追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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式典3

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 ジギスムントに促され、バルコニーに立つルカ。その姿を見て、聴衆の中から驚きと戸惑いの声が上がる。

「え…あれが…?」

「子供…?」

 声を上げない者も、内心では戸惑いを覚えていただろう。しかし、ジギスムントは構わず聴衆に対して話を続ける。

「この者、ルカ・ハークレイは史上最年少でSランク冒険者に昇格した冒険者史に残る逸材中の逸材である。そのような彼がなぜ、エリュクスと敵対する事になったかと言えば――」

 ジギスムントは、ルカがエリュクスと戦う事になった経緯を簡潔に、しかし臨場感たっぷりに語る。どうやらジギスムントは演説が上手い人物のようで、聴衆は固唾を飲んでその内容に耳を傾ける。そして実際、耳を傾けるに値する内容だっただろう。何しろ、自分達の知らない所で世界の根幹を揺るがしかねない陰謀が進んでいたのだから。

「――そして、それらの欲望を打ち砕いたのが…この少年、ルカ・ハークレイである。我はシュタインベルグの王として、彼に対して心から感謝の言葉を述べたい」

 ジギスムントはルカを自身の横に手招きし、近付いて来た彼の手をがっしりと掴んだ。

「…ありがとう、ルカ・ハークレイ。君のおかげで世界は救われた」
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