両翼の絆

蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)

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《生きること》

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「どうしよう! どうしよう!!!!」
 背中に呪物のような翼を生やしてしまったライにルゥは慌てふためいて羽を震わせていた。
 慌てふためいているルゥの姿がおかしくてライは笑っているが、ルゥは笑えない。本気でミキから引き継いでしまった呪物をどうしようかあらゆる手を尽くそうと試みた。
「まず僕の風で切り裂くか……、いや、ライの短刀で切り裂くのが早いね! よーし、ライ! ――その短刀貸して」
「え、あ、おう……って、ちょっと待て! 俺はどうなるんだ、それで!?」
「いいから……動かないっで!!」
 短刀を奪い去り呪物を切りつけるが、ガツンっと音がするだけで羽にダメージがない。これは困ったということになり風で切り付けようと試みるが――効果なし。 
 ルゥが困ったように羽を震わせたのでライもやってみることにした。意外と難しいが、肩に力を入れて動かすイメージを持たせた。
 羽が微かに動いたのでライが内心で感動しつつあるとルゥがしかめ面をする。
「そんな気持ち悪い羽ぐらいで感動しないでよ! もう~、自分が大変な目に遭っているのわかる?」
「気持ち悪いはないだろう。というか、わかってるって。……師匠の残した羽が大変なんだろう?」
「そう。――君が死ぬかもしれない地獄の翼だよ」
 するとなにかを考え込んだライは「じゃあ俺の命はすぐに消え失せるんだな~」間延びした口調で話していた。
 ルゥは苛立ち「君は生きることをやめたの!?」怒鳴りつけてしまう口調になってしまうが、――ライは違った。
「生きることにはまだやめてねぇよ。でも、死に急ぐ必要はねぇかなって」
「……死に急ぐって?」
「そのままの意味だよ。俺は師匠から時間制限付きの爆弾を貰っちまったわけだけどよ。まぁ別に……死に急ぐよりも、縛られたなかでも生きることに専念した方が良いかなって思ってよ」
 ライの拙いが言い分がわかった。彼は死んで悔やむ人生よりも限りある人生のなかで生きていくことができればそれで良いのだ。
 今を楽しめればそれで良いと言うなんとも楽観的だがライらしい生きることにある意味こだわりを持つ生き方に、ルゥは惹かれる。
 だからルゥは怒っていた顔から息を吐いたのち「じゃあ一緒に飛ぶ練習をしよう」優しげな顔でライの手を取った。
 ライは瞬時に鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
「ほら、そんな顔しないでやってみるよ! さっきしたみたいに肩に力を入れて翼を広げてごらん」
「お、おう……。肩に力を――」
「力みすぎっ! もうちょっと緩めて……はいっ!」
 すると赤黒く呪文が刻まれた翼が広がった。畏怖さはあるものの強靭な翼は一目見てライに似合うなと感じた。つい見惚れてしまう。
「おい、翼は広げたけど……これからどうすんだ?」
「あ、う、うん! えっとね……」
 それからルゥは出来立てほやほやのライの翼をレクチャーするのだ。
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