追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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一次試験終了

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「それじゃぁ、みんなこのゴーレムに乗り込みなよぉ。自分の手作りだから品質は安心してもらっていいよぉ。沈んだりしないからさぁ」

 レームの乗っていた船から舷梯のような物がスルスルと伸び港と船の間に道が出来た。いや、やはりレームが乗っていたのは船ではなかった。近くに来た今だからルカ達にもはっきりと分かる。それは、クジラ程もある巨大なカエルだった。無論こんな大きなカエルはいない。いるとしたら魔物モンスターだが…そうでもなかった。レームが乗っているのは、彼女の言葉通りゴーレムだった。

(こんな巨大なゴーレムを…!)

 巨大なだけでなく、搭乗者を乗せて水上を進むという繊細な昨日まで備えられている。生半可な技術で出来る事ではない。形成魔術の奥伝レベル5か、秘伝レベル6を取得していなければ不可能だろう。

 無論、Gランク冒険者であるレームがただ者ではない事は承知していたが…それでも、目の前でこれ程巨大なゴーレムを扱う様を見せつけられるとその事実を改めて思い知らされる。

 しかし驚いてばかりもいられない。ルカ達約30人の冒険者はレームの操るゴーレムの背に乗り込んだ。

「やあ、君たちなら合格するって信じてたよぉ」

 ルカ達が乗り込むと軽く手を上げて挨拶してきたレームだったが、それ以上の言葉はかけて来なかった。レームはルカ達の推薦者であると同時にこの試験の運営にも関わっている。自分の推薦したルカ達だけを贔屓する訳にはいかないのだろう。

「さて、それじゃぁ…改めて、みんな合格おめでとぅ」

 そんなレームの言葉と共に、Sランク冒険者第一次試験は幕を閉じた。

 Sランク冒険者一次試験合格者――ルカ・ハークレイ、アレクシア・ツヴァイク、来島安鶴沙、シルヴィ・ローズ、フーベルト・ムニエ、ミーサ・ラン。リーシャ・ラン、マリエナ・ビーリィ…他十数名。
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