
 実用品としてだけではなく、持っているだけでワクワクするようなものがあったら、みんな欲しがると思うのよ」

 私は、前世で見た、数々の宝石のような石けんを思い出す。
 赤や青、黄色に緑など色とりどりの鮮やかな石けんは、香りもよく、友達へのちょっとしたプレゼントにも手頃だった。
 ハーブと石けんの基材を使って手作りを楽しんでいた人たちもいたので、メイヴの知識と、この時代の石けんを組み合わせて研究を重ねれば、十分、開発が可能だろう。

「確かに! それはいい考えですね。是非、作ってみたいです!」
「それと、化粧水……ハーブを煎じた液体と、植物性のオイルを混ぜて、肌にいい美容オイルが作れないかしら。これも、瓶を可愛らしく工夫すれば、実用面だけではなく、コレクションしたいと思う女性がいるのではないかと思うわ」
「そうですね、確かにハーブを使えばお肌に良い美容オイルが作れるのではないかと思います。これも、是非作ってみたいです!」

 アヴァロニア王国は北方に位置しているため、寒さが厳しく、冬場の湿度はかなり低い。空気が乾燥しているため、水仕事や畑仕事を一切行わないでいい貴族に生まれた私ですら、冬になると手がカサカサになってしまう。
 もちろん、手だけではなく、顔の乾燥も気になるところだ。
 化粧水だけで水分を補っても、油分で蓋をしなければ、肌はどんどんと乾いてしまうだろう。そして、保湿をしなければ、肌はどんどん老化してしまうのだ。

 本当かどうかわからないが、これは、前世で得た美容知識である。
 ゲームや戦国時代ほど、真剣に学んでこなかったので、テレビや雑誌で聞きかじった知識でしかないが。
 こんな、美容にあまり興味を持っていなかった私ですら、ある程度、美容についての知識を持っている。意識的に情報収集したわけでもないのに、だ。
 それぐらい、美容やファッションに関する情報が、前世の世界には溢れていたということである。つまりは、それだけ美容に対して興味を持っている女性が潜在的に多数存在しているということであり、ビジネスとして成り立つ可能性が高いと考えられる。

 まずは貴族女性をターゲットとして高級化粧品のラインナップを打ち出す。そして、いずれは手荒れが気になるすべての女性が気軽に手に取れるような、コスパの良いハンドクリームやリップクリームを下位ブランドの商品として展開する、というのもありかもしれない。
 そんな説明をすると、メイヴはやる気満々といった風情で目を輝かせながら、「素敵です!」と頷いた。
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