マリアン・ドゥの奇跡

里見知美

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「貴様、なんてことをしてくれたんだ!」

 真っ青な顔をした王子が膝から崩れ落ちた。

「言われたことをやったまでですけど」

 麻里は、目の前で黒い塵を巻き上げながらどんどん枯れ果てていく森を黙って見つめた。






 安藤麻里は、突然押しかけてきた借金取りの話を聞いて目の前が真っ暗になった。

 麻里が14歳の時に父親が事業に失敗し、多大な借金を作った。

 その借金を返すために、家族総出で働きに出ることになり、麻里は中卒で出来る仕事を探した。
 カフェや工場で働くが大した稼ぎにはならず、バイト先を転々とした末、寮のある清掃会社に就職した。

 少なくとも食事と部屋があり、天引きされるので給料のほとんどを家に送ることができるからだ。

「麻里にも苦労をかけてすまんな」
「大丈夫よ、お父さん!みんなで頑張って借金返そうね」

 そうしてせっせと毎月の給料を返済に当てて働くこと三年。

 生活は変わらず苦しいが、仕事にも慣れ主任を任されるほどになった頃、借金取りが職場に現れた。

「あんたの家族が蒸発したんでねぇ」

 両親と兄は、麻里を捨てて姿を眩ましたのだ。ご丁寧にも麻里の職場の住所を書き残して。両親の祖父母はすでに他界しており、親戚も父が事業に失敗して以来、連絡を絶ったまま。

 一週間以内に借金を返せなければ、借金を返すまで彼らのいうところでの仕事を請け負うというものだった。

「借りたものはきっちり耳揃えて返さんとなぁ。まあ、嬢ちゃんも恨むなら親父さんを恨みな。アンタはまだ若いし、頑張ればすぐ大金稼げるかもなぁ。へっへっへ。逃げても無駄だぜ?アンタのことはきーっちり見張ってるからよ」

 彼らのいうところでの仕事、というのはおそらく表沙汰にできないような仕事に違いない。ガクガクと膝は震え、呼吸ができなくなる。

 愕然とした麻里に追い打ちをかけたのは職場の上司で。借金取りが来るような、問題を起こすような人物を雇ってはおけない、と仕事をクビになった。学もなく、身寄りもない17歳。ひたすらに清掃業で身を粉にしてきた麻里に何ができるというのか。

「死のう」

 だって、きっと薬漬けになって体を売るような人生になる。特別頭が良かったわけでもなく、特別見た目がいいわけでもない。才能なんてかけらも見出せなかった、たった十七年の人生のどこに希望を持てばいいのか。

 死んで人生をやり直したほうが、後悔も恨みも少なくて済むような気がした。

「次の人生ではせめて、借金の無い人生でありますように」

 首を吊ると汚いし苦しいし、この職場に恨みはない。穴という穴から色々出た死体を片付けるのが、自分の職場の人だったら、本当に申し訳ないと思う。

 飛び降りが楽だろうか。いやそれも、潰れた脳みそとか誰も見たくないだろう。冬だったら、酒を飲んで雪の深い山で眠る様に死ねると聞いたことがあるが、生憎、今は真夏で、雪が降るには程遠い。

 業務用の掃除機を引き摺るようにしながら、用具室のドアを開け部屋に入ったところで、麻里の体は闇に溶けるように消えていった。



「おお!来たぞ!」
「当然、成功に決まっておる。今回は聖女のようだな」
「やはり、条件を絞ったほうが召喚も早かったな」


 用具室に入ったというのに人がいる。

 まさかこんな狭いところに、借金取りが隠れて自分を見張っていたのだろうか。

 ーー一体何人詰め込んだんだろ?

 ガヤガヤと聞こえる声は、日本語にしてはちょっと発音の響きがおかしい。日本語を覚えた外国人が話すような、イントネーションが気になって顔をあげると、目の前には数人のローブ姿の男たち、金髪の彫りの深い青年と、でっぷりとした中年の男が立っていた。どの人物を見ても、日本人では無いどころか、コスプレのような格好をしている。

 あまりの異常な光景に、周囲の景観が用具室ではないことに気がつかない。

 ーー私、売り飛ばされるのかな?

 14歳の時から人生が180度変わってしまった麻里は、世間に疎かった。

 それまでの麻里の生活だって、学校と家の往復がほとんどだった。友人と出かけることも、まだ早いといって許されていなかったし、スマホも持たせてもらえなかった。

 電車に一人で乗ったこともないような箱入りだったのに、突然、金が全ての大人の世界に放り出されたのだ。

 その日の生活がギリギリだった麻里にとって、娯楽は二の次、人様が楽しんでいる事に目を向けている場合ではなかったし、未成年で中卒のマリができる仕事など限られていたし、稼いだお金は全て借金に吸い込まれていった。

 だから。

 麻里は、異世界転生だとか、異世界転移だとかの物語にも疎かった。目の前の厳しい現実は、早々に麻里から空想の自由を奪っていったのである。

 非現実的に、目の前にいる人達が異世界人だとか、自分が異世界転移したなどと考えもしなかったため、麻里の脳内では、人攫いの外国人として変換された。

「うぉっほん、あー。ようこそ、聖女。名は何と申す?」

 ーーヨウコソ、セイジョ。セイジョ?……ああ、清掃女?そう言えば掃除機を手にしたままだった。有能な業務用掃除機、麻里命名「バクちゃん」が寄り添うように麻里の右手にあった。

 一台で七つの業務をこなすこのバクちゃんは、麻理の大切な相棒であった。場所を選ばない、キャタピラ走行できる円柱形のボディ。乾湿両用の上、吸引と排出機能付き、モップノズルに切り替えれば、ドライはもちろん、スティーム&スクラブで雑巾入らず、サイクロン機能搭載でそれ専用のヘッドに替えれば、毛足の長い絨毯も楽々吸引。ブロワーのノズルでハタキいらず、エクステンションホースで高い天井もスイスイ。全てのノズルも本体に収納可能で、用具室を行ったり来たりする必要もないので、時間短縮に大いに貢献していた。安易だが、なんでもバクバク食べる吸い込むのでバクちゃんと名付けたのである。

「えっと、マイ ネーム イズ、マリ・アンドウ…です」

 マリの顔を見て、彼らは「ん?」という表情をしボソボソと顔を突き合わせた。が、すぐさま向き直り、胡散臭い笑顔を見せた。

「マリアン・ドゥと申すか。うむ、よくぞ来てくれた。して、其方は何が得意かな?」

 でっぷりした中年の男が話し出した。実は国王であるが、名乗らないので、麻里にはただの威張ったおじさんに見えている。

 あー、なんかやっぱり言葉が変だな、とマリは思いつつも、ひとまず話は通じているので、質問の意味を考えた。

 ーーこれは面接?人攫いも無情ではなく、売り飛ばしやすいところに売るとか、そういう感じ?掃除婦が喜ばれるところってどこだろ。

 もしかして、上司はクビにした私を憐れんで、こっそり仕事を紹介してくれたのだろうか。というか、こんな怪しい人たちを用具室で待たせるものかな。

「えと…クリーニング?あの、清掃全般が得意です。力仕事にも自信はあります」

 机を動かすのとか、ゴミ捨てとか、カビ落としとかもできます。と、心の中で伝える。

 おかしな外国人たちは、またしても頭をくっつけ合って話し合いをしているから、通じたのだと思うけど。清掃全般が得意って英語で言えたらよかったんだけど。あれ、でも日本語通じてるから大丈夫かな。



 ****



「マーヴィンよ、この聖女はやけに貧相だが、大丈夫なのか?」

 国王がボソリと魔導師の一人に話しかけた。マーヴィンと呼ばれた男は国王よりも年配で、長い白髭が魔導師長としての風格を見せていた。

「条件を絞り、天涯孤独で元いた世界に未練のない、聖女の能力のある少女に設定したので……。生活が苦しかったのかもしれませんな」

「ああ、なるほど。なればあの見窄らしい格好も頷ける。ということは、手懐けるのも簡単であろう。ちょっと見目の良い服を与え、豪華な食事を出せばいいなりになる。王子を引き合いに出すまでもないか」

 国王がチラリと隣の金髪の青年を見遣るが、青年も軽く頭を横に振った。

「いくら聖女でも、あのような見窄らしい娘では、私の隣にはそぐわないでしょう、父上。利用できるだけ利用し、誰かの嫁にするか離宮で幽閉でもよろしいのでは?」

「まあ待て。して、聖女が手にしてるものは、魔道具だろうか?」

「アーティファクトとも言えますな。過去の聖女や勇者も、ボストンと呼ばれたマジックバッグや、スマホとかいう小さな石板のようなものや、シナイと呼ばれる聖剣を持っていたとあります」

「ああ、神具と呼ばれていたものか…しかしやけに大きいが、持ち運びは不便そうだな」

 国王はチラリと掃除機バクちゃんを見るが、どっしりと構えて、心なしか不穏な空気を醸し出しているようにも見える不気味な存在であったため、慌てて視線を外し、話題を変えた。

「ところで、クリーニングとは何だ?」

「クリーン魔法のことでしょう。生活魔法が得意ということでは?」

「召喚した聖女が生活魔法だけなどというはずはないだろう?」

「いや、清掃全般ということは、一切を薙ぎ倒してしまうすごい魔法なのでは」

「何と!?そのような魔法があるのか……?」

「クリーン魔法を使うようなので、壮絶なクリーン魔法、つまり殲滅魔法なのでは」

「殲滅……なるほど」

「この分でしたら、ダークドラゴンどころか……敵国も薙ぎ倒せるかもしれません」

「ふむ。まずは、瘴気の払拭から試してみるか」





 微妙に話が噛み合わないまま、魔導師長マーヴィンがが麻里に微笑みかけた。

「聖女マリアン・ドゥ。其方の力のほどを見てみたい。試しに宝物庫の瘴気を払ってはもらえまいかな?」

 瘴気が何なのかわからないが、まずはその掃除の技力を見せてみろということだろうと思い、麻里は頷いた。

「おお、ありがたい!では、こちらへどうぞ」

 ゾロゾロとフードを被った男たちを引き連れて、金髪の青年(王子)とでっぷりした男(国王)が案内をし、麻里がたどり着いたのは重厚な観音扉の部屋の前だった。

「実はこの部屋に収めていたアーティファクトから瘴気が溢れ出して、誰も中に入れなくなってしまったのだ。その瘴気を払うことができれば、聖女としてこの国で働いてもらいたいのだが」

「えーと、つまり、この部屋をきれいに掃除すれば、仕事がもらえるということですね」

 男の言った言葉を咀嚼しながら、麻理がおずおずと反復すると、男達がうんうんと頷く。

「あの、その前に条件をお聞きしたいんですけど」

 長い廊下を歩くうち、これは家とか会社とかのサイズではないと麻里は早々に気がついた。風通しの良い廊下は天井も高く、掃除も手がかかりそうだ。美術館のような建物の掃除はしたことがない。天井からきれいにしようと思うと、ものすごく長い梯子が必要になりそうだ。それにとても高そうなツボだの、花瓶だの、絵画もあちこちに飾ってある。うっかり壊したら、ますます借金が嵩んでしまう。

「条件?」

「ええと、その雇用条件です。仕事時間だとか、基本給だとか、保険とか、そういうのです」

「給与……。給与か。ふむ」

 太った男と青年がボソボソと内緒話をするのを横目に、住み込みはできるのだろうか、と麻里は考える。ついでに食事もつくなら、ありがたい。何せ、たった今クビになり、寮も出て行かなければならないだろうから。居住地の確保は割と緊急な案件だった。

 いまだに麻里は、用具室から宝物庫につづいていることに気がついていない。非現実が麻里の理解を超え、情報が正しく脳内でつながっておらず、目の前の仕事確保に集中した。

 王子が笑みを貼り付けたまま国王に進言する。

「陛下。金で雇えるのなら話は早いではありませんか。雇用関係を結び、契約で縛ってしまえば良いのです」
「うむ、しかし金で雇える人間は、金で裏切る」
「そこは隷属魔法か神聖魔法で契約を結べばいいのです。終身雇用で裏切れないよう縛りつければいい」
「それはそうだが、聖女を契約で縛りつけたと他国に知られれば、面倒なことになるぞ」
「聖女だとバレなければいいのでしょう。マリアン・ドゥという掃除婦を雇ったことにすればいい。これが治癒魔法の使い手であれば隠すのは難しいでしょうが、幸い掃除が得意だというじゃないですか」
「ふむ……そうだな。ではまず希望を聞いてみるか」
「ええ。それで奴がいかに守銭奴か阿呆かがわかります」

 ニヤリ、と二人は笑みを浮かべ麻里に希望を聞いた。

 驚いたのは麻里である。太っ腹なのか、何なのか。相場はいくらくらいなのだろうか。とりあえず控えめに現状の給与に少し上乗せした金額を言ってみることにした。

「仕事は1日8時間、1時間昼休憩を入れ、週休二日制、住み込み食事込みで、手取りで月20万くらいでどうでしょう?時間外は基本なし。どうしてもの場合、手当は、時給で二千五百くらいを希望します」

 麻里の給料は、手取りで12万くらいだった。寮費と食費、保険料など天引きにされた値段である。それを考えると法外だと言われるかもしれないが、仲間のおばちゃんたちはそのくらいもらっていたらしい。中卒だし未成年だからと、安く働かされていたのは事実。不満はあったものの、他に行けるところもなかったがため、我慢はしていた。内心ビクビクしながらとりあえず口に出してみる。

「20万だって!?」

 青年が声を上げ、フードを被った男たちもどよめいた。やっぱり、欲張りすぎたかなと首をすくめた麻里だったが、太った男はその金額で問題ない、と押し通し男たちを黙らせた。おっ、これは行けそうでは?と麻里は瞳を輝かせた。

「では、住む部屋を王宮に用意し、食事も1日2食用意しよう。その上で20万エルを給与とする」

「陛下!それはいくらなんでも……!」

「黙れ!聖女マリアン・ドゥがそれでいいというのだ!文句はあるまい!」

 麻里は、おや?と首を傾げたが、部屋がもらえて食事も出る上に20万。良い取引ができたと満足した。

 この国の魔道士たちの平均給与は、月300万エル。城勤めの下女でも月60万エルは貰っているのだ。月収20万エルというのは、平民の稼ぎである。まさかそんな低賃金で聖女を終身雇用するなど、フードを被った魔道士たちですら麻里に憐憫の目を向けた。


 ドアを開ける前にローブの男たちは数歩下がり、結界を張り、王と王子はその中で安全を確保した。瘴気はこの世界の人間にとって毒であり、結界もなく数分瘴気にあたれば痺れを感じ、10分も満たないうちに呼吸困難になる。その上、体内の魔素に毒素が混じって黄斑ができ、その後体は紫色に変わり死に至る。

 マーヴィンが麻里に対しても結界を張ろうとしたが、王がそれを止めた。

「聖女がどこまで自分一人でできるか見てみたい」という理由である。マーヴィンは少し眉を寄せたものの、王に逆らわずもし麻里が拒絶反応を起こした場合、すぐ様救出が出来るよう身構えた。

 かびた匂いと共に、埃っぽさを感じた麻里は、窓を探したものの、宝物庫に窓はない。ガラスでできた棚と装飾の施された木箱、立て掛けられた盾や剣を見て、手にしていた掃除機バクちゃんが発動した。

 電源がないので動くはずもないのだが、突然動き始めたバクちゃんに麻里はいつものようにホースを手にした。これで満足してもらわなければ、この仕事はもらえないのだ。麻里も必死だった。

 さて、漂っていた埃っぽい空気は、一瞬にして掃除機が吸い取ってしまった。ゴゴッと吸い込んだ黒いものにギョッとしたが宝物庫の空気が澄み、心持ち明るくなったような気がして麻里はよし、と隅から隅まで掃除機を滑らせた。大理石のような床はよく滑り装飾の施された箱の下にも、棚の上にも毛足の長いノズルを伸ばして埃を吸い込んでいく。オフィスの会議室程度の広さであったので、掃除はあっという間に終わった。

「どうでしょうか?」

 男たちはポッカーンと空いた口が塞がらなかった。


 その日から、麻里は王宮の使用人部屋に住むことになった。魔導師たちからは聖女専用の部屋に入れるべきだだの、もっと優遇し、護衛をつけるべきだだのと意見が出たが、国王と王子によって却下された。

「本人の意向を呑むべき」だと。この世界について何も知らない異世界の聖女に対する仕打ちに、魔導師たちは憤慨したものの、国には逆らえず。

 国王が掃除機の構造を見てみたいとわがままを言ったが、トップの蓋を開けた途端、瘴気が溢れ出てきたのをみて慌てて蓋をして逃げ出した。溢れ出た黒い煤をみて、再度バクちゃんが発動、煤を吸い込み大事には至らなかったが、それ以降、掃除機バクちゃんは聖女にしか扱えないアーティファクトだと認識され、常に麻里と離れず、聖女の部屋で保管することになった。

 そして、当初の予定と変わり、麻里に与えられた部屋は、魔導師たちが住む南の棟の3階になった。

 国王は普通の使用人部屋で良いと言ったのだが、迂闊に異世界人の聖女に使用人たちを関わらせるのは良くない、攫われたらどうする、もしも誰かか聖女を害し、あのアーティファクトから瘴気が放出されたらどうする、とマーヴィンに脅され、やむなく魔導師棟に入れることにした。

 これで麻里は使用人ではなく、魔導師として見なされ、多少の待遇の向上が施された。とはいえ、この世界の世間一般を知らない麻里にとって、部屋があり食事が出て、給料が手に入るのであれば、ひとまずの生活が確保出来て大満足である。

 契約書は日本語ではなかったのだが、なぜか理解できることを不思議に思った麻里は、ここに来てようやくマーヴィンに話を聞いて、自分の置かれた状況を把握した。

「え、異世界……?外国じゃなくて」

 そもそも麻里が入ったのは、用具室である。

「私、この掃除機持ってきちゃったよ」

 なんたって、機能満載の最新型掃除機である。まだ保証期間も切れていないと思う。ものすごい高そうだ。盗まれたとか言われないだろうか。

 ぶすん、とバクちゃんが体を回転させた。どうやらバクちゃんは自分の意思で麻里についてきたようだ。コンセントにつなげなくても、自分の意思で動く掃除機を見下ろすと、つつつ、と寄り添い麻里の足に擦り寄ってきた。どうやら名前をつけたことで、麻里の眷属と化したようだ。毎日使ってきた掃除機が、初めて飼ったペットのように思えた瞬間である。よしよしと頭(?)を撫でる。

 その後、マーヴィンから契約について話を聞かされ、通貨は円ではなくエルというもので、この世界の常識から考えても麻里の給金は安く、しかも隷属魔法で縛られたという。マーヴィンは聖女を呼び寄せた魔導師として責任を感じているし、国を救ってくれるであろう聖女に、ここまで鬼畜な契約を、あろうことか国王が率先して行うとは、と渋顔を見せたが、かといって逆らうわけでもなく、麻里に説明するより先に隷属魔法をかけたのだから同罪ではないだろうか。

「隷属魔法って何ですか?」

 と聞けば、いわば奴隷として縛られる魔法のことだという。麻里の短い十七年の人生のうち三年は少なくとも奴隷のようだったなと遠い目をする。奴隷のような扱いをされるとはいえ、着る物も、部屋も、食べ物も与えられる状況であまりピンとこないが。

「聖女様はすでにこの契約書で隷属魔法にかけられ、反すればその首輪が締まります。死にたくなければ、いうことを聞いてください。私どもとしましても、せっかく召喚した聖女をみすみす殺したくはありませんので」

 ふと、渡された契約書を見ると名前がマリ・アンドウではなく、マリアン・ドゥになっていた。何か違うと思っていたら、切るところが間違っている。これ、私じゃないのでは。

 魔法契約書は本名、あるいは真名、もしくは本人の血液が必要である。血液は魔力を含み、それが本人と紐づけられるからなのだが、検査の結果、麻里には、魔力がなかった。全くのゼロ。だから瘴気に触れても問題がなかったのである。というわけで、名前で縛りをつけようとしたのだが、その名前すら間違っている。

 結果として、契約書は無効だろう。はめられた首輪も実は機能しないのではないだろうか。とはいえ、試してみる気はないので、大人しく頷いておいた。

「聖女様にお願いしたいことは、瘴気を取り除くこと。東から北に伸びる大森林にダークドラゴンが根を下ろし、瘴気を生み出したのです」

 ダークドラゴンは瘴気生み出す邪竜と言われ、ダークドラゴンが住む場所は、瘴気にふれ魔獣や魔物を生み出す。瘴気に免疫のない人間たちは成す術もない。この数年のうちにこの国最大のミスリル鉱山とその麓である森林がダークドラゴンの棲家となり、どんどん国の経営を逼迫させているのだという。

 ミスリル鉱山から取れるミスリルで、この国は武器製造が盛んで、武器が作れなければ収入もなくなるというわけだ。

「武器……」

「ですからあなた様には是非、ダークドラゴンの生み出す瘴気を消していただきたいのです」

「ダークドラゴンはなぜこの森に移ってきたんですか?」

「それは……」

 魔獣は通常魔素を多く含む鉱山や森、洞窟を好む。ところが、人間達が採掘を続けた結果、魔素鉱脈が絶えてしまったのだ。そのため、魔獣大移動という現象が起こり、魔獣が世界各地に現れるようになった。しかし魔獣は魔素だけでなく瘴気を必要とする、いわば人の空気のようなものだ。そしてドラゴンが生まれた。魔素を吸い、ミスリルなどの鉱物を食べ体から瘴気を吐き出す生き物は魔獣のために生み出されたのである。

 ーー環境破壊による自業自得ってわけね。

 まあ、わからないでもない。自然破壊だからといって、植林こそすれ、人が山を削るのをやめたとか聞かない。鉄とか石炭とか、石油とか、その国にとっての収入源になるわけだし。

「でも、瘴気だけ消しても意味はないんじゃないです?」

「ですから、あなたの終身雇用、というか隷属契約が必要になったわけです」

 定期的に瘴気を排除する必要がある。ドラゴンがいる限り、そういうことだ。

 考え方を変えれば、それだけ麻里の仕事の必要性もあるということで、終身雇用は願ってもない。でもそれで、自分が言い出したこととはいえ、ずっと最低賃金となるとちょっとなーとも思う。昇給というのは普通にある。いや、過去三年、昇給もしたけど税金も上がって、結局手取りが減ったっけな。

 異世界にいるだなんて気が付かなかったし、それを隠すように隷属の契約書を作った国も、正直いって信用がおけない。まるで高利貸しのようではないか。開けてびっくり、その雇用契約書、実は奴隷契約書でしたなんて笑えない。危うく、自分の父親と同じ目に合うところだった。

 マーヴィンはまあそれなりにいい人っぽいけれど、王様に文句を言えるほどの立場でもなさそう。人間不信に陥りかけていた麻里としては、持ちつ持たれつの平等な関係で居たいところだが、今それを訴えても無駄だろう。

 どこの世界に住もうが、生きていく上でお金は必要だ。幸い新しい環境に馴染むのは、得意な方である。職場を点々とする身に於いて、人間関係は大事。まずは環境に馴染んでお金を貯めるのが先決だろう。

 出鼻をくじかれた形になるとはいえ、マイナスからのスタートというわけでもない。こっちにはバクちゃんがいる。まずは、言われた通り仕事をして様子を見るとしよう、と麻里は拳を握った。



 結論から言って。麻里はうまく環境に馴染み、あっちの倉庫、こっちの離宮と瘴気の掃除を毎日のように走り回った。

 最初の1ヶ月は、王宮内での仕事が多かった。瘴気というのは、人の集まるところでも発生するらしい。パーティ会場になったダンスホールや謁見の部屋、王宮の門前、茶会の開かれるガゼボ、文官の執務部屋などあげたらキリがない。

 一年も経つ頃、そのうち麻里は気がついた。

 部屋を掃除するよりも人を掃除したほうがいいのでは。つまり瘴気は悪巧みをする人たちから湧き出てくるようだ。ちょっとした悪意くらいは誰でも持っているが、人を殺したいと思うほどの憎しみを持つ人はそうそういない、と麻里は思っていた。が、魑魅魍魎の住まいであると揶揄される王宮には、そう言った感情を強く持つものが集まるらしい。

 そこで麻里は、まず門前に隠れて立ち、ものすごく黒い瘴気を纏っている人物にノズルを向けた。

 ズポンっとすごい音を立てて、目の前にいた人物の持っていた献上品が掃除機に吸い込まれた。

「な、!?なんだ!?何が起こった!?」

 驚いた男はギョッとして大慌てだ。

 続いて、ズゴゴゴッと次々に人々が絡った瘴気が吸引され、最後に人が一人、ズポンっと掃除機に吸い込まれてしまった。

「瘴気にまみれていましたので、吸い込みました!」

「吐き出せっ!人を吸い込んだぞ!?」

 憲兵は大慌てで麻里に向かって剣を向けた。

 麻里もまさか人が飲み込まれるとは思わず、排出に切り替えると、真っ裸になった男が一人、ごろりと吐き出され、真っ白な顔でガクガクと震えながら、身体を丸め懺悔をしていた。

 のちに分かったことだが、献上品として持ち込んだものには毒が入っており、王子を狙ったものだとわかり、男は処刑。吸い込まれた男は、ある伯爵家の子息で、空いた女性に馴れ馴れしく男たちを何人も殺してきた殺人犯で、女官に無理やり結婚を迫っていたストーカーだったのである。

 結果として、麻里の掃除機は確かに瘴気を吸い込んだわけだが、貴族のやりとりで後ろ暗いことをしてきた上位貴族は何人もいる。そこへ訳もわからずいきなり罪を暴かれるというのは、危険極まりないと麻里は王宮から追い出されてしまった。

「お前の職場は現地で十分だ!どうせならダークドラゴンの瘴気でも吸い込んでいろ!」

 と王子に怒鳴られ、王宮騎士を護衛にドラゴンの住まう森に派遣されることになった。

「まあ、お金も結構貯まったし」

 とはいえ、隷属魔法で繋がれているから安心とばかりに、週休二日の約束は週1日にかわり、代わりに残業手当を出されるようになった。もちろん残業手当を出しても、文官の給与にも届かない金額ではある。しかし麻里は外出もしないし無駄遣いもせず、きっちり全額ギルドの口座に預けていた。

 これは、お掃除仲間のランドリーメイドに教えてもらったのだ。たまたま貴族の子息におさわりをされていたところを目撃し、バクちゃんで撃退したのがきっかけだった。

 そう、人を吸い込んだのは一度きりではなかった。その子息も、素っ裸で排出され、ついでに股間のアレも無くなっていた。2度と女性に悪さをしないということで、アレも排出されたものの、以来二度と王宮では見かけなくなった。

 一度、宰相も吸い込んだこともあったが、自分が国王を害そうとしていたなどバレれば、処刑されても文句は言えず、麻里に賄賂を渡してなかった事にしていた。もちろん受け取るものは受け取った麻里は、しれっとして賄賂を口座に預け、なかった事として口をつぐんだ。

 王妃から呼び出され、王様の前でバクちゃんを発動したこともある。王様のカツラがひゅっと掃除機に飲み込まれ、王様は泣き喚いて懺悔をし、浮気を白状し、隠し持っていた貴重な三十年もののウイスキーも王妃様に差し出して、吸い込まれることはなかった。流石に王様をすっ裸にしてアレを排除するのは、一大事に当たるからホッと胸を撫で下ろした麻里である。ちなみに、王様のカツラは綺麗な金髪になって吐き出されたので、それなりに瘴気を纏っていたのかもしれない。

「それ、脂肪とかシミとかシワとか吸い取れないわよねぇ?」

 脂肪もシミもシワも、瘴気や悪意ではないので無理だと思う。

 そんな王妃様からは、お礼にと市民権なるものと大きな宝石をひとついただいた。

 宝石は実はバクちゃんの中にしまい込んである。ちょっと大きな赤い石で「誰にも見つからない場所にしまっておきなさい」と言われたので。必要になったら換金してもいいと言われたけど、宝石とか初めてもらったので大事にしようと思う麻里だった。王妃様はいい人だ。自分を売った母とは大違いである。やっぱりお金があると、人に優しくできる余裕ができるんだなと実感した。

 閑話休題。

 麻里は今、瘴気あふれる黒い森の前にいた。

 そう。麻里が召喚されてから、一年もほったらかしにしてあったのだから、それはもう汚れた空気を吐き出し続けている。ギャオー、ギャオーと鳥とも獣とも言えないような鳴き声も聞こえてくる。

 お供してきた騎士たちは、具合が悪そうに顔を青ざめている。そう言えば、瘴気は体に毒だったんだと思い出し、麻里はバクちゃんを発動させた。

「そもそも、森で掃除機ってのが不思議なんだけど」

 ゴスゴスとバクちゃんは瘴気を吸い込んでいく。ぼーっと瘴気を吸い込んでいくバクちゃんを見ながら、麻里は考える。

 そもそも瘴気が発生するのは、ダークドラゴンのせい。でもダークドラゴンがこの森に住み始めたのは、そもそも人間が魔素鉱脈を取り尽くしたせい。ドラゴンがここに住まいを移したのは、この森に魔素があるから。

「じゃあ、魔素を吸い込んでしまったら?」

 魔素を吸い込んで、元いたドラゴンの住まいに魔素を返したら?ドラゴンも魔素の多いところへ住処を移すのでは?そうすればエンドレスで瘴気を吸い込むこともない。

 チラリと両親と借金のことも記憶をよぎったけれど、あの地獄に戻るのは嫌だなとシンプルに思う。ランドリーメイドの故郷には綺麗な海があると言っていた。今度の休暇には帰るから一緒に来るかと誘われている。汽車で帰るのだと言った。

「海、行ったことないし」

 子供の頃、夏休みで沖縄に行くと言っていたのも、結局行けなかった。汽車なんて、乗ったこともないし見たこともない。考えるととてもワクワクした。

「よし!」

 ピカーン、といい案を思いついたとばかりに麻里は魔素を吸い込んでしまおうと決めた。そろそろ十分なお金も貯まったし、ちょっと余裕も出てきた。他の国にも行ってみたいし、ちょっと街に降りてお菓子も食べてみたい。海も見たいし、汽車にも乗ってみたい。

「やるよ、バクちゃん」

 よしきた!とばかりにバクちゃんもチューンを変えた。

 ズモモモッと森から魔素を吸い込み始めた。後ろにいた騎士たちが慌てて逃げ出していくのには、気がつかなかった。

 この世界、誰しも大なり小なりの魔力を持っている。魔素がなくても生きてはいけるが、魔獣から取れる魔石は生活に必要な素材であった。地に含まれる僅かな魔素も植物を育てるのに不可欠である。空気中に含まれる魔素は、人間の体にはそれほど影響はないが、魔獣には必要不可欠である。

 森が悲鳴を上げた。一角兎やネズミ系の魔獣が消し炭になった。トレントが体を捩り、これも乾涸びて黒い瘴気へと変わった。バクちゃんはそれも残さず遠慮なく吸い込んでいく。気のせいかバクちゃんのボディが成長しているように見えた。膝丈だった体は今、麻里の腰ほどの大きさになっている。

 気のせいではないようだ。

 大丈夫かな、と麻里はちょっと心配になりながらも、魔素を吸い込んでいく。手前の方から森が枯れ始めた。この森はもともとそれほど大きな大森林ではなかったのだが、ドラゴンが住み始めてから暗黒森林が広がっていったのである。ほとんどの植物がトレントや魔性の植物である。その中には当然、薬草や毒草も含まれているが。

 森の木々が後退する中、異変を感じたドラゴンが巣穴から出てきた。

 グオオオオーッと地面が揺れるような轟音を響かせて、麻里の目の前にダークドラゴンが現れた。あまりの大きさに何が目の前に出て来たのかわからない麻里は、耳を塞ぎ、しゃがみ込んだ。

「うわぁああああああっ」

 驚きのあまりに叫び声を上げた麻里。その悲鳴は、眩い聖魔法に変わった。超音波のようにダークドラゴンに襲い掛かり、ドラゴンは何かをするよりも早くその音波に体を焼かれた。その後ろに焼け爛れていった森も被害に遭った。まるで影を照らす光のように一瞬で森を、ドラゴンを舐め上げて辺り一帯が禿げ上がった。

 余波を受け、森はどんどん後退して行く。灰のように、黒いカスが空気に舞う中、騎士たちから連絡を受けた王子が大慌てで馬に乗ってきた。

 そして冒頭に戻る。

「貴様、なんてことをしてくれたんだ!」

 真っ青な顔をした王子が膝から崩れ落ちた。

 麻里は王子を吸い込んでしまわないように、慌ててバクちゃんを止めた。しかし森の後退は治らない。十分すぎる魔素を吸い込んでしまったのと、ダークドラゴンが消滅してしまったことが理由だろう。

 この辺り一体は、冒険者が魔石を集めるのに重宝する絶好の狩場であった。薬師見習いが薬草や毒草を集め、貴重な薬を作るにも重宝した。そして、ミスリル鉱山は当然のこと、国の重要な収入源だったのに。

「言われたことをやったまでですけど」

 だめでした?と小首を傾げる麻里に、王子はもう何も言うことができなかった。



 王宮に連れ戻された麻里は隷属魔法違反で処刑と言われたが、首輪は発動しなかった。なぜだ!?と王と王子は喚いたが、麻里は肩をすくめただけで、首輪はするりと床に落ちた。

 ならば、処刑にしてくれる!と王子が剣を振り上げたところでバクちゃんが発動。王子をズポンと吸い込んでしまった。そして王宮内の魔素もついでに吸い込んだことで、魔導師たちの魔法が発動しなくなった。それどころか、常時魔法を使って状態維持をしていた人たちが、バタバタと倒れ始めた。

 王は太りすぎた体を己の足で支え切れず、息切れを起こして王座に座り込んだ。

 それを見た王妃が、離縁させていただきます、と次女たちをぞろぞろと連れて本国へと帰ってしまった。

「我が国では、あなたをいつでも歓迎しますよ」と麻里に一言述べて。

 大打撃を受けたのは、武器商人と薬師たちである。何せミスリル鉱山は枯れ、僅かなミスリルしか摂れなくなった。大森林は見る影もなく、普通の森林へと変わった。

 とはいえ、森に動物たちが戻り、存分に間引かれた地面からは、新たな木々の目がゆっくりと伸び始めている。毒草や薬草は僅かにしか生えていないので、貴重になった。

 しかし、魔素が極端に減ったことで、魔法を使う人が減り、人々は国を離れるようになったのである。ダークドラゴンはいなくなったものの、それに伴い魔獣もいなくなり、薬草もなければ、鉱山も枯れ果てた。

 その後、数年も持たず、国は国として機能しなくなってしまった。

 魔素のない土地は、どの国から見ても旨味はない。その土地は捨て置かれ、いつの日か寒村のみが残る土地へと変わっていった。


「そもそも、異世界召喚などずっと前に禁忌にすべきだったのだ」

「ですよねー」

 麻里にとっては、ある意味救いではあったが、異世界から来た人を、使い勝手の良い駒のように扱うのはやはり良くないと思う。

「それで、我の住処は見つかったのか?」

「いやぁ、それなんだけどねー。私の短い足だともう少し時間かかりそうよ」

「うーむ。人間というのは不便よの。ま、共に旅ができるならそれも悪くはないがの」

 麻里は麻里の背丈ほどに育ってしまった掃除機のバクちゃんを転がしながら、ダークドラゴンと旅に出ていた。

 吸い込んだ魔素と瘴気はドラゴンにふさわしいところで排出しなければ、また人里で文句が出てしまう。なので、麻里は責任を持ってダークドラゴンの住まいを探す旅に出たのである。
 
 王子を吸い込んでから国を出た麻里だったが、途中でバクちゃんが王子を吐き出した。真っ白になって素っ裸の王子は、体を丸めてごめんなさいと言い続けていた。バクちゃんの中で一体何があったというのか、排出された人間は皆、王子のように体を丸めてひどく怯えていたので、連れて行くことは諦め、途中で立ち寄った山里で静かに暮らしてもらうことにした。

「それだけ汚れた人間だったんだろうよ」

 と吐き捨てるようにいうのはダークドラゴン。元王国の王子だと伝えたら、里の人たちは閉口していたが、素朴な人たちなのできっと面倒を見てくれると願いたい。きっと、大丈夫。たぶん。

「我のようにピュアダークでなければ、この中には収まり切れぬわ」

 なるほどねー、と麻里は笑う。きっと掃除機の中には暗黒が渦巻いているのだろう。だからなのか、ドラゴンはなかなか住み心地が良いと言って、掃除機の中で丸くなっている。ドラゴンが出て来たい時に、バクちゃんは少しの魔素とドラゴンを排出してはまた吸い込むを繰り返す。

 時折、山賊やら奴隷職人やらに出会しても、バクちゃんがズズッと吸い込んでくれるため、あまり危険もない。最悪ダークドラゴンが飛び出してくるため、魔獣すらも襲いかかってくることはない。麻里自身の聖魔法の超音波は今のところ封印している。被害が大きすぎるようなので。

「バクちゃんはいい子ねー」

 掃除機のバクちゃんはキャタピラをくるくると回しながら嬉しそうに麻里の周りを回った。

 麻里たちの奇跡の旅はまだまだ続く。ーーたぶん。

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感想 1

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みんなの感想(1件)

真田奈依
2025.09.17 真田奈依

異世界召喚と、それを理解していない麻里のギャップが丁寧に描かれているのが秀逸ですね。 (*´ω`*)

薄倖少女麻里に共感が持てるし、頼もしい相棒のバクちゃんと、奇跡を起こしてほしいものです。

2025.09.19 里見知美

感想ありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。
楽しんでいただけてよかったです。
マリの冒険はまだまだ続きます。多分。

解除

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