追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

二次試験5

「あの時は、ジョゼフさんに助けられましたね…」

　ラナキア洞窟攻略の思い出を口にするルカ。彼は今いったいどこで何をしているのだろうか。

「ああ、ジョゼフ殿には随分と助けてもらった。でも、今の私たちには彼に勝るとも劣らない仲間がいる」

「そうですね」

　ルカは振り向いた。同時にアレクシアも安鶴沙を見る。

「え…わ、わたし、ですか…？」

　きょとん、とした顔になる安鶴沙。

「わたしなんて何のお役にも立てないですけど…」

「そんな事ないですよ。アヅサさんの特訓のおかげで僕はティネンのトーナメントを勝ち抜けたんです」

「それに、一次試験も見事切り抜けたしね。…アヅサはもう立派な冒険者だよ」

　微笑むアレクシア。

「そ、そんな…！一次試験を突破できたのはシルヴィさんのおかげですし…」

「そうやって誰かが手を貸したくなるというのも、アヅサの魅力さ」

　そんな会話を続けながら洞窟を進むルカ達。すると、

「…分かれ道、ですね」

　ルカの視線の先――そこでは、今まで一本道だった洞窟が前方で三つに分かれていた。