普通の男子高校生である俺の日常は、どうやら美少女が絶対につきものらしいです。~どうやら現実は思ったよりも俺に優しいようでした~

サチ

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一学期編

第1話

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 青い空の中では白い雲が悠々と泳ぎ、そして地上には泳ぐ雲の影ができる。影の下は少し涼しく、日向に入るとポカポカと暖かい。春の麗らかな陽気はほんのりと心地よくて眠気を誘ってきた。
 生徒の喋り声、空を飛ぶ鳥の羽音、ガサガサと揺れる木々の音。どれも自然で耳馴染みがよくて、とても落ち着く。
 そんな、落ち着く普段の日常。
 しかし、落ち着くものは落ち着かないものに、非日常と言っても過言ではないものによって壊されるわけであって。

「よぉー鏡坂きょうさか。ぼっち飯なんて寂しい事せずに、皆で騒ぎながら食おうぜ」

 そう。俺が学校の中庭にて1人で昼飯を楽しんでいると、去年から同じクラスの落ち着かないを具現化したような存在、灯崎ともさき赤人せきとが絡んできたのだ。

「いや、別に寂しくなんかないし。俺は自分のしたいようにしてるだけだから。それにだな、教室にいたらお前の相手しないといけないだろ?」

 そう、俺は自分のしたい事をしてるだけ。第三者にとやかく言われる筋合いは一切無い。
 それに俺はここから見える景色は結構気に入っている。中庭が校舎に囲まれる形で存在するここはベンチもあり木も生えていて晴れていれば、本当に綺麗な景色になる。
 あと他に気に入っている理由があるとすれば、それはすぐ近くに食堂があることとかになってくるだろう。
 だからこの景色が見れるのなら1人でも構わないのだ。

「俺の相手くらいしてくれよ。寂しいだろ!?」
「知らん」

 灯崎は少し悲しそうな表情を浮かべながらそう言った。

「ま、何でもいいんだけどさ」
「あっそ」

 そんな他愛もない会話を繰り広げていると、人影が地面に写った。ここは校舎に囲まれる形になっているから、影が中庭に写るとしたらそれは、中庭にいるか屋上にいるしかない。そして、中庭には俺と灯崎以外人がいない。
 つまりこの影の主は屋上にいるということだ。

「なぁ灯崎。いい加減俺の背中から降りてくれ。飯が食えん」
「おぉ、悪い悪い」

 そう言って俺は灯崎に降りてもらう。
 まぁ、本当に降りてもらった理由は誰が屋上にいるのか気になっただけなのだが。

「なぁ鏡坂、あの子めっちゃ美人じゃね」

 背中の上から降りてもらった後に、灯崎ともさきはイケメンなその顔を破顔させながら、一個下と思われる女子の方を眺めていた。

(こいつ本当に女子好きだな。)

「あぁ、そうだな」

 俺は適当に流すと、灯崎が女子に見とれている間に俺は屋上に視線を向けた。

「眩しっ……」

 今日の天気は晴れを超えた快晴。雲がある訳ではないので、直接光が目に入ってくる。俺は反射的に目をつぶる事で何とか失明を逃れ、俺は屋上にいる影の主を探した。
 しばらくの間探していると、一瞬太陽と重なり影になった部分が視界に入る。そしてそれを見逃さなかった俺はそちらを見た。
 そこにいたのは、黒髪に太陽の光が反射して少し銀色がかった女子だ。手にはカメラを構え写真を撮っている。
 その女子がこの中庭の風景を撮ろうとカメラを向けた時、フィルター越しに目が合った。
 あの女子を知っている。
 ただ、それはあくまで一方的にという形でだが。
 名前は確か……、

華山かやま有理ゆうり
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