17 / 40
第16話 個性的でありたい
なぜアイドル?
表面だけの男と話をするより、私を心から好いている人と握手していたい。
世間は、私を愛する人をキモオタなどと蔑視している。
黒咲明日香。ファンの間では『アスポン』という名で呼ばれている。
「アスポンは最高のアイドルだ!」
「アスポンを見てると、元気が湧いてくるよ」
「現地で見たけど可愛すぎて可愛かった」
SNSは、あまり好きじゃない。
嬉しいことよりも、嫌なことの方が目につく。
「キモオタから金を巻き上げるだけの簡単な商売」
「立ち振る舞いがキモい。顔だけのくせに調子のんな」
「もうすぐ脱ぎそうだね、応援してます」
画面を何回かスクロールするだけで、匿名のゴミに心を刺される。
簡単に発信できるから、簡単に人を傷つける。
もう、アイドルなんてやりたくなかった。
給料は少ない。
学校に通って、レッスンに向かう。
すると帰る時には日付が変わっている。
振り付けは学校で覚えるか、睡眠時間を削って徹夜で覚えるか。
園芸部なんて形だけの部活をサクラ数名と共に設立して、ひとり部室で踊ることもあった。
学校にバレないように、友達にバレないように自分を偽る毎日は苦痛でした。
ですが、小さなライブ会場が愛おしかったです。
だから彼に殺されるまで続けていました。
────────
……お見合い相手、いなくね?
襖の隙間から様子を伺っていても、それらしき人物はいない。
狭い視界ではあるが、黒咲周辺の玄関はバッチリみえている。
だが、玄関が開いても、お見合い相手がいないという奇妙な構図。
俺と海野は襖から玄関を覗き、後ろで四葉は寝っ転がっている。
「……ウチ分かった。実は忍者がお見合い相手で、ウチらの見えないところで見張ってるんだよ」
「いやいや、んなわけあるかい」
「いやいや優くん、それがあるんですよ」
「どうも、伊賀の者です」
四葉……また変な芸を覚えてるな。
口笛、ハーモニカ、ウクレレってきて、今度は声真似かよ。
かまって欲しいのは分かるが、もっと有意義な嘘をついていただきたい。
「伊賀方は、そこでなにしてるんですか?」
「えーっと、今日はお見合いと聞いてきたんですけどね。ほら、ボクって人見知りやないですか。それで、恥ずかしくなってここに隠れとるんです」
四葉の声真似、意外にクオリティーが高い。
なんかイントネーションも関西風というか、あまりこっち側では馴染みのない感じだ。
「よく登りましたねー」
「ええ、忍者ですから。皆さんによう言われます」
「ちょい四葉。お前さっきからうるさいぞ──」
振り返ると、四葉が寝転がっている。
で、問題はその頭上に穴が開いているということ。
がしかし、そこに人はいない。
「え、待って。ウチの予想大当たりじゃね?」
「いや、マジでそんなわけない」
俺は部屋の中央で寝ている四葉に聞いた。
「なぁ、さっきのってお前の声真似だよな?」
「んー私? 声真似なら、ドラ息子エモンしかできないよ?」
「してたじゃん! 今、忍者の声真似してたじゃん!」
してたと言ってくれ!
忍者なんてカッケー存在がいたら、俺の将来の夢が変わっちまう!
さあ、してたと言って……
「なんかすんません。ボクのコンタクト、ここに落としたみたいで。一緒に探していただけると嬉しいです」
部屋の中央、四つん這いになっているなんかがいる。
黒色の忍者。
コンタクト探してる忍者が、畳の上きょろきょろしてる。
「いやぁ、マジ見えないんすよ。この前の視力検査とか両方ともDでしたもん」
「忍者だ! ウチの言った通りじゃん!」
たしかに忍者、風貌は忍者。
だけど、コンタクトを探しているところは現代人。
カエル化現象とは、こういう感情なのだと知りました。
「あー、ありました。コンタクト、ありました。皆さんすんません、お騒がせしました。はい、それでは……」
忍者のコスプレをした青年はコンタクトをつける。
で、煙玉を畳に投げつけ、姿を消した。
はい、姿を消した、もう、煙が薄くなっていた時には、痕跡がない。
すごい、はやい。
「……はい……伊賀の者です……はい」
そしてまさかの移動先は玄関。
襖の向こうの玄関からかすかに話し声が聞こえてきた。
今、黒咲と忍者のお見合いが始まろうとしていた。
────────
が、終始無言。
和室で向き合っていても、外で散歩していても、ししおどしがカコンとなる以外に音がない!
「おい! お見合いはそういうのじゃないだろ!」
……と突っ込んで2人のお話の潤滑油になってやりたい。
シャイな忍者とお見合い嫌いの黒咲。
それぞれ別のベクトルでダメになっている。
2人は和室に戻ってまたもや無言で座り待ちぼうけ。
ただ、2人の前にある緑茶が冷えてゆくだけでした。
「おいおい、これって1番気まずいヤツだよー」
「お見合いうまくいってないってことはウチらの作戦成功ってこと?」
「まぁ、そうだけど。気まずい感じで終わる後味悪いしなぁ」
何か、話を産むきっかけでもあればいいのだが……
──ひゅー、ひゅーるり
四葉先生、退屈なのはわかりますが、少々口笛を控えていただけると。
あと海野さん、襖を開こうとしないで?
俺がたまたま必死に押さえてたから、アンタは突撃できないけどね。
忍者がんばれ!
お願いだから、なんかいい感じの雰囲気作ってくれ!
「……音楽やったら、なに聞きます?」
「ごめんなさい、音楽聞かないです」
「……そうですか」
地獄、無限地獄、苦しい苦しい。
黒咲のコミュニケーションに打ち負かされてる。
もう、見てるのも辛いし、海野との攻防も続いてるし。
──ファー、フォー、ファファ
もうダメだ、ハーモニカまで持ってきてるよ四葉。
こりゃあ止めなくては……。
うーわ、めっちゃ楽しそう、止めるに止めれない。
……?
話し声?
「……ハーモニカですね。えっと、ボクはハーモニカ好きですけど、あなたはどうですか?」
忍者、よく言った。
お前の勇気は黒咲にも伝わって……ない。
「私は普通です」
たった一言。
それで会話が終了しました。
はい、忍者は次の話題も頑張って振ってください。
「ドラ息子エモンですー。今日は皆んなにハーモニカを聞かせますー」
──ファー、ファー、ふっ、ファファ
「ここの音が出ないよぉ? ふっ、ふっ。ほらぁ、ここの音でなあぃ」
木之下さん、地味にうまい声真似しないで。
忍者のメンタルが削られるから。
「ボク、ドラ息子エモン好きなんですよ。とくに初期の方、最近は声優が変わって、違和感があるというか……」
ほら、また無謀な賭けに出た。
どうせ「私は普通です」って言われて終わるに決まって──
「私は声優の変化から時代の変化を感じるタイプの人間でして、あの違和感もまた長期アニメの良さを引き立てているなと……」
眼鏡をキラリと光らせて、黒咲は一呼吸で言い切った。
やばい、忍者逃げろ!
黒咲がオタクモードに突入した!
「おお、そうですね。声の変化も……」
「声の変化だけでなく作画や技術の変化も楽しみ甲斐がありますね。特に過去の話をリメイクする際にはやはり原作愛の入った作り込みを感じますし──」
ペラペラペラペラペラ
無限、さっきまでとは真反対。
無限に話が進んでしまう。
オタク恐るべし、自分のテリトリーに入った獲物は絶対に逃がさない。
──らぶりープリンセス! 今日も笑顔でがんばろー!
四葉、核弾頭を所持。
スマホの画面にて、プリッキュアを視聴中。
イヤホンが奥まで入っておらず、周囲に音漏れしてしまい……。
スパァン!
俺の防衛していた襖が、たやすく内側から突破される。
中からめんどくさいオタクが出現。
四葉を捕食(話のターゲットに)
「プリッキュアいいですよねー。子供向けかと思いきやストーリーで感動させる方向性。最近の子達は女の子だけじゃなくて男の子も変身してもうヤバい!」
「優くん助けてー! 変な人がいるー!」
四葉、動けない。
延々と続くマシンガントークの餌食になってしまう。
「ボク、あの方の地雷踏んだんすかねぇー?」
頭をポリポリとかきながら、忍者が部屋から出てきた。
心なしか、げっそりしている気がする。
「まぁ、人は見かけによんねぇし。あれはあれで、楽しそうだからいいんじゃねえの?」
「そういうもんすかねぇ?」
「そういうもんだよ。楽しかったら何でもいいって、そういう日を生きてるんだから」
いつの間にか、海野と四葉、黒咲でプリッキュアの視聴会が始まっている。
海野は新鮮そうな瞳、四葉と黒咲はベテランのキュアリストとしての瞳。
それぞれが個性的な反応をしていた。
発信する側でなくても、受け取る側でも、個性って存在するらしい。
「改めて、男同士で自己紹介します?」
「いいけど、俺、偽名使うよ?」
「ええーっ!? ボクそんなに信用ないっすかぁ!?」
「コッチにもいろいろあんだよ。信用してねぇわけじゃねぇ」
俺アレルギー。
それもまた、個性的と言えば個性的。
「んー。納得いかないっすけど、人様の事情には深く聞かないっす」
「ありがとよ、それでこそ忍者だな」
男同士、久しぶりの自己紹介だ。
「偽名だが、俺のことはアダムと呼んでくれ」
「流行りのアニメからっすか? でもいいっすよ、かっこいいっす」
「おう、覇権アニメだからな。で、お前は?」
「ボクは伊賀の者っす」
コイツ、さては天然か?
伊賀の忍者って分かったから、名前をだな。
「冗談はいいからほら、名前」
「だから、伊賀の者っす」
「伊賀の者? それは出身じゃねぇの」
「違うっす出身は東京っす。で、名前が伊賀 乃茂野っす」
東京出身の忍者?
伊賀 乃茂野(いが のもの)が名前?
めっっちゃ個性的すぎひんか?
あと、
「お前、めっっちゃ紛らわしいわ」
「よく言われるっす」
カコーン……
今日イチのししおどし。
いい音で響いて、俺たちの内部に染み渡った。
表面だけの男と話をするより、私を心から好いている人と握手していたい。
世間は、私を愛する人をキモオタなどと蔑視している。
黒咲明日香。ファンの間では『アスポン』という名で呼ばれている。
「アスポンは最高のアイドルだ!」
「アスポンを見てると、元気が湧いてくるよ」
「現地で見たけど可愛すぎて可愛かった」
SNSは、あまり好きじゃない。
嬉しいことよりも、嫌なことの方が目につく。
「キモオタから金を巻き上げるだけの簡単な商売」
「立ち振る舞いがキモい。顔だけのくせに調子のんな」
「もうすぐ脱ぎそうだね、応援してます」
画面を何回かスクロールするだけで、匿名のゴミに心を刺される。
簡単に発信できるから、簡単に人を傷つける。
もう、アイドルなんてやりたくなかった。
給料は少ない。
学校に通って、レッスンに向かう。
すると帰る時には日付が変わっている。
振り付けは学校で覚えるか、睡眠時間を削って徹夜で覚えるか。
園芸部なんて形だけの部活をサクラ数名と共に設立して、ひとり部室で踊ることもあった。
学校にバレないように、友達にバレないように自分を偽る毎日は苦痛でした。
ですが、小さなライブ会場が愛おしかったです。
だから彼に殺されるまで続けていました。
────────
……お見合い相手、いなくね?
襖の隙間から様子を伺っていても、それらしき人物はいない。
狭い視界ではあるが、黒咲周辺の玄関はバッチリみえている。
だが、玄関が開いても、お見合い相手がいないという奇妙な構図。
俺と海野は襖から玄関を覗き、後ろで四葉は寝っ転がっている。
「……ウチ分かった。実は忍者がお見合い相手で、ウチらの見えないところで見張ってるんだよ」
「いやいや、んなわけあるかい」
「いやいや優くん、それがあるんですよ」
「どうも、伊賀の者です」
四葉……また変な芸を覚えてるな。
口笛、ハーモニカ、ウクレレってきて、今度は声真似かよ。
かまって欲しいのは分かるが、もっと有意義な嘘をついていただきたい。
「伊賀方は、そこでなにしてるんですか?」
「えーっと、今日はお見合いと聞いてきたんですけどね。ほら、ボクって人見知りやないですか。それで、恥ずかしくなってここに隠れとるんです」
四葉の声真似、意外にクオリティーが高い。
なんかイントネーションも関西風というか、あまりこっち側では馴染みのない感じだ。
「よく登りましたねー」
「ええ、忍者ですから。皆さんによう言われます」
「ちょい四葉。お前さっきからうるさいぞ──」
振り返ると、四葉が寝転がっている。
で、問題はその頭上に穴が開いているということ。
がしかし、そこに人はいない。
「え、待って。ウチの予想大当たりじゃね?」
「いや、マジでそんなわけない」
俺は部屋の中央で寝ている四葉に聞いた。
「なぁ、さっきのってお前の声真似だよな?」
「んー私? 声真似なら、ドラ息子エモンしかできないよ?」
「してたじゃん! 今、忍者の声真似してたじゃん!」
してたと言ってくれ!
忍者なんてカッケー存在がいたら、俺の将来の夢が変わっちまう!
さあ、してたと言って……
「なんかすんません。ボクのコンタクト、ここに落としたみたいで。一緒に探していただけると嬉しいです」
部屋の中央、四つん這いになっているなんかがいる。
黒色の忍者。
コンタクト探してる忍者が、畳の上きょろきょろしてる。
「いやぁ、マジ見えないんすよ。この前の視力検査とか両方ともDでしたもん」
「忍者だ! ウチの言った通りじゃん!」
たしかに忍者、風貌は忍者。
だけど、コンタクトを探しているところは現代人。
カエル化現象とは、こういう感情なのだと知りました。
「あー、ありました。コンタクト、ありました。皆さんすんません、お騒がせしました。はい、それでは……」
忍者のコスプレをした青年はコンタクトをつける。
で、煙玉を畳に投げつけ、姿を消した。
はい、姿を消した、もう、煙が薄くなっていた時には、痕跡がない。
すごい、はやい。
「……はい……伊賀の者です……はい」
そしてまさかの移動先は玄関。
襖の向こうの玄関からかすかに話し声が聞こえてきた。
今、黒咲と忍者のお見合いが始まろうとしていた。
────────
が、終始無言。
和室で向き合っていても、外で散歩していても、ししおどしがカコンとなる以外に音がない!
「おい! お見合いはそういうのじゃないだろ!」
……と突っ込んで2人のお話の潤滑油になってやりたい。
シャイな忍者とお見合い嫌いの黒咲。
それぞれ別のベクトルでダメになっている。
2人は和室に戻ってまたもや無言で座り待ちぼうけ。
ただ、2人の前にある緑茶が冷えてゆくだけでした。
「おいおい、これって1番気まずいヤツだよー」
「お見合いうまくいってないってことはウチらの作戦成功ってこと?」
「まぁ、そうだけど。気まずい感じで終わる後味悪いしなぁ」
何か、話を産むきっかけでもあればいいのだが……
──ひゅー、ひゅーるり
四葉先生、退屈なのはわかりますが、少々口笛を控えていただけると。
あと海野さん、襖を開こうとしないで?
俺がたまたま必死に押さえてたから、アンタは突撃できないけどね。
忍者がんばれ!
お願いだから、なんかいい感じの雰囲気作ってくれ!
「……音楽やったら、なに聞きます?」
「ごめんなさい、音楽聞かないです」
「……そうですか」
地獄、無限地獄、苦しい苦しい。
黒咲のコミュニケーションに打ち負かされてる。
もう、見てるのも辛いし、海野との攻防も続いてるし。
──ファー、フォー、ファファ
もうダメだ、ハーモニカまで持ってきてるよ四葉。
こりゃあ止めなくては……。
うーわ、めっちゃ楽しそう、止めるに止めれない。
……?
話し声?
「……ハーモニカですね。えっと、ボクはハーモニカ好きですけど、あなたはどうですか?」
忍者、よく言った。
お前の勇気は黒咲にも伝わって……ない。
「私は普通です」
たった一言。
それで会話が終了しました。
はい、忍者は次の話題も頑張って振ってください。
「ドラ息子エモンですー。今日は皆んなにハーモニカを聞かせますー」
──ファー、ファー、ふっ、ファファ
「ここの音が出ないよぉ? ふっ、ふっ。ほらぁ、ここの音でなあぃ」
木之下さん、地味にうまい声真似しないで。
忍者のメンタルが削られるから。
「ボク、ドラ息子エモン好きなんですよ。とくに初期の方、最近は声優が変わって、違和感があるというか……」
ほら、また無謀な賭けに出た。
どうせ「私は普通です」って言われて終わるに決まって──
「私は声優の変化から時代の変化を感じるタイプの人間でして、あの違和感もまた長期アニメの良さを引き立てているなと……」
眼鏡をキラリと光らせて、黒咲は一呼吸で言い切った。
やばい、忍者逃げろ!
黒咲がオタクモードに突入した!
「おお、そうですね。声の変化も……」
「声の変化だけでなく作画や技術の変化も楽しみ甲斐がありますね。特に過去の話をリメイクする際にはやはり原作愛の入った作り込みを感じますし──」
ペラペラペラペラペラ
無限、さっきまでとは真反対。
無限に話が進んでしまう。
オタク恐るべし、自分のテリトリーに入った獲物は絶対に逃がさない。
──らぶりープリンセス! 今日も笑顔でがんばろー!
四葉、核弾頭を所持。
スマホの画面にて、プリッキュアを視聴中。
イヤホンが奥まで入っておらず、周囲に音漏れしてしまい……。
スパァン!
俺の防衛していた襖が、たやすく内側から突破される。
中からめんどくさいオタクが出現。
四葉を捕食(話のターゲットに)
「プリッキュアいいですよねー。子供向けかと思いきやストーリーで感動させる方向性。最近の子達は女の子だけじゃなくて男の子も変身してもうヤバい!」
「優くん助けてー! 変な人がいるー!」
四葉、動けない。
延々と続くマシンガントークの餌食になってしまう。
「ボク、あの方の地雷踏んだんすかねぇー?」
頭をポリポリとかきながら、忍者が部屋から出てきた。
心なしか、げっそりしている気がする。
「まぁ、人は見かけによんねぇし。あれはあれで、楽しそうだからいいんじゃねえの?」
「そういうもんすかねぇ?」
「そういうもんだよ。楽しかったら何でもいいって、そういう日を生きてるんだから」
いつの間にか、海野と四葉、黒咲でプリッキュアの視聴会が始まっている。
海野は新鮮そうな瞳、四葉と黒咲はベテランのキュアリストとしての瞳。
それぞれが個性的な反応をしていた。
発信する側でなくても、受け取る側でも、個性って存在するらしい。
「改めて、男同士で自己紹介します?」
「いいけど、俺、偽名使うよ?」
「ええーっ!? ボクそんなに信用ないっすかぁ!?」
「コッチにもいろいろあんだよ。信用してねぇわけじゃねぇ」
俺アレルギー。
それもまた、個性的と言えば個性的。
「んー。納得いかないっすけど、人様の事情には深く聞かないっす」
「ありがとよ、それでこそ忍者だな」
男同士、久しぶりの自己紹介だ。
「偽名だが、俺のことはアダムと呼んでくれ」
「流行りのアニメからっすか? でもいいっすよ、かっこいいっす」
「おう、覇権アニメだからな。で、お前は?」
「ボクは伊賀の者っす」
コイツ、さては天然か?
伊賀の忍者って分かったから、名前をだな。
「冗談はいいからほら、名前」
「だから、伊賀の者っす」
「伊賀の者? それは出身じゃねぇの」
「違うっす出身は東京っす。で、名前が伊賀 乃茂野っす」
東京出身の忍者?
伊賀 乃茂野(いが のもの)が名前?
めっっちゃ個性的すぎひんか?
あと、
「お前、めっっちゃ紛らわしいわ」
「よく言われるっす」
カコーン……
今日イチのししおどし。
いい音で響いて、俺たちの内部に染み渡った。
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。