追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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邪神の眠る地55

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 アレクシア達がエリュクスと対峙しているその頃。少し離れた位置では、ローエングリンとランサラトの戦いが行われていた。時折ローエングリンが槍を繰り出し、ランサラトがそれをかわす。その戦いはとても静かなものだ。互いの繰り出す技も初伝や中伝のものばかり。だが、その様相が徐々に変化していく。

 繰り出される技の質が、修伝…そして皆伝、奥伝と徐々に上がっていく。

「ははッ…いいなァ、ランサラト…衰えてねェ」

「そういう貴公も、そのような体になったにも関わらず見事な技の冴え」

 互いに交わす笑み。それは、かつて背を預けた友が今もまだ強くあってくれるという喜び。

 ――フッ…と、ランサラトの姿がかき消えた。ランサラト流には、急激な速度変化で敵をかく乱する技がいくつかあるがこれもそのひとつ――ランサラト流奥伝体技『宵闇よいやみ』。

「にははッ…効かねェよ!」

 ローエングリンは笑い声を上げながら槍を真上に突き出した。パルツィヴァール流奥伝槍技『飛竜喰ひりゅうぐい』。ローエングリンの頭上に飛び上がっていたランサラトは、その攻撃を剣で受け流す。
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