α

SAGE

文字の大きさ
上 下
17 / 22
序章

pt17

しおりを挟む
気がつくと俺は嬉しさのあまりセージに嬉々とした喋り方をしていた。

「セージ!!!信じてくれるのか!マジで信じてくれるのか!?」
「うーん。だって・・・時間戻せるんでしょ?」
「そうなんだ!マジでいきなりだったから、かなり困ってたんだ!一緒に考えて欲しいんだ!」
「うーーん。。。」

・・・。あれ?
セージの反応が鈍い。
もしかするとセージは、本当は信じていないのかもしれない。
いや、むしろ信じてない確率の方が高いはずなんだ。
だって時間を戻せる人間なんて現実に存在するわけないんだから。
俺の勝手な思い込みで、勝手に一人で盛り上がってただけなのかもしれない。

俺の背中に再び絶望感が忍び寄って来ていた。
その時だった。

「つまり、、、もう何回か戻ってるな?」
「セーーージーー~~っ!!!」

こいつは天才か!?天才なのか!?
天才を通り越して馬鹿なのか!
何故こんな話題に冷静に向き合える!?俺の方が別ベクトルで冷静になりそうだぞ!

しかし、今の俺にとっては世界中の誰よりも頼りになる男だ!!!

「落ち着くんだアーク。アークが言ってることが本当なら、そのリアクションの様子だと何回か戻ってるだろ?」
「そ、そうだ。よくわかるねセージ」
「ふっ。昔そういう話しを聞いたんでな。漫画で」
「ま、まんがで、、、か」
「まてっアークっ!つまりっ!」
「どうしたセージ!?」
「これはやばい状況だよ。アークが時間を戻すと、アーク以外の人の記憶は戻ってしまうってことだな」
「そうだね。今のところそうなってる」
「ふーむ。これは面倒だな。あ、あと、きっとその力には発動条件がある」
「あ、それ。前回のセージも言ってたよ。そんで見事に当ててくれたんだよ。それで今に戻って来たんだけど。発動条件はね・・・」
「待ってくれアーク!当てる!作品当てるから!」
「へ?」
「えーーーっと、多分。マドマギ!」

待て待て待てセージ!
なんか変な方向で楽しみ出しちゃってるよこの男!
今それどころじゃないんだけど!

「ま、待ってくれセージ。前のセージは作品のこととか言ってなかったぞ。セージがどの漫画のことを考えてたかわからないよ」
「え?そうなの?」
「そうそう。それと、たしか、、、婆さんがどうとか、息を吸うとかどうとか言ってたな」
「婆さん・・・息を吸う・・・。ううううむ」

なんかすごく考えてる様子だけど、絶対”どの作品か?”について考えてるに決まってる。
このセージという男は一度走りだすと軌道修正が難しい男だ。
本人が納得するまでその作業が続くことが結構ある。

あーーマジでどうでもいいから、早く当ててくれ。

「あっ!わかった!ジョジョだ。マドマギじゃなくてジョジョだわそれ。」
「へー、、、そうなんだ。」
「いや~SOSの方じゃなくてよかったよ。あっちだったら15498回のループは覚悟しないといけないからな!」

確か前回のセージもそんな感じの数字を言ってたと思う。
よくそんな細かい数字まで覚えていられるな。
しかし、これ以上話が逸れることを恐れた俺はその数字に触れない事にした。

「と、とにかく。どうしたらいいと思う?セージ」
「うーん。とりあえず会う?」

お!?新しい展開だな。

「じゃあ30分後にうちでいいかな?」
「おっけー」

こうしてライン通話が終わった
しおりを挟む

処理中です...