サルダドは +3 ウォーハンマー《星砕きのミョルニル》を手に入れた

マツノポンティ さくら

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第10章 ノトス海戦

第178話 ノトス海上の戦い

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「バリアーを解きます! 攻撃に備えてください!」
防御魔法をつかさどるエルフの声に、オレたちはあらためて気を引き締めた。
戦いは早朝から始まった。
先制攻撃の時間を無駄にしないため、城からは大量のファイアーボールやその他の魔法攻撃が飛び、魔法を使わないものは手にした弓を引き絞って敵の船の甲板にいるモンスターを狙った。
数隻の船が再起不能のダメージを受けて沈んでいくのが見えた。

「ミョルニル!」
オレは古参こさんの戦士数名、それにキューマを連れて決死隊を構成し、ミョルニルの力を借りて、まだ沈んでいない船に飛び移った。
そこにはオークやオーガーがひしめき合っていたが、オレたちに気づくと耳障りな声を上げながら攻撃してきた。しかしそれはそれはまさに好都合ということで、オレたちは武器を振り回して着実に敵の数を減らしていった。

モンスターがいる船は想像していたものと勝手が違った。
弓矢や遠隔魔法による攻撃はお互いが離れている間は撃ち合いが起こるが、いざ白兵戦の段階に入ると味方に当たるのを恐れてやめるものだ。
しかしモンスターたちは少しでも相手に当たる可能性があれば味方を巻き込んででも平気でぶっ放してくる。
相手を武器で攻撃しながら飛び道具を避けるのはかなり厳しいので、オレたちは結局一つの船の滞在時間を短くして、ちょっと攻撃しては次の船に移るということを繰り返した。

ゲネオスもはじめは矢を撃ちまくっていたが、やはり適材適所ということで白兵戦部隊に移行し、飛行フライの魔法を使える戦士とともに、同様の働きをしていた。
ただ、こちらは飛行の魔法を使える数に限りがあるため、早いタイミングで城内に戻らざるを得なかった。

戦いの途中、ノトスの街のあちらこちらで白煙が上がるのが見えた。
敵の船から放たれた砲弾が直撃したものだ。
ノトス城にも攻撃が加えられたが、その城壁は大きく崩れることなく持ちこたえていた。

ある船では、モンスターたちの一部がオレたちの攻撃に耐えられなくなると、船倉せんそうへと続く扉を開いて逃げていった。
しばらくすると周囲に響き渡るような叫び声を上げながら、巨大なモンスターが姿を現した。外見は熊の形をしたモンスターだったが、顔はフクロウのそれだった(後に『アウルベア』と確認)。アウルベアは口からよだれを垂らしながらよたよたと歩みを進めてきた。しかし次の瞬間、もの凄いスピードで扉のそばにいたオークをくちばしで一突きすると、そのままオークの肉をついばみ始めた。
「メシを食ってなかったのか?」
とオレは思った。アウルベアは顔を上げるとようやくオレたちのことを認識したようだった。と、思う間もないうちにアウルベアはオレたちに接近し、キューマの身体を突き刺した。フクロウの嘴がキューマの胴体を貫通した。
「キューマ!」
オレはミョルニルで無理矢理アウルベアを引き寄せると、ミョルニルを手放してマジックソードを抜き、その嘴の真ん中めがけて突き刺した。
この攻撃はアウルベアの脳天まで貫通し、マジックソードの切っ先がアウルベアの後頭部から角のように伸びた。
「みんな! いったん城に戻るぞ!」
オレはキューマを抱え、他のメンバーを自分にしがみつかせると、ミョルニルを振るってノトス城へ舞い戻った。
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