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二次試験40
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(速すぎる…!)
ロストアルフェが男からゴーレムの牙を受け取ってから、おそらく7、8分程度しか経過していない。つまり、ロストアルフェが動き出してからまだ2、3分程度。僅かそれだけの時間でルカ達に追いついてきたという事になる。
(いくら実力差があっても、そんな速度で追いつくなんて…ひょっとして、全身を纏う雷に秘密が…?)
だが、今はそんな事に気を取られている余裕はなかった。
「ルカ君、飛ぶぞ…!」
アレクシアが叫ぶ。そして、ルカはそれに無言で応じ崖を跳んだ。その高さは5、6m程度。二階建ての家の屋根から飛び降りるのと同程度の高さだが、武術の心得があれば問題はない。ルカに続き、アレクシアもまた崖下の地底湖跡に飛ぶ。
「アレクシアさん、怪我は!?」
「大丈夫だ。君の方は…?」
「僕の方も大丈夫です」
二人は岩陰に身を隠しつつ、短いやり取りで互いの安否を確認する。
「ロストアルフェ殿は…すぐには追って来ない、か…?」
様子を伺うアレクシアだが、こちらに近付いてくる気配は感じ取れない。そう安堵した、その時――、
「アレクシアさん!」
ルカが叫ぶ。その声に咄嗟に反応し剣を振り上げ、自身の喉元にまで迫っていたロストアルフェの剣の切先を弾き飛ばした。
「…いい反応ね」
そう言って、アレクシアとルカを交互に観察するロストアルフェ。対するアレクシアの瞳は驚愕に見開かれている。
(私が、全く気配を感じる事が出来なかった…!)
ルカもまた、音もなくアレクシアに迫ったロストアルフェの存在に息を飲む。
少年と女剣士の前に、圧倒的な強者が佇んでいた。
ロストアルフェが男からゴーレムの牙を受け取ってから、おそらく7、8分程度しか経過していない。つまり、ロストアルフェが動き出してからまだ2、3分程度。僅かそれだけの時間でルカ達に追いついてきたという事になる。
(いくら実力差があっても、そんな速度で追いつくなんて…ひょっとして、全身を纏う雷に秘密が…?)
だが、今はそんな事に気を取られている余裕はなかった。
「ルカ君、飛ぶぞ…!」
アレクシアが叫ぶ。そして、ルカはそれに無言で応じ崖を跳んだ。その高さは5、6m程度。二階建ての家の屋根から飛び降りるのと同程度の高さだが、武術の心得があれば問題はない。ルカに続き、アレクシアもまた崖下の地底湖跡に飛ぶ。
「アレクシアさん、怪我は!?」
「大丈夫だ。君の方は…?」
「僕の方も大丈夫です」
二人は岩陰に身を隠しつつ、短いやり取りで互いの安否を確認する。
「ロストアルフェ殿は…すぐには追って来ない、か…?」
様子を伺うアレクシアだが、こちらに近付いてくる気配は感じ取れない。そう安堵した、その時――、
「アレクシアさん!」
ルカが叫ぶ。その声に咄嗟に反応し剣を振り上げ、自身の喉元にまで迫っていたロストアルフェの剣の切先を弾き飛ばした。
「…いい反応ね」
そう言って、アレクシアとルカを交互に観察するロストアルフェ。対するアレクシアの瞳は驚愕に見開かれている。
(私が、全く気配を感じる事が出来なかった…!)
ルカもまた、音もなくアレクシアに迫ったロストアルフェの存在に息を飲む。
少年と女剣士の前に、圧倒的な強者が佇んでいた。
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