追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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アルフヘイム16

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 ルカ達が温泉を楽しんだ翌日の朝。村長の家の食堂にて。

「いやー、昨日は楽しかったですねえ」

「ああ、そうだね。とても楽しかった」

「は、はい…今思うと少しはしゃぎすぎた気もしますが…とても、楽しかった…です…」

 と爽やかな表情で会話を交わすのは、安鶴沙とアレクシアとクラリス。対して、ルカは未だ昨日の衝撃が冷めやらぬと言った様子で、半ば放心している。

「どうしたんだい、ルカ君。あまり朝食が進んでいないようだけれど…体調でも悪いのかい?」

 心配してルカに声をかけるアレクシア。少年はハッとなり、慌てて首を振った。

「いえ、そういう訳じゃありません。ただ…昔を思い出してしまって」

「昔…?」

「はい。冒険者になるよりも前…僕がまだ村にいた頃の事です」

 それは僅か数年前の事であったが、少年であるルカにとっては遥か遠い昔の事のように思われた。その頃のルカには家族がいた。優しい父親と親だった。けれど、突如村に現れた魔物モンスターによって両親の命は奪われた。かけがえのない家族だった。あの頃のような時間は、もう帰ってこない…そう思っていた。

(でも…今の僕には、アレクシアさんやアヅサさんやクラリスさんがいる…)

 裸同然の恰好で抱き着いて来られたのには赤面せざるを得なかったが…それでも、アレクシアが自分の事を家族だと言ってくれた事は忘れられない。アヅサやクラリスも、同じように自分の事を想ってくれている。もう二度と手に入らないと思っていた家族が…今、目の前にいる。

「ふふっ」

 思わず、ルカの口元が綻んだ。

「あれ、どうしたんですか、ルカさん?急に笑って…」

「いえ。僕はみなさんと出会えてよかったなって…改めて、そう思っただけです」
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