追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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一難去って28

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 シュタインベルグ王家。言うまでもなく、大陸の『三大国』がひとつシュタインベルグ王国を統べる一族。確かにアレクシアには、そこに人脈がある。何しろ、彼女自身がシュタインベルグの王族なのだ。

「でもアレクシアさん、それは…」

 ルカが僅かに身を乗り出した。

 アレクシアは現在武者修行の身。シュタインベルグ王家と積極的な関わりを持つ事は避けている。少年はそれを知っていた。だが、アレクシアは首を振る。

「邪神教徒の脅威がここまでのものと分かった以上、見過ごす事は出来ない。シュタインベルグ王族という私の血筋が役に立つのならば、ぜひ使ってもらいたい。それに…一度、母上や御祖父様おじいさまに会わなければならないと思っていたんだ。…叔父上の事を報告しないといけないからね」

 叔父上の事とは無論、アレクシアがレオンゼーレ・ツヴァイクを倒したという事実だ。

「シュタインベルグ王家かぁ…うん、いいねぇ。冒険者ギルドも修道騎士団も『三大国』とは一定の距離を取ってるからねぇ。対邪神のためにシュタインベルグ王家が力を貸してくれるって事になれば、かなり動きやすくなるはずだよぉ」

「そうね…冒険者ギルドは大国と距離を置く事で…中立性を保ってきた。けれど…大魔術師グランド・マジシャンオイフェが消えた事で…大陸のバランスは崩れかけている…。エリュクスも…余裕がなくなった事でなりふり構わず邪神の復活を目論むはず…。私達も…手段を選んでいられないわ。アレクシアちゃん…あなたの提案に、乗せてもらえるかしら…?」
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