28 / 40
第27話 アマミーには勝てない
しおりを挟む
ウチの人生は、小さな失敗の積み重ねでダメになった。
だから、どうしてこうなったのか分かんない。
友達との関係も、勉強も、恋愛も。
どこかでミスをして。
それが積み重なって。
気づいた時には、ウチじゃあ、どうしようもないくらいになってる。
分からない、分からないよ。
どうして、友達と上手くいかないの?
どうして、授業について行けないの?
どうして、どうしてウチを見てくれないの?
ウチの何がダメだったの?
「葵ってさー、……思ったこと言い過ぎだよねー?」
「うん、分かるわぁ。葵ってたまに変なこと言っちゃうしぃ」
「えっ? そう、かな?」
「うん、ケッコー頻繁に言ってるね」
ズキリ……。それは、ウチが1番気にしてること。
放課後、オレンジ色の教室。ウチらはいつも、4人で話す。
全員仲良しの友達。うん、友達……。
「ウチの悪い癖……。治さなきゃ……」
「あっ、ほらまたぁ!」
「独り言、出ちゃってるねー」
「えっ!? また言ってたの!?」
「アハハッ! 葵の心見え見えじゃん!」
「めちゃオモロ!」
──甲高い笑い声が、教室に響く。
……っ、嫌なこと、思い出しちゃった。
「忘れろ、忘れろ……」
あれはもう、ウチの記憶じゃない。
……それは流石に嘘だけど、あの時のウチと、今のウチは全然違う。
「枝豆と、大豆くらい」
「あの、なんかありました?」
「へっ? あっ……クレープ」
アマミーはもう、クレープを食べ終わっていた。
口の周りにクリームが付いてて、可愛い。
でもウチを見る目は真剣。いや、ウチじゃなくて村雨だね。今は。
「なんでもっ、ない……よ」
「んー?」ジトっとウチを見るアマミー。
「疑われてるから、言い訳。言い訳を考えないと……あっ、またっ」
ダメだ、すぐに出ちゃう。
こうやって意識してないと、ウチはまた嫌われる。
でも……意識してても……。
「葵って最近さー、なんか遠慮しすぎじゃない?」
「あっ! それ私も思ってたぁ!」
オレンジ色の教室。
あの日指摘されてから、1ヶ月くらい経ったと思う。
……今度は、遠慮しすぎって言われた。
「また、ダメ……なの?」
「いやぁ、ダメってゆーか、何というか……」
「葵がそんなだと、私らもちょーしが狂っちゃうわけ」
「えっ? えっ?」
「オブラートに包むとー、葵は遠慮しすぎて怖いのぉ」
「アハハッ! 包めてないし!」
また、甲高い笑い声が教室を蹂躙する。
何が、ダメ?
本物のウチじゃ、ダメ?
偽ってても、ダメ?
そしたら、もう、こう思うしかない。
「……もしかしてウチ、嫌われてるのかな?」
あっ、また言っちゃった。
みんながウチを見てる。あははっ、変な顔。
もう……いいや。
ウチは鞄を持って、走って教室を出た。
廊下も走って、息を切らして下駄箱に着いた。
靴の踵を踏んだまま、校門を抜ける。
冬の乾いた風が、ウチの頬を叩いた。
あれ以来、あの子達とは話さなかった。
中学校にもあまり行かないで、家で沢山勉強した。
お姉ちゃんが勉強を教えてくれた。
必死に努力して、あの子たちのいない学校、難しい学校に受かった。
でも、私は背伸びをしていた。
高校の授業は、ちんぷんかんだった。
「なーんか隠してますよね? て言うか、もう言っちゃいましたしね?」
クレープ屋の前、手頃なベンチ。
アマミーはずいっと顔を近づける。
うちは上目遣いで見つめる。
うー、近いぃぃ。
勘違いさせる距離感じゃん!
このヤリチン!
そうだ!
ウチ今、男の子だった!
「その、まぁ……」
「悩み事ですよね? あの、失敗がうんたらってヤツ」
「うん」コクリ、うなづく。
アマミーは座り直す。
近くにあった顔が離れて、心臓も静かになる。
「聞こえてましたよ。
村雨さんの失敗って、やり直せないらしいじゃないですか」
なーんだ、クレープに夢中になってただけじゃないのか。
「ウチが呟いたこと、……聞いてたんだ」
「はい、聞こえてました。クレープだけじゃないんすよ、男は」
アマミーの自信が怖い。
怖くて怖くて仕方ない。
「アマミーはきっと、理由のある失敗しかしたことないんだ。
ウチみたいに、理不尽に嫌われることなんか無かったんだ。
ウチみたいに、背伸びしなくてもいい人生だったんだ」
天気は曇り、ウチの心と一緒。
湿った風も、蒸し暑さも。全部が不快。
「アマミーはいいなぁ、羨ましいなぁ。
きっと、いい友達が沢山いるんだろうなぁ」
「……まぁ、友達には恵まれてたかもな?」
アマミーの声色が、黒く染まった。
ぜっったいウチを否定してくる。
そしたらどうしよう、ウチ、泣いちゃうかも。
想像するだけで、目尻に涙が溜まっちゃった。
「いや、断言できるな。俺は良い友達が沢山いる」
ほら、始まった。
綺麗事。自分の視界だけで、友達がどうとか言っちゃってる。
「アマミーは幸せ者だね。
きっとこれからも、嫌な友達なんて作らないんだ」
「そうだな。
俺は一生そんなヤツに出会わな──「だからっ! 言い切るなっ!」
痛い、喉が痛い。ジンジンと、余韻が広がる。
大声なんて、久しぶりに出した。
アマミーの口はポカンと、目はまん丸。
「ちょっと来い!」
周りの人の視線が気になって、アマミーの手を取る。
強引に引っ張る。思いの外、アマミーは軽かった。
うちは今男だ。だから、ウチの力に抵抗できていない。
そのままとりあえず、近くのラブホテルまで引っ張った。
入る直前、
「いや、俺たちじゃ誤解されるって……」
とアマミーが抵抗したけど関係ない。
「ウチはゲイじゃないから!」と言って黙らせた。
お金は大丈夫、今日のためにお姉ちゃんからカツアゲした。
乱暴に部屋のドアを開ける。部屋に入ってもイライラは収まらない。
アマミーをベッドに投げた。
そして、上に跨る。
「ちょっ! まずいって!」
アマミーはウチの下で暴れる。
でもここには、絶対的な力格差がある。
がっしり、両手を掴んで……
「うるさい黙れ」と、この一言で大人しくなった。
「いい? よく聞いて?
アマミーの言ってることなんて、運がいい人間の自慢にしかならないよ」
「じまっ、自慢じゃねぇし……」
アマミーの言葉。歯切れが悪い。なーんか妙に緊張してる。
もしかして、村雨くんを意識してるんじゃ?
……それだとウチ、完全敗北なんですけど?
こほんっ、まぁいいや。今はそこじゃない。
「アマミーは自慢してる!
『俺には、こんないい友達がいるんだぜー?』って、マウント取ってる」
言葉を聞いて、アマミーの表情が曇った。
多分怒ってる。なんか、ウチに怒ってる。
意外。この状況でも、反抗する意思があるんだ。
「なに? なんか言いたいの?」
「……自分の友達を蔑んで、被害妄想してるだけだろ?」
「は? 何言ってんの?」
意味わかんない。
ウチの経験が被害妄想?
アイツらを庇うってこと?
……やっぱり、アマミーはダメな子だね。
グッとアマミーに体重を預ける。
お腹の辺りに、硬いのが当たった。
……やっぱりゲイじゃん。まぁ、どーでもいいか、こんなヤツ。
「アマミーってさー、自分の世界が全部正しいと思ってない?
そうじゃないから。ウチみたいに、友達に恵まれない子もいるから」
「……それはお互い様だろ?」
「なに? 屁理屈?
今はアマミーの話してんだけど?」
ムカつく。自分のこと棚に上げて、涼しい顔して。
ウチが動くたび、お腹の硬いヤツがビクビクしてるくせに。
「屁理屈じゃなくて、みんなそうなんだって。
みんな自分の世界が正しくて、それが当たり前になってんの」
アマミーは話し続ける。
「この際、それが良いとか、悪いとかはどーでもいい。
俺が言いたいのはそこじゃなくて、『被害妄想』の部分。
なんか、そこがお前の悪い所だなって思ったから」
やっぱり、ウチを否定する。
腹いせにグリッ、グリッと硬いヤツをお腹で撫で回す。
アマミーの発言が止まって、顔が真っ赤になる。
「否定するのは簡単だよねー?
だって、『ダメ』とか『悪い』とか、理由がなくても言えちゃうもんね?
でもさぁ、それじゃあ私、なーんも分かんないよ?
ほら、何がダメなのか、自分の口で言ってみろっ!この変態っ!」
「……っ、だからぁ。
自分で勝手に思ってるだけだろって。俺はそう思うわけっ、ぐっ……。
お前どーせ、『友達からイジメられた』とか、一丁前に考えてんだろ?」
突如、ウチの天地が逆転する。
ぐるん、とさっ。
アマミーが上、ウチが下。
生意気なヤツ、弱いくせに。こんなの、こんなの一瞬で……。
あれっ? 動かない?
さっきとは真逆の状態になった。
「いいか海野、お前は友達に恵まれてなかったわけじゃない。
お前が勝手に悪いように解釈してただけだ。
お前を嫌いな奴は、お前の気になる所なんて指摘してくれないぞ?」
声が低い。男子の威圧感。
ずっしりと、ウチの腹の奥に響く。
あまみーの声とプレッシャーに、ビンタされてるみたい。
「何でそんなこと言えるわけ?
第一、ウチの昔話なんてしたことないでしょ?」
「あん? さっきたっぷり話してただろ?
クレープ屋の前で、海野葵が。お前自身が」
「なに? どういうこと? ウチは村雨くん。男の子……」
ふと、ベンチでの事を思い出した。
アマミーが顔を近づけて、ウチを見てきて……。
──ウチは、アマミーを、見上げてた。
「その時から……」
「クレープ食い終わったら、目の前に海野がいてビビった。
でもまぁ何となく、そんなこったぁとは思ってたぜ?」
相変わらず、両手首を押さえつけられたまんま。
「でも、じゃあ、何でさっきまでウチが強かった──」
「なんか面白かったから、弱っちいフリしてた」
「……」
「よっしゃ、第二ラウンドな。続けようぜ?」
だから、どうしてこうなったのか分かんない。
友達との関係も、勉強も、恋愛も。
どこかでミスをして。
それが積み重なって。
気づいた時には、ウチじゃあ、どうしようもないくらいになってる。
分からない、分からないよ。
どうして、友達と上手くいかないの?
どうして、授業について行けないの?
どうして、どうしてウチを見てくれないの?
ウチの何がダメだったの?
「葵ってさー、……思ったこと言い過ぎだよねー?」
「うん、分かるわぁ。葵ってたまに変なこと言っちゃうしぃ」
「えっ? そう、かな?」
「うん、ケッコー頻繁に言ってるね」
ズキリ……。それは、ウチが1番気にしてること。
放課後、オレンジ色の教室。ウチらはいつも、4人で話す。
全員仲良しの友達。うん、友達……。
「ウチの悪い癖……。治さなきゃ……」
「あっ、ほらまたぁ!」
「独り言、出ちゃってるねー」
「えっ!? また言ってたの!?」
「アハハッ! 葵の心見え見えじゃん!」
「めちゃオモロ!」
──甲高い笑い声が、教室に響く。
……っ、嫌なこと、思い出しちゃった。
「忘れろ、忘れろ……」
あれはもう、ウチの記憶じゃない。
……それは流石に嘘だけど、あの時のウチと、今のウチは全然違う。
「枝豆と、大豆くらい」
「あの、なんかありました?」
「へっ? あっ……クレープ」
アマミーはもう、クレープを食べ終わっていた。
口の周りにクリームが付いてて、可愛い。
でもウチを見る目は真剣。いや、ウチじゃなくて村雨だね。今は。
「なんでもっ、ない……よ」
「んー?」ジトっとウチを見るアマミー。
「疑われてるから、言い訳。言い訳を考えないと……あっ、またっ」
ダメだ、すぐに出ちゃう。
こうやって意識してないと、ウチはまた嫌われる。
でも……意識してても……。
「葵って最近さー、なんか遠慮しすぎじゃない?」
「あっ! それ私も思ってたぁ!」
オレンジ色の教室。
あの日指摘されてから、1ヶ月くらい経ったと思う。
……今度は、遠慮しすぎって言われた。
「また、ダメ……なの?」
「いやぁ、ダメってゆーか、何というか……」
「葵がそんなだと、私らもちょーしが狂っちゃうわけ」
「えっ? えっ?」
「オブラートに包むとー、葵は遠慮しすぎて怖いのぉ」
「アハハッ! 包めてないし!」
また、甲高い笑い声が教室を蹂躙する。
何が、ダメ?
本物のウチじゃ、ダメ?
偽ってても、ダメ?
そしたら、もう、こう思うしかない。
「……もしかしてウチ、嫌われてるのかな?」
あっ、また言っちゃった。
みんながウチを見てる。あははっ、変な顔。
もう……いいや。
ウチは鞄を持って、走って教室を出た。
廊下も走って、息を切らして下駄箱に着いた。
靴の踵を踏んだまま、校門を抜ける。
冬の乾いた風が、ウチの頬を叩いた。
あれ以来、あの子達とは話さなかった。
中学校にもあまり行かないで、家で沢山勉強した。
お姉ちゃんが勉強を教えてくれた。
必死に努力して、あの子たちのいない学校、難しい学校に受かった。
でも、私は背伸びをしていた。
高校の授業は、ちんぷんかんだった。
「なーんか隠してますよね? て言うか、もう言っちゃいましたしね?」
クレープ屋の前、手頃なベンチ。
アマミーはずいっと顔を近づける。
うちは上目遣いで見つめる。
うー、近いぃぃ。
勘違いさせる距離感じゃん!
このヤリチン!
そうだ!
ウチ今、男の子だった!
「その、まぁ……」
「悩み事ですよね? あの、失敗がうんたらってヤツ」
「うん」コクリ、うなづく。
アマミーは座り直す。
近くにあった顔が離れて、心臓も静かになる。
「聞こえてましたよ。
村雨さんの失敗って、やり直せないらしいじゃないですか」
なーんだ、クレープに夢中になってただけじゃないのか。
「ウチが呟いたこと、……聞いてたんだ」
「はい、聞こえてました。クレープだけじゃないんすよ、男は」
アマミーの自信が怖い。
怖くて怖くて仕方ない。
「アマミーはきっと、理由のある失敗しかしたことないんだ。
ウチみたいに、理不尽に嫌われることなんか無かったんだ。
ウチみたいに、背伸びしなくてもいい人生だったんだ」
天気は曇り、ウチの心と一緒。
湿った風も、蒸し暑さも。全部が不快。
「アマミーはいいなぁ、羨ましいなぁ。
きっと、いい友達が沢山いるんだろうなぁ」
「……まぁ、友達には恵まれてたかもな?」
アマミーの声色が、黒く染まった。
ぜっったいウチを否定してくる。
そしたらどうしよう、ウチ、泣いちゃうかも。
想像するだけで、目尻に涙が溜まっちゃった。
「いや、断言できるな。俺は良い友達が沢山いる」
ほら、始まった。
綺麗事。自分の視界だけで、友達がどうとか言っちゃってる。
「アマミーは幸せ者だね。
きっとこれからも、嫌な友達なんて作らないんだ」
「そうだな。
俺は一生そんなヤツに出会わな──「だからっ! 言い切るなっ!」
痛い、喉が痛い。ジンジンと、余韻が広がる。
大声なんて、久しぶりに出した。
アマミーの口はポカンと、目はまん丸。
「ちょっと来い!」
周りの人の視線が気になって、アマミーの手を取る。
強引に引っ張る。思いの外、アマミーは軽かった。
うちは今男だ。だから、ウチの力に抵抗できていない。
そのままとりあえず、近くのラブホテルまで引っ張った。
入る直前、
「いや、俺たちじゃ誤解されるって……」
とアマミーが抵抗したけど関係ない。
「ウチはゲイじゃないから!」と言って黙らせた。
お金は大丈夫、今日のためにお姉ちゃんからカツアゲした。
乱暴に部屋のドアを開ける。部屋に入ってもイライラは収まらない。
アマミーをベッドに投げた。
そして、上に跨る。
「ちょっ! まずいって!」
アマミーはウチの下で暴れる。
でもここには、絶対的な力格差がある。
がっしり、両手を掴んで……
「うるさい黙れ」と、この一言で大人しくなった。
「いい? よく聞いて?
アマミーの言ってることなんて、運がいい人間の自慢にしかならないよ」
「じまっ、自慢じゃねぇし……」
アマミーの言葉。歯切れが悪い。なーんか妙に緊張してる。
もしかして、村雨くんを意識してるんじゃ?
……それだとウチ、完全敗北なんですけど?
こほんっ、まぁいいや。今はそこじゃない。
「アマミーは自慢してる!
『俺には、こんないい友達がいるんだぜー?』って、マウント取ってる」
言葉を聞いて、アマミーの表情が曇った。
多分怒ってる。なんか、ウチに怒ってる。
意外。この状況でも、反抗する意思があるんだ。
「なに? なんか言いたいの?」
「……自分の友達を蔑んで、被害妄想してるだけだろ?」
「は? 何言ってんの?」
意味わかんない。
ウチの経験が被害妄想?
アイツらを庇うってこと?
……やっぱり、アマミーはダメな子だね。
グッとアマミーに体重を預ける。
お腹の辺りに、硬いのが当たった。
……やっぱりゲイじゃん。まぁ、どーでもいいか、こんなヤツ。
「アマミーってさー、自分の世界が全部正しいと思ってない?
そうじゃないから。ウチみたいに、友達に恵まれない子もいるから」
「……それはお互い様だろ?」
「なに? 屁理屈?
今はアマミーの話してんだけど?」
ムカつく。自分のこと棚に上げて、涼しい顔して。
ウチが動くたび、お腹の硬いヤツがビクビクしてるくせに。
「屁理屈じゃなくて、みんなそうなんだって。
みんな自分の世界が正しくて、それが当たり前になってんの」
アマミーは話し続ける。
「この際、それが良いとか、悪いとかはどーでもいい。
俺が言いたいのはそこじゃなくて、『被害妄想』の部分。
なんか、そこがお前の悪い所だなって思ったから」
やっぱり、ウチを否定する。
腹いせにグリッ、グリッと硬いヤツをお腹で撫で回す。
アマミーの発言が止まって、顔が真っ赤になる。
「否定するのは簡単だよねー?
だって、『ダメ』とか『悪い』とか、理由がなくても言えちゃうもんね?
でもさぁ、それじゃあ私、なーんも分かんないよ?
ほら、何がダメなのか、自分の口で言ってみろっ!この変態っ!」
「……っ、だからぁ。
自分で勝手に思ってるだけだろって。俺はそう思うわけっ、ぐっ……。
お前どーせ、『友達からイジメられた』とか、一丁前に考えてんだろ?」
突如、ウチの天地が逆転する。
ぐるん、とさっ。
アマミーが上、ウチが下。
生意気なヤツ、弱いくせに。こんなの、こんなの一瞬で……。
あれっ? 動かない?
さっきとは真逆の状態になった。
「いいか海野、お前は友達に恵まれてなかったわけじゃない。
お前が勝手に悪いように解釈してただけだ。
お前を嫌いな奴は、お前の気になる所なんて指摘してくれないぞ?」
声が低い。男子の威圧感。
ずっしりと、ウチの腹の奥に響く。
あまみーの声とプレッシャーに、ビンタされてるみたい。
「何でそんなこと言えるわけ?
第一、ウチの昔話なんてしたことないでしょ?」
「あん? さっきたっぷり話してただろ?
クレープ屋の前で、海野葵が。お前自身が」
「なに? どういうこと? ウチは村雨くん。男の子……」
ふと、ベンチでの事を思い出した。
アマミーが顔を近づけて、ウチを見てきて……。
──ウチは、アマミーを、見上げてた。
「その時から……」
「クレープ食い終わったら、目の前に海野がいてビビった。
でもまぁ何となく、そんなこったぁとは思ってたぜ?」
相変わらず、両手首を押さえつけられたまんま。
「でも、じゃあ、何でさっきまでウチが強かった──」
「なんか面白かったから、弱っちいフリしてた」
「……」
「よっしゃ、第二ラウンドな。続けようぜ?」
0
あなたにおすすめの小説
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる