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センチメンタル・ジャーニー
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さて
俺の身体を綺麗にされている間
俺は『魂』になっちゃったわけだが
案内人から聴いていないことを
この際だからちょっと試してみようと思う。
分かってる事は
まず鏡には映らない。
これはアパートで体験済み。
火の玉とか 白い物体とかになるかと思ったが、見事に何も映らなかった。
存在自体がこの世にない。
あるとしたら残留思念と言うか、そんなものぐらいなのかな。
次に
人や物は通り抜けてしまう。
これもギターや嫁で実証済み。
身体が実在しないんだから、当たり前と言えば当たり前だが。
せめて気配ぐらいあってもいいのに。
これって、相手に霊感が無いと気がついてもらえないものなのか?
って事は、うちの嫁には霊感が無い…と。
そう言えば、湯灌(ゆかん)の時に
妹が…何となく気がついていたな…?
アイツ 霊感あるのか?
一番やってみたかったのが
『遺体から離脱して、一体どこまで行けるのか』
戻れなくなったらと思って敬遠してたけど、案内人は
『魂はいつでも自由に『ご遺体』に行き来する事が可能。『誰かに会いたい』とか『思い出の場所に行きたい』とか。安心してあの世に行けるように期間限定で『魂抜け』が許可されている』…と言っていた。
距離がどうとか 何処には行けないとか特に何も言わなかった。
って事は行けるんじゃね?
となると!
行きたい場所はただ一つ!
新婚旅行で行った『沖縄』!
あそこにもう一度行きたい!
あの後
沖縄音楽に魅せられて
三線(さんしん)を習いに何度も行った。
青い空
青い海
穏やかに流れる時間…
…行ってみるか?
もうどうせ死んじゃったんだから
ダメで元々!
今更怖いものはない!
(多分)
どうやったらいいんだ?
念じる?
ムムム…
グッと眼を閉じて頭の中で念じる‼︎
「俺を…沖縄に行かせてくれ!」
ザザザザザーン!
ザザザザザーン!
ザザーン!
…ありゃ?波の音?
薄っすら眼を開けてみる。
海だ。
見渡す限りの青いビーチ!
青い空!
アロハのカップル!
見覚えのあるホテル!
お…沖縄だぁあああああ‼︎
うおぉおおおおおおおおおおおお‼︎
すっげーーーーーー‼︎
な~んだ!
行けるじゃ~ん♪
もっと早く思いつけばよかったぁ!
気持ちいい~!
最高~‼︎
やっぱり沖縄はいいなぁ!
「なぁ叶和子(かなこ)!」
俺は思わず振り向いて
現実を思い知る。
…ああ…そうか…
今の俺は
どんな場所に来ても
ただ1人。
孤独なんだ…。
この景色 覚えておこう。
いつでも
何処でも
思い出せるように。
俺はしばらく、
本当にしばらく
波の音と 青い景色を眺め続けた。
…よし!
さぁ帰ろう!
俺の家
俺の身体
俺の家族のいる場所へ!
俺は目を閉じて一生懸命念じた。
《俺の身体に戻りたい!》
ザザーン…
…あれ?
薄っすら片目を開けてみる。
同じ場所?
念じ方が悪かったか?
もう一回念じてみる。
《戻りたい!戻れ!》
ザザザーン!
ザザーン…
えっと…
《戻れ!戻れ!戻れ~‼︎》
ザザザザザーン!
ザザーン!
…も…戻れないんだけど~(汗)⁉︎
一体どう言う事だ⁉︎
戻れないじゃん?
なんで?どう~して?
やり方同じだよな?
戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ‼︎
ハァハァハァハァ…
どう言うことだ…
頭パニック…(滝汗)
なぜ戻れないんだ
なぜなんだぁあああああああ⁉︎
俺の身体を綺麗にされている間
俺は『魂』になっちゃったわけだが
案内人から聴いていないことを
この際だからちょっと試してみようと思う。
分かってる事は
まず鏡には映らない。
これはアパートで体験済み。
火の玉とか 白い物体とかになるかと思ったが、見事に何も映らなかった。
存在自体がこの世にない。
あるとしたら残留思念と言うか、そんなものぐらいなのかな。
次に
人や物は通り抜けてしまう。
これもギターや嫁で実証済み。
身体が実在しないんだから、当たり前と言えば当たり前だが。
せめて気配ぐらいあってもいいのに。
これって、相手に霊感が無いと気がついてもらえないものなのか?
って事は、うちの嫁には霊感が無い…と。
そう言えば、湯灌(ゆかん)の時に
妹が…何となく気がついていたな…?
アイツ 霊感あるのか?
一番やってみたかったのが
『遺体から離脱して、一体どこまで行けるのか』
戻れなくなったらと思って敬遠してたけど、案内人は
『魂はいつでも自由に『ご遺体』に行き来する事が可能。『誰かに会いたい』とか『思い出の場所に行きたい』とか。安心してあの世に行けるように期間限定で『魂抜け』が許可されている』…と言っていた。
距離がどうとか 何処には行けないとか特に何も言わなかった。
って事は行けるんじゃね?
となると!
行きたい場所はただ一つ!
新婚旅行で行った『沖縄』!
あそこにもう一度行きたい!
あの後
沖縄音楽に魅せられて
三線(さんしん)を習いに何度も行った。
青い空
青い海
穏やかに流れる時間…
…行ってみるか?
もうどうせ死んじゃったんだから
ダメで元々!
今更怖いものはない!
(多分)
どうやったらいいんだ?
念じる?
ムムム…
グッと眼を閉じて頭の中で念じる‼︎
「俺を…沖縄に行かせてくれ!」
ザザザザザーン!
ザザザザザーン!
ザザーン!
…ありゃ?波の音?
薄っすら眼を開けてみる。
海だ。
見渡す限りの青いビーチ!
青い空!
アロハのカップル!
見覚えのあるホテル!
お…沖縄だぁあああああ‼︎
うおぉおおおおおおおおおおおお‼︎
すっげーーーーーー‼︎
な~んだ!
行けるじゃ~ん♪
もっと早く思いつけばよかったぁ!
気持ちいい~!
最高~‼︎
やっぱり沖縄はいいなぁ!
「なぁ叶和子(かなこ)!」
俺は思わず振り向いて
現実を思い知る。
…ああ…そうか…
今の俺は
どんな場所に来ても
ただ1人。
孤独なんだ…。
この景色 覚えておこう。
いつでも
何処でも
思い出せるように。
俺はしばらく、
本当にしばらく
波の音と 青い景色を眺め続けた。
…よし!
さぁ帰ろう!
俺の家
俺の身体
俺の家族のいる場所へ!
俺は目を閉じて一生懸命念じた。
《俺の身体に戻りたい!》
ザザーン…
…あれ?
薄っすら片目を開けてみる。
同じ場所?
念じ方が悪かったか?
もう一回念じてみる。
《戻りたい!戻れ!》
ザザザーン!
ザザーン…
えっと…
《戻れ!戻れ!戻れ~‼︎》
ザザザザザーン!
ザザーン!
…も…戻れないんだけど~(汗)⁉︎
一体どう言う事だ⁉︎
戻れないじゃん?
なんで?どう~して?
やり方同じだよな?
戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ‼︎
ハァハァハァハァ…
どう言うことだ…
頭パニック…(滝汗)
なぜ戻れないんだ
なぜなんだぁあああああああ⁉︎
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