19 / 42
ようこそ転生コースへ
しおりを挟む
「よくお休みのようでしたね」
「GO ENN…ご…ご縁⁉︎」
「はい、そうです。覚えて下さっていたんですね。順番が来たのでお呼びしたのですが…なかなかいらっしゃらなかったので、勝手にお運びいたしました」
俺は驚きのあまり言葉が出ない。
机の上をみると
デスクNo.2828
「なんだこの番号⁉︎ここまでどうやって来いって⁉︎」
俺のいた席を見るが
み…見えねぇ~⁉︎
「那智様、お忘れですか?あなたは魂なのですから、そこへ行こうと念じるだけで、すぐ移動できるんですよ」
あ、そうか。
俺は魂だった。
すっかり忘れてた。
「だけど、こんなクソ長い番号覚えられるわけがない。赤ん坊は迎えに来てもらってたぞ?」
今思えば大人気ない発言。
「大丈夫。覚えておられますよ。試しに番号言ってみてください」
男はニコリと笑顔。
「464940604194006004111199999なんて覚えられる訳ないだろ…覚えてるな?」
なんで?
俺はもしかしてお利口さんだったのか?
ご縁の野郎、クスっと笑いやがった。
でもそれがまたカッコいい。
これからは『ご縁』と呼ぶことにしよう。
「魂の中にインプットされているんですよ。那智様は素直で楽しい方ですね。これからが楽しみです」
なんだよ。
褒められると照れるじゃないか。
そこで俺はふと思いついた。
ピンク色の椅子に腰掛け直し、ご縁のヤツにそっと耳打ちをした。
「なぁ、さっき赤ん坊連れてったあの金髪美女さんは?」
どうせなら美女がいい。
俺は少し期待をしていた。
「ああ、未満児対応のスタッフのことですね?那智様は私が担当ですよ。初めに名刺をお渡しいたしましたが?」
名刺?
どこやったっけ?
俺は服のポケットを漁った。
あ、あった!
【転生コース】専門員
担当者氏名 GO ENN
【担当者氏名】…
ちゃんと書いてあるわぁ…
それでも一応聞いてみる。
「担当者氏名って、俺の担当が…」
「はい。私です」
あーそーですかぁー(棒読み)
あっちがよかったなぁ~(泣)
俺はとっても残念。
「さて、パンフレットの方はお読みになられましたか?」
「え?あ、まぁ…少々…」
あの量 読めるわけがね~んですけど。
「『転生』について大事な事が書かれていますので ちゃんと読んでくださいね。特に注意事項は大事ですよ。それでは、これからのことを詳しく詰めていきましょうか」
ご縁は太いピンクのファイルを取り出した。
見ていると、手を触れていないのにページが捲られていくじゃないか?
中程でページが止まった。
「何に生まれ変わりたいか…ですが」
来た!
キタキタキタ!
早速来たよ。
「もうお決まりですか?」
「いや 全く。人間がいいなと思ったけど…まだよく分からなくて」
これは本当のことだ。
「パンフレットにもあったように、多種の選択ができます。難しい事は相談にのりますので遠慮なく仰ってください。今すぐ決定しなくても構いません。期限は今日から3日間。その間に候補を3種類まで絞ってください。最終日にその中から一つを選びます」
ほっ。
安心した。
え?
3日間?
「3日の間 俺はどこでどうしたらいい?」
「それを今から説明しますね。眼を閉じてください」
「え?こうか?」
ちょっと胡散臭く感じたが、とりあえず言う通りに眼を閉じた。
ほんの数秒後
「では開けてください」
ご縁が優しい声で指示する。
俺はそっと眼を開けた。
「は?ここはどこだ?」
さっきいた場所と全く違う空間。
普通のドアが何個もズラーっと並んでいる。
「ここは転生後の擬似体験が出来るようになっています。本当に転生する訳ではありませんのでご安心ください。生まれ変わりたいものを頭に思い浮かべながら、このドアを開けて入ると その雰囲気を知る事ができます。選ぶのに非常に有効かと」
なるほど。
それなら選びやすいかも。
「3日間はあっという間に過ぎていきます。その間出入りは何度でも可能です。出る時は『終わり』と念じてください。ドアの外に出られます。那智様はこの2828号室をご使用ください。困った時は私の名前を呼んでくだされば参ります」
その話をしている間にも、他の部屋で人が出入りしている。
嬉しそうな人もいればスッゲー落ち込んでる人もいる。
中はどんな風なんだろう?
「ご質問はありますか?」
ご縁が覗き込んで来る。
いちいちドキドキするじゃないか(汗)
「ない!とりあえずやってみる」
「それでは行ってらっしゃいませ」
ご縁は笑顔で会釈し どこかへ消えて行った。
よ~し!
こうなったらなんでも来い‼︎
思いっきり体験してやろうじゃないか!
「GO ENN…ご…ご縁⁉︎」
「はい、そうです。覚えて下さっていたんですね。順番が来たのでお呼びしたのですが…なかなかいらっしゃらなかったので、勝手にお運びいたしました」
俺は驚きのあまり言葉が出ない。
机の上をみると
デスクNo.2828
「なんだこの番号⁉︎ここまでどうやって来いって⁉︎」
俺のいた席を見るが
み…見えねぇ~⁉︎
「那智様、お忘れですか?あなたは魂なのですから、そこへ行こうと念じるだけで、すぐ移動できるんですよ」
あ、そうか。
俺は魂だった。
すっかり忘れてた。
「だけど、こんなクソ長い番号覚えられるわけがない。赤ん坊は迎えに来てもらってたぞ?」
今思えば大人気ない発言。
「大丈夫。覚えておられますよ。試しに番号言ってみてください」
男はニコリと笑顔。
「464940604194006004111199999なんて覚えられる訳ないだろ…覚えてるな?」
なんで?
俺はもしかしてお利口さんだったのか?
ご縁の野郎、クスっと笑いやがった。
でもそれがまたカッコいい。
これからは『ご縁』と呼ぶことにしよう。
「魂の中にインプットされているんですよ。那智様は素直で楽しい方ですね。これからが楽しみです」
なんだよ。
褒められると照れるじゃないか。
そこで俺はふと思いついた。
ピンク色の椅子に腰掛け直し、ご縁のヤツにそっと耳打ちをした。
「なぁ、さっき赤ん坊連れてったあの金髪美女さんは?」
どうせなら美女がいい。
俺は少し期待をしていた。
「ああ、未満児対応のスタッフのことですね?那智様は私が担当ですよ。初めに名刺をお渡しいたしましたが?」
名刺?
どこやったっけ?
俺は服のポケットを漁った。
あ、あった!
【転生コース】専門員
担当者氏名 GO ENN
【担当者氏名】…
ちゃんと書いてあるわぁ…
それでも一応聞いてみる。
「担当者氏名って、俺の担当が…」
「はい。私です」
あーそーですかぁー(棒読み)
あっちがよかったなぁ~(泣)
俺はとっても残念。
「さて、パンフレットの方はお読みになられましたか?」
「え?あ、まぁ…少々…」
あの量 読めるわけがね~んですけど。
「『転生』について大事な事が書かれていますので ちゃんと読んでくださいね。特に注意事項は大事ですよ。それでは、これからのことを詳しく詰めていきましょうか」
ご縁は太いピンクのファイルを取り出した。
見ていると、手を触れていないのにページが捲られていくじゃないか?
中程でページが止まった。
「何に生まれ変わりたいか…ですが」
来た!
キタキタキタ!
早速来たよ。
「もうお決まりですか?」
「いや 全く。人間がいいなと思ったけど…まだよく分からなくて」
これは本当のことだ。
「パンフレットにもあったように、多種の選択ができます。難しい事は相談にのりますので遠慮なく仰ってください。今すぐ決定しなくても構いません。期限は今日から3日間。その間に候補を3種類まで絞ってください。最終日にその中から一つを選びます」
ほっ。
安心した。
え?
3日間?
「3日の間 俺はどこでどうしたらいい?」
「それを今から説明しますね。眼を閉じてください」
「え?こうか?」
ちょっと胡散臭く感じたが、とりあえず言う通りに眼を閉じた。
ほんの数秒後
「では開けてください」
ご縁が優しい声で指示する。
俺はそっと眼を開けた。
「は?ここはどこだ?」
さっきいた場所と全く違う空間。
普通のドアが何個もズラーっと並んでいる。
「ここは転生後の擬似体験が出来るようになっています。本当に転生する訳ではありませんのでご安心ください。生まれ変わりたいものを頭に思い浮かべながら、このドアを開けて入ると その雰囲気を知る事ができます。選ぶのに非常に有効かと」
なるほど。
それなら選びやすいかも。
「3日間はあっという間に過ぎていきます。その間出入りは何度でも可能です。出る時は『終わり』と念じてください。ドアの外に出られます。那智様はこの2828号室をご使用ください。困った時は私の名前を呼んでくだされば参ります」
その話をしている間にも、他の部屋で人が出入りしている。
嬉しそうな人もいればスッゲー落ち込んでる人もいる。
中はどんな風なんだろう?
「ご質問はありますか?」
ご縁が覗き込んで来る。
いちいちドキドキするじゃないか(汗)
「ない!とりあえずやってみる」
「それでは行ってらっしゃいませ」
ご縁は笑顔で会釈し どこかへ消えて行った。
よ~し!
こうなったらなんでも来い‼︎
思いっきり体験してやろうじゃないか!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる