記憶喪失の逃亡貴族、ゴールド級パーティを追放されたんだが、ジョブの魔獣使いが進化したので新たな仲間と成り上がる

グリゴリ

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第一部 第一章

6話

 ゆっくり起き上がったブラックフェンリルに向かってルリが、氷の魔力を帯びた牙で噛み付くと、ブラックフェンリルの首筋から氷が発生して首を覆うとブラックフェンリルの首が折れて首が落下した。

『エルク、ブラックフェンリルを倒し終わったわよ』

「ああ、お疲れさま。ブラックフェンリルのドロップアイテムと宝箱を回収したら箱庭に行こうか」

 そして、エルクとルリは、ブラックフェンリルのドロップアイテムの毛皮と肉、骨、そして宝箱を回収してからゲートを開くと箱庭の中に入って行った。

「さてと、先ずは箱庭内での俺たちの拠点となる家を建てないとな」

 エルクは、箱庭に入って直ぐに操作パネルの所に行き家を建てるための作業に入った。

「えっと、先ずは家を建てるためのエネルギーである魔石をパネルにチャージするっと……手持ちの魔石は百九十階層のここに来るまでに手に入れたアダマンタイト級の魔石と十階層のボス部屋までに手に入れたアイアン級の魔石だけだし、よし、アイアン級の魔石全部とアダマンタイト級の魔石の半分を突っ込うじゃうか」

 エルクがパネルに魔石を突っ込み終わると、魔石ポイントと言う項目に五百万七百ポイントと表示されていた。

「よし、ポイントのチャージも終わったし、家を作るかな」

 そして、パネルのメニュー画面から建造物製作の項目を選択してワンルームの大きさの家を選択すると、魔石ポイントから二万五千ポイント減り、数秒後、エルクたちの目の前に小屋の様な大きさの小奇麗な家が出来上がった。

「おお、遂に密かに夢見ていた俺たちだけの家を手に入れたんだな。今は、家に使えるポイントはこの位しかないけど、いずれはもっと大きい家をこの箱庭の中にもそして、外の世界にも手に入れて見せる」

『あら、それは楽しみね。でも取り敢えず今は、今日の夕食をどうするか考えましょう。私、もうお腹が空いちゃって、エルク、何か作ってくれないかしら』

「そうだな。さっき手に入れたブラックフェンリルの肉を使ってステーキでも作るかな」

『じゃあ、どの位で出来るかしら。私、少しその辺を見て回ってこようと思っているのだけれど』

「下処理なんかもしないといけないから、そうだな、大体三十分位かな。それまでには戻って来いよ」

『ええ、わかったわ。じゃあ夕食はお願いね』

 ルリはエルクにそう言って箱庭の草原エリアの方に走って行ってしまった。

 小屋の前でルリを見送ったエルクは早速、夕食の準備に取り掛かった。

 一方その頃、草原エリアに訪れていたルリは、そこにどの様な物があるのか調査していた。

『へえ、草原エリアって言うから本当に草原だけしかないのかと思っていたけれど、少し小さいけれど森もあるし、小川なんかもちゃんと流れているのね。川には魚もいるし草原や森にも少ないけれど小動物の気配が感じられるわね。うん。とても住みやすい環境になっているみたいね。あ、そろそろ戻らないとエルクと約束した時間に遅れてしまうわね』

 ルリは、そう言って、全速力でこの箱庭の拠点である小屋へと戻って行った。

 エルクがステーキの下処理を終えてステーキを焼き始めてから丁度、五分程経過してもう少しで完成する時に、ルリが草原エリアから戻って来た。

「お、ルリお帰り。草原エリアの様子はどうだった。何かあったか」

『ええ、草原だけじゃなくて少し小さいけれど森もあったし、小川なんかもちゃんと流れていたわね。それに、川には魚も生息していたし、草原や森にも少ないけれど小動物の気配が感じられたわ。私が思っていた以上にこの箱庭は私の様なあなたの従魔にとって快適な環境になっているみたいよ』

「そうか、これは後で他のエリアも視察してみる必要があるな。まあ、取り敢えず今は、飯を食べようか。折角作ったのに冷めてから食べたんじゃ勿体ないだろ」

『そうね。それじゃあ頂こうかしら』

「よし、それじゃあ飯を小屋から運んで来るからここで少し待っていてくれ」

 エルクがそう言って小屋に戻ろうとするとルリがエルクを呼び止めた。

『待ってエルク、ご飯をここまで持って来る必要はないわ』

「え、何でだ」

『そんなの私が人化して小屋の中に入るからに決まっているじゃない。人化すれば食べる量もフェンリルの姿の時よりス来なくて済むしね。エルクもその方が助かるでしょう』

「まあ、確かにそうだな。じゃあさっさと人化しろよ。飯にするぞ」

 エルクは、ルリにそう言うと先に小屋の中へ入って行った。

 そしてルリも直ぐに人化してエルクの後を追って小屋の中に入って行った。

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