追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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邪神の眠る地61

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 ローエングリンが動く。そして、動いた瞬間には全てが終わっていた。彼女の槍がランサラトの胸を貫いていたのだ。しかし、ローエングリンはその顔に驚愕の表情を浮かべる。

「おい…なんだァ…こりゃァ…」

 ローエングリンが発動したのは、極意槍技『時穿ときうがち』。その名の通り、『時間』という概念を穿つパルツィヴァール流最高の槍技。神速の突きにより時間の壁を穿ち突き破るという、まさに世の理を超えた技。その結果、ローエングリンの槍は『突き出す前に対象に突き刺さっている』というパラドックスが発生する。

 だが、ランサラトであれば…ローエングリンと同じく極意の頂に立つ彼であれば、そんな破格の技であろうと対処が可能。少なくとも、今の一撃で決着がつくような事はなかったはずだ。にもかかわらず、ランサラトが一方的に攻撃を受ける事となったのは…。

「てめェか…!」

 ローエングリンは、シェムハザイを睨みつけた。
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