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家猫になるために!
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俺は朝になると実家の庭のテーブルに乗って、昼間はそこら辺で過ごす。
ご飯やおやつを貰って、遊んでもらい、夜になると倉庫に戻る。
それが俺の日課になった。
ある日、俺のご飯の匂いを嗅ぎつけて、どこからか野良猫がやって来た。
(俺も野良猫だけど)
こいつ見たことがない。
どこから来やがった?
グレーのしま猫!
俺の縄張りに来るんじゃね~‼︎
「ギャーーーーー!」
「ナーーーーーオッ!」
俺たちは揉み合いになって喧嘩した。
負けるもんか‼︎
俺は相手に噛みついて、相手も俺を引っ掻いた。
その騒動に気がついた母親が、
「コリャ~‼︎どこの猫だ‼︎」と大声を出して、ホウキで追っ払ってくれた。
やれやれ。
ちょっと血が出てしまった。
「お前が早くご飯食べんからだ!」
…俺まで叱られた。
気温が下がって来て、日が暮れるのも早くなり、夜はすごく寒くなった。
それでも俺は庭のテーブルの上で過ごした。
毛皮を着ているとは言え、やっぱり寒い。
俺はまぁるくなってジッとしていた。
すると可哀想に思ったのか、母親がテーブルの上に籠を載せて、毛布まで入れてくれた。
俺は早速座ってみた。
あったかぁ~い!
俺はぬくぬくしながら過ごす事ができた。
翌々日にはかまくらのような形の『猫千蔵』まで用意された。
わざわざ買ってきてくれたようだ。
中に入ると風を通さないから暖かい。
だけどみんなが見えなくなるからちょっと嫌いだ。
そんな時、ふと気がつくと、テーブルが少しサッシに近い。
こんなに近かったっけ?
次の日はもっと、その次の日はもっともっと近くなっていて、俺が入れるぐらいにサッシが開けてあった。
母親はその近くで横になって、俺に入ってこいと誘ってくる。
入ってもいいのかな…。
俺はしばし考えた。
メリットとデメリット。
でも目標は家猫!
いつまでも手をこまねいている場合じゃない。
…思い切って家に入ってみようか?
ダッと入って、ダダダッと出ればいいんだ!
頭でイメージしながらチャレンジしてみることにした!
行くぞ‼︎
ダッ‼︎
俺はテーブルからジャンプして、居間の中に着地成功!
でも母親が捕まえようとしたので、慌ててダダダッと外に出た。
ハァハァハァ…。
やれば出来るじゃんか。
ってか、出る必要なくね?
家の方がずっとあったかいのに。
俺ってバカ?
でも俺は汚れてる。
そこだよそこ‼︎
その数日後。
俺はまた家の中に入ろうと思った。
この間のように、ダッと入ってダダダッと出る!
よし!
これを繰り返していれば、そのうち自由に出入り出来るんじゃないか?
俺は思い切って居間に入った!
よし!成功‼︎
だが戻ろうとした瞬間、サッシがいきなり閉められた!
え⁉︎ 出れない⁉︎
「シャーーーーーーーッ‼︎」
俺は威嚇しながら後退り。
壁にドンッとお尻が当たった。
そこには妹が居て、頭から一気にネットを被されて、あっという間に体も突っ込まれてしまった!
「ニャニャ⁉︎ニャンだ⁉︎」
さらにそのままバスケットの中に入れられてロックまで!
「さぁこのまま病院行くぞ!」
妹が大きな声を出している。
病院⁉︎
誰が?
まさか‼︎
この俺⁈
俺は車に乗せられて、動物病院へ連れて行かれた。
車中の話を聞いていると、どうやら俺が家に入る入らないで躊躇している間に、妹たちは俺を捕まえて、病院で検査してもらおうと考えていたようだ。
「ニャンだ。そうならそうと教えてくれたらこんな苦労は…トホホ」
俺は籠の鳥ならぬ籠の猫。
そのまま診察室にイン‼︎
ほほぉ~?
ここが動物病院?
初めて来た。
俺はネットのまま、獣医さんにあちこち構われた。
「お利口さんだね~?」
獣医が感心している。
あったりまえよ!
俺はただの猫じゃないんだ。
耳の中、この間 野良猫と喧嘩した傷、背中、お腹など、あちこち診察された。
いきなり尻尾を掴まれたと思ったら、
『ブスッ』
「ンギャ⁉︎」
お尻の穴に体温計をぶち込まれた(泣)
「熱もないし、傷も大したことないですね。あとはお腹の中に虫がいる事があるので、そちらも検査しておきましょう!ちょっとごめんね」
先生はまた尻尾を掴んでお尻の穴に…
『ブスブスッ!』
「ンギャーーーーーーッ⁉︎」
便の検査だと言って、綿棒ぶち込まれた…(大泣き)
続けてノミダニ駆除だと薬を飲まされ、さらに体にも薬をつけられた。
「本当に野良猫にしてはお利口さんだ。大人しいね」
そりゃ先生。俺、出来た猫だから…トホホ…。
「検査の結果、やっぱりお腹に虫がいるので駆虫剤飲ませましょう。猫エイズはありませんでした」
猫エイズ⁉︎恐ろしい事言ってくれるぜ。
「グエッ!」
俺の口を無理矢理開けて、また薬を飲まされた。
こうして俺の一連の検査は終了。
人間の健診なみに思いっきり疲れた。
俺はネットからは出されたが、帰りもバスケットの中に閉じ込められて車に乗せられた。
妹が横にいて、病院でのことを 面白おかしく話すから、ちょっと黙らせてやろうと思って、バスケットの隙間から手を伸ばして引っ掻いてやった。
「ギャーーーーー!痛い!」
ヒヒヒヒ!
ザマァミロにゃ。
そんなことをしているうちに、車は実家に到着した。
ご飯やおやつを貰って、遊んでもらい、夜になると倉庫に戻る。
それが俺の日課になった。
ある日、俺のご飯の匂いを嗅ぎつけて、どこからか野良猫がやって来た。
(俺も野良猫だけど)
こいつ見たことがない。
どこから来やがった?
グレーのしま猫!
俺の縄張りに来るんじゃね~‼︎
「ギャーーーーー!」
「ナーーーーーオッ!」
俺たちは揉み合いになって喧嘩した。
負けるもんか‼︎
俺は相手に噛みついて、相手も俺を引っ掻いた。
その騒動に気がついた母親が、
「コリャ~‼︎どこの猫だ‼︎」と大声を出して、ホウキで追っ払ってくれた。
やれやれ。
ちょっと血が出てしまった。
「お前が早くご飯食べんからだ!」
…俺まで叱られた。
気温が下がって来て、日が暮れるのも早くなり、夜はすごく寒くなった。
それでも俺は庭のテーブルの上で過ごした。
毛皮を着ているとは言え、やっぱり寒い。
俺はまぁるくなってジッとしていた。
すると可哀想に思ったのか、母親がテーブルの上に籠を載せて、毛布まで入れてくれた。
俺は早速座ってみた。
あったかぁ~い!
俺はぬくぬくしながら過ごす事ができた。
翌々日にはかまくらのような形の『猫千蔵』まで用意された。
わざわざ買ってきてくれたようだ。
中に入ると風を通さないから暖かい。
だけどみんなが見えなくなるからちょっと嫌いだ。
そんな時、ふと気がつくと、テーブルが少しサッシに近い。
こんなに近かったっけ?
次の日はもっと、その次の日はもっともっと近くなっていて、俺が入れるぐらいにサッシが開けてあった。
母親はその近くで横になって、俺に入ってこいと誘ってくる。
入ってもいいのかな…。
俺はしばし考えた。
メリットとデメリット。
でも目標は家猫!
いつまでも手をこまねいている場合じゃない。
…思い切って家に入ってみようか?
ダッと入って、ダダダッと出ればいいんだ!
頭でイメージしながらチャレンジしてみることにした!
行くぞ‼︎
ダッ‼︎
俺はテーブルからジャンプして、居間の中に着地成功!
でも母親が捕まえようとしたので、慌ててダダダッと外に出た。
ハァハァハァ…。
やれば出来るじゃんか。
ってか、出る必要なくね?
家の方がずっとあったかいのに。
俺ってバカ?
でも俺は汚れてる。
そこだよそこ‼︎
その数日後。
俺はまた家の中に入ろうと思った。
この間のように、ダッと入ってダダダッと出る!
よし!
これを繰り返していれば、そのうち自由に出入り出来るんじゃないか?
俺は思い切って居間に入った!
よし!成功‼︎
だが戻ろうとした瞬間、サッシがいきなり閉められた!
え⁉︎ 出れない⁉︎
「シャーーーーーーーッ‼︎」
俺は威嚇しながら後退り。
壁にドンッとお尻が当たった。
そこには妹が居て、頭から一気にネットを被されて、あっという間に体も突っ込まれてしまった!
「ニャニャ⁉︎ニャンだ⁉︎」
さらにそのままバスケットの中に入れられてロックまで!
「さぁこのまま病院行くぞ!」
妹が大きな声を出している。
病院⁉︎
誰が?
まさか‼︎
この俺⁈
俺は車に乗せられて、動物病院へ連れて行かれた。
車中の話を聞いていると、どうやら俺が家に入る入らないで躊躇している間に、妹たちは俺を捕まえて、病院で検査してもらおうと考えていたようだ。
「ニャンだ。そうならそうと教えてくれたらこんな苦労は…トホホ」
俺は籠の鳥ならぬ籠の猫。
そのまま診察室にイン‼︎
ほほぉ~?
ここが動物病院?
初めて来た。
俺はネットのまま、獣医さんにあちこち構われた。
「お利口さんだね~?」
獣医が感心している。
あったりまえよ!
俺はただの猫じゃないんだ。
耳の中、この間 野良猫と喧嘩した傷、背中、お腹など、あちこち診察された。
いきなり尻尾を掴まれたと思ったら、
『ブスッ』
「ンギャ⁉︎」
お尻の穴に体温計をぶち込まれた(泣)
「熱もないし、傷も大したことないですね。あとはお腹の中に虫がいる事があるので、そちらも検査しておきましょう!ちょっとごめんね」
先生はまた尻尾を掴んでお尻の穴に…
『ブスブスッ!』
「ンギャーーーーーーッ⁉︎」
便の検査だと言って、綿棒ぶち込まれた…(大泣き)
続けてノミダニ駆除だと薬を飲まされ、さらに体にも薬をつけられた。
「本当に野良猫にしてはお利口さんだ。大人しいね」
そりゃ先生。俺、出来た猫だから…トホホ…。
「検査の結果、やっぱりお腹に虫がいるので駆虫剤飲ませましょう。猫エイズはありませんでした」
猫エイズ⁉︎恐ろしい事言ってくれるぜ。
「グエッ!」
俺の口を無理矢理開けて、また薬を飲まされた。
こうして俺の一連の検査は終了。
人間の健診なみに思いっきり疲れた。
俺はネットからは出されたが、帰りもバスケットの中に閉じ込められて車に乗せられた。
妹が横にいて、病院でのことを 面白おかしく話すから、ちょっと黙らせてやろうと思って、バスケットの隙間から手を伸ばして引っ掻いてやった。
「ギャーーーーー!痛い!」
ヒヒヒヒ!
ザマァミロにゃ。
そんなことをしているうちに、車は実家に到着した。
応援ありがとうございます!
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