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《新たな翼》
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驚いているライにルゥは真剣な口調で話し出す。
「ライの仲間であり亡き親友から、ライが本来は地上に居た……というのを伺っています。ライもまた、僕と同じでどうしてだがミキ様、いえ――憎きミキに地獄に突き落とされたらしいのです」
「……俺の兄が、か?」
「はい。ですが、亡き親友はこの地獄で怪物となってしまったので供養させて頂きました。つまり、――僕以外で被害者は多く居たのです」
シキが頭を抱え「兄はなにを考えているのだ?」そう尋ねればルゥは息を大きく吸い込み、羽根をふわりと伸ばした。
今までルゥの羽の挙動を見てきたライにはわかる。――ルゥは覚悟を見せようとしているのだ。
「ミキはシキ様と違い、今でもオアシスでのうのうと生きています。僕やライを地獄に突き落とし、挙句の果てにはがしゃどくろまでも生み出している。――これでは地獄とオアシスがめちゃくちゃになってしまいます。それに……、一人の人間の生涯さえも狂わせているのです」
「……ルゥ」
最後の言葉でさえも憎たらしいぐらいかっこよくて泣きそうになってしまうのを堪えた。耐えた。
まさかルゥの羽を見繕う為に地獄に殴り込みに行く旅が、冒険が、自分の人生をやり直せるチャンスが来るとは思いもしなかった。
ルゥが再び頭を下げた。
「お願いします。僕たちにチャンスをください!!」
はっきりと凛とした物言いをしたのだ。
周囲が物音さえしないほど静かになる。聞こえるのはミナの寝息ぐらいだ。彼女は将来、大物になるであろう。……まぁ大型の怪物ではあったが。
シキがふぅと息を吐き「条件がある」そう告げてルゥに人差し指を差し向けた。
「まず、ルゥの羽は地の龍様が治してくれるはずだ。だが、その黒髪の青年――ライの地上への帰路はミキへの対応次第、ということにする」
「……それはなぜですか? ライも被害者ではありませんか!」
すると今度は地の龍が話に加わった。
「ミキの動向は以前から気に掛かっていたのだ。天の龍をかえしてがしゃどくろを計画し、創らせたのも不明なのだ。だがそのおかげなのか、せいなのか、地獄の風紀も少し風が変わったようだしな」
地の龍が「水晶を掲げろ」シキに命令したかと思えば、その通りの行動をした。彼が向かった先は――ルゥの折れてしまった翼だ。
なにか呪文のようなものが唱えだしたしたかと思えば、暗黒に輝きだし――ルゥの羽に少し黒と紅が入り交ざったような文様と翼が生えたのだ。
「んぅ……。ルゥ……?」
今まで眠っていたミナが瞳を擦り両腕を伸ばして大あくびをする。すると目に留まるのは、ルゥの進化した翼であった。
「なぬっ!? ルゥの羽が進化しておるぞっ!」
「あぁ、ミナ。起きたんだね」
「すごいのだ! かっこいいのだ!」
ケイから飛び降りてルゥの羽に驚いて飛び跳ねるミナと「良かったな!」嬉しそうにするケイではあったが、――ライは違った。
「おい、シキって奴。あのクソ野郎、――ミキ次第で俺の地上行きが決まるって言うのは、本当か?」
小難しい言葉を咀嚼するのに苦戦はしたが、自分の地上行きの道に対してライはシキへ鋭い視線を向けたのだ。
「ライの仲間であり亡き親友から、ライが本来は地上に居た……というのを伺っています。ライもまた、僕と同じでどうしてだがミキ様、いえ――憎きミキに地獄に突き落とされたらしいのです」
「……俺の兄が、か?」
「はい。ですが、亡き親友はこの地獄で怪物となってしまったので供養させて頂きました。つまり、――僕以外で被害者は多く居たのです」
シキが頭を抱え「兄はなにを考えているのだ?」そう尋ねればルゥは息を大きく吸い込み、羽根をふわりと伸ばした。
今までルゥの羽の挙動を見てきたライにはわかる。――ルゥは覚悟を見せようとしているのだ。
「ミキはシキ様と違い、今でもオアシスでのうのうと生きています。僕やライを地獄に突き落とし、挙句の果てにはがしゃどくろまでも生み出している。――これでは地獄とオアシスがめちゃくちゃになってしまいます。それに……、一人の人間の生涯さえも狂わせているのです」
「……ルゥ」
最後の言葉でさえも憎たらしいぐらいかっこよくて泣きそうになってしまうのを堪えた。耐えた。
まさかルゥの羽を見繕う為に地獄に殴り込みに行く旅が、冒険が、自分の人生をやり直せるチャンスが来るとは思いもしなかった。
ルゥが再び頭を下げた。
「お願いします。僕たちにチャンスをください!!」
はっきりと凛とした物言いをしたのだ。
周囲が物音さえしないほど静かになる。聞こえるのはミナの寝息ぐらいだ。彼女は将来、大物になるであろう。……まぁ大型の怪物ではあったが。
シキがふぅと息を吐き「条件がある」そう告げてルゥに人差し指を差し向けた。
「まず、ルゥの羽は地の龍様が治してくれるはずだ。だが、その黒髪の青年――ライの地上への帰路はミキへの対応次第、ということにする」
「……それはなぜですか? ライも被害者ではありませんか!」
すると今度は地の龍が話に加わった。
「ミキの動向は以前から気に掛かっていたのだ。天の龍をかえしてがしゃどくろを計画し、創らせたのも不明なのだ。だがそのおかげなのか、せいなのか、地獄の風紀も少し風が変わったようだしな」
地の龍が「水晶を掲げろ」シキに命令したかと思えば、その通りの行動をした。彼が向かった先は――ルゥの折れてしまった翼だ。
なにか呪文のようなものが唱えだしたしたかと思えば、暗黒に輝きだし――ルゥの羽に少し黒と紅が入り交ざったような文様と翼が生えたのだ。
「んぅ……。ルゥ……?」
今まで眠っていたミナが瞳を擦り両腕を伸ばして大あくびをする。すると目に留まるのは、ルゥの進化した翼であった。
「なぬっ!? ルゥの羽が進化しておるぞっ!」
「あぁ、ミナ。起きたんだね」
「すごいのだ! かっこいいのだ!」
ケイから飛び降りてルゥの羽に驚いて飛び跳ねるミナと「良かったな!」嬉しそうにするケイではあったが、――ライは違った。
「おい、シキって奴。あのクソ野郎、――ミキ次第で俺の地上行きが決まるって言うのは、本当か?」
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