【R18】鏡の聖女

里見知美

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番外編

行間に落ちた想い 4

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本日2作目です。最終回なので、エロありにしてみました。

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 何度か俺の世界で時間を費やすようになったある日、無月が帰りたくないと言い出した。

「パーラとアルフと一緒に遊びたい」

 パーラとアルフは、魔力を持った子供達で神殿に設立された学校に通っている。同じ魔力持ちとしておそらく話も合うのだろう。

「今ね、ぼくとパーラとアルフで虫眼鏡の実験をしているんだよ」
「パーラが光の屈折と月の石の関係についていろいろ実験していてね。月の石に光を封印することができるかどうかについて検証してるんだ」
「……はあ?」

 ミミと俺は顔を見合わせて首を傾げた。

 無月は得意気に、実験の成果と検証について話を詰めてくるが、言ってることがさっぱりわからない。

「おい、ミミ…お前の世界でこれは普通か」
「い、いやぁ…。私、科学はさっぱりだし。ってか、3歳児でこれはない、と思う」

 確かにパーラとアルフは6歳と8歳で学校に通っているし、大人に混じって魔力の法則についても学んでいる。ただ、魔力と月の石に道具を使うという発想が今までになかった。先日も聖水に氷魔法を使い、薬草液に漬け込むとエリクサーができると検証をして、スローリリーフの肥料を作り出していた。冬の間、畑地に寝かしておくと、雪解けの頃に成分が溶け出して微生物を集め、より土地を肥沃にさせるように開発すると意気揚々としていた。そんな3歳児がいてもいいのか。

「ぼく、この世界で生きてみたい」

 だが、その一言でミミも決心をした。

 よくやった、と無月には盛大に感謝をしたい。通いの親子でも文句はないが、此方に居てくれるのなら夜毎に泣く泣く別れなくてもいいのだ。時間をわざわざ合わせなくとも、見たい時に顔を見て、抱きたい時に抱ける生活。

「パパにお願いがあります」
「なんだ?」

 その頃には俺はもう『パパ』呼びに慣れ、親ばかだと言われていた。なんとでも言うがいい。俺の子は可愛い。ミミに似てますます可愛い。頭も良くて、人気もある。可愛くて可愛くて、自慢の息子だ。

「ママがこの世界でも幸せになれるよう、基盤を作ってください」
「お、おう?」
「これがおうちの見取り図、お風呂は絶対だし、日本のお米も必要。田園を作るには用水路がいります。ママが畑仕事をしなくてもいいように、人員も揃えてね」
「……おう」

 とんでもない3歳児だが、これができたら移住するというし、ミミも困惑気味に頷いたから了承は得た。米とはなんぞや、というところからの勉強だが、食物が増えるというのは国民のためにもいい。

 それからは農地改革と品種改良にと大忙しだった。幸い、ミミが『田んぼの作り方』という本を持ってきて、米の種類や必要な道具なども割と簡単に揃えることができた。神殿の子供たちもやる気満々で、すでに無月はなくてはならない存在のように持ち上げられていた。

 俺の子すごい。

 さすが聖女様とムスターファの子だと、市井でも人気がありより良い果物、より良い肥料もどんどん増えて特務3課の薬草もかなり充実していった。

 3歳児に仕事を任せるというのも気が引けたが、この国は実力主義だ。子ども扱いはせず、できることをさせ、のびのびと育てる。時折、隙を見てはミミの体を貪り、二人目が出来ないかなと期待したりもする。

「生活が落ち着くまでは二人目はダメ」

 とミミに叱られ、中出し禁止令もだされてしまった。急いで家を作って畑も田んぼも用意しなくては。

 そんなこんなで、無月が4歳になって半年ほど経った頃、ようやくすべての目処が立った。


「迎えに来た」

 鏡の中から手を出して、こちら側へミミと無月を呼び寄せた。

「えっもう?」

 もう?ようやくだ。大急ぎで用意をしたが、ずいぶん時間がかかってしまった。でも無月との男の約束は守った。米はまだ収穫していないが、順調に育っている。季節の終わりには収穫も問題ないはずだ。

「ああ、こっちは国として落ち着いたし、新しい我が家も万全だ。幼稚園も学校も設備が整ったから、何時でも来れる」
「パパ!ボクもそっちの幼稚園行ける?」
「もちろんだ!パーラもアルフもみんなムツキが来るのを待ってるぞ。」
「やった!」

 及第点がもらえればいいのだが。我が子に赤点をつけられるのは絶対よくない。こんなにドキドキしたのは子供の頃に施設に入れられた時ぐらいではないだろうか。

「そちらはどうだ?」
「先週で仕事は辞めたし、少し荷物の整理をしようと思っていたくらい。お父さんが来月からここに住むからしばらくこちらに通うかも」
「問題ない。道は開いておくから、お義父さんもこちらに呼ぶこともできるぞ」
「ありがとう、ムスターファ。お父さんもきっと楽しみにしてると思う」

 ミミをぎゅっと抱きしめて、その柔らかさと温かさを確かに嚙みしめる。
 長かった。
 失ったと思った時からここまで、諦めなくてよかった。

「ミミ、愛してる」
「私も愛してる。ムスターファ」

 きゃあきゃあ騒ぐ無月をパーラとアルフにしっかり押し付けて、ついでにナイジェルとネイサンにも釘を刺して置いた。邪魔するなよ、と。

 ネイサンたちはやれやれという顔をしていたが、これまで踏ん張って国を立て直してきたのだから、ミミ様にもしっかり根付いてもらわなければ困るという考えから、二人とも了承していた。当然、無月はミミと同じく賢く可愛いから、パーラとアルフも放っては置かないだろう。

「………寝室は防音結界がかけてあるから、今夜は思う存分できる……」
「ちょっと」
「頑張ったんだ。褒美をもらってもいいだろ?」

 これ以上の文句を聞くより早く、俺はミミの唇を封じた。

 今夜は寝かすつもりはない。
 子供を産んでますます丸みがついたミミの体は弾力がよく、胸も大きくなっていた。なのに相変わらず肌の吸いつきがいい。

「女神だ」
「やめてよ…恥かしい」

 ゆさゆさと乳房を揺すると、恥ずかしそうにミミが俯いた。顎をすくい上げ、キスを落とすとゆるゆると口を開けて俺を受け入れる。甘い吐息は相変わらずで、ふわりと魅了が漂う。魅了は魔力とは関係なかったのかと驚きながらも、首筋に舌を這わせ服を脱がし、柔らかな肌に直接触れる。少し大きくなって色が変わった乳首は転がしやすく、ここに無月が吸い付いていたのかと思うと少し妬けた。

 赤ん坊にやきもちを焼くなんて格好が悪いと思い口にはしなかったが、執拗に責めてしまった。張り出した乳房を寄せて、ベロベロと舐めまわし弾力を楽しみながら、硬くなった亀頭をミミの花芽に擦り付ける。

「あぁん」

 甘くつぶやき腰をよじるミミに、俺の中の獣がムクムクと熱り立つ。

「俺以外に触れていないだろうな」
「当たり前でしょ」

 俺は内腿に顔を寄せてべろりと舐め上げる。ビクビクと震えるミミの反応に満足し、指で蜜口を広げると、ひだの中から赤く充血した肉壁が目に入る。すでに滴るほどに濡れている。舌を寄せ、吸い上げてその中にねじ込むときゅうっと筋肉が締まる。

「あっああっ、待って、ムスターファ!久しぶりだから、私、」
「俺もだよ。だから余裕ない」
「あっあっ、だめ」

 溢れ出る蜜を味わいながら、俺の指はミミの乳首をつまんだり押しつぶしたりしながら、軽くイカせる。体をひねって逃げようとするミミの腰を捕まえて、足の間に体を捻じ込んで一気に突き上げた。

「アアァッーーー!!」

 狭い。お産で少しは緩くなったかと思ったが、期待をうまく壊してくれた。持っていかれそうになるのを歯を食いしばって抑え込む。

「熱いな。ミミの中は、相変わらず」
「あっあん、あんたってば、相変わらず鬼畜…」

 ふ、と俺は笑い、そういえばこいつは俺を鬼畜と呼ぶんだったと思い出した。

「それじゃ、鬼畜らしく揺さぶってやるよ」

 ずるっと引き抜き、入り口あたりまで引き抜いてからどん、と再度押し込む。ミミが嬌声をあげ、俺は繰り返し繰り返し突き上げた。両脚を肩の上にあげ腰を浮かせると、さらに深いところに届き揺らす度に乳房が揺れる。すげえ。くる。視界に訴えるミミのエロさは、今までとは格段の差がある。丸みが出たせいか、久しぶりだからか。突き上げながらも乳房をつかみ揉みしだくと、ミミがイッた。中が締め付けられて、俺もイキそうになる。まだだ。ミミの背中に手を入れ俺の上に座らせると、されるがままに俺の首て両腕を回してきた。俺はミミの尻を掴んで立ち上がり、グチュグチュと中をかき回す。

 ヒイヒイ喘ぐミミを見ながら口づけをし、舌を吸う。こんなにも愛しい。可愛い女。俺だけの。

「くっ……!」

 ミミを抱きしめ俺は盛大に中に発散した。自身を引き抜くと、どろりとした白濁が流れ出た。それを見て息子はムクムクと大きくなる。俺はキスを落としながら、ぐったりするミミを反転させてベッドの上に四つん這いに這わせた。くっと背を押すと、腕に力が入らないのかぺたりとベッドに胸をつけ、尻を突き上げた。

 俺はぐいっと尻を広げると、蜜を尻の穴になすりつけた。

「あっ……!ダメって言ったよね?お尻の穴はダメ!」

 慌てて振り返るミミだがその目には期待の色。ぐりっと人差し指を差し込むと背を反らせて嬌声をあげる。指をグリグリとねじりながら、反対の手で尻を軽く叩く。

「アァアンッ!」

 尻が好きなんだよな、こいつは。俺だけが知っているミミの性癖に優越感を持ちながら俺は竿を真ん中の穴にねじ込んだ。

「ヒャアアァァッ」

 知らずにかミミは自分で腰をふり、乱れに乱れる。それを見ながら何度か尻を叩き、二度目の射精をする。
 夜が更けるまで俺とミミは喘ぎ、乱れて共に寝落ちした。

 早く、子供ができるといいな。俺は疲れ果てたミミを抱きしめながらそんなことを考えた。



Fin.



 読んでいただきありがとうございます。これが本当の最終回です。お疲れ様でした~。
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みんなの感想(6件)

リオン
2020.07.05 リオン

番外編お疲れ様でした(^^)家族で暮らせてなにより。息子が凄すぎる。家と田んぼの要求は可愛ですね。ムスターファは大変ですが、新たな作物の栽培は民のためになりますしいいですね。
ムスターファの子供のころからの苦労の連続がミミとの生活で軽減したらいいなと思いました。

里見知美
2020.07.05 里見知美

リオン様

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

無月君は何気にシルヴァーナとか、レドモンドとか、マサとか、ムスターファとかがいろいろ混じってますからね。普通に人間なんですが、そのうち何か出てくるかもしれないですよね。パーラちゃんをアルフと取り合いになるかもしれませんがね。ミミの性格を受け継いでいるので、まあ負けないとは思いますが。^_^;

豊かで争いのない国に発展するといいと思います。

解除
リオン
2020.06.29 リオン

番外編ありがとうございます(^^)ムスターファは神が治したと思ったら回復に時間がかかってたのですね。シルはミミが力を放出したから実体に戻ったと思っています。マサは神になったのですか?
ちなみにムスターファが好みです。筋骨隆々が好物でして。ヘムスワースさんの顔に鎧のような筋肉を想像して読んでいます(。♡‿♡。)

里見知美
2020.06.29 里見知美

リオン様

番外編も読んでいただきありがとうございますっ。嬉しいです。

ムスターファはひとまず黄泉に行きそうだったところを無理やり肉体に引き戻したのが神様でした。もともと治癒力が高いムー様でしたので、人工蘇生でなんとか生きながらえて、というところでしょうか。

シルヴァーナはリオン様のおっしゃる通り、ミミが力をすべて返還させたので、神力で元に戻りました。もともと神様ですからね。不老不死という設定で。なのでブルーノも神様としての力は降格によって取り上げられたものの、魂は府県のものとして封印という形になりました。って設定が表に出ていないので、なんとも不甲斐ないのですが。

マサは精神体として、銀月神の付属(ヒモ!?)になっています。が、魂が覚えているのは元々のマサの肉体ということで、そのうち体現化するかも?

番外編もう少し書き足す予定なので、また読んでくださると嬉しいです。ありがとうございます。

解除
リオン
2020.06.20 リオン

完結おめでとうございます!誤字報告です。父の退職語の話で「気の女の人」→「田舎の女の人」又はそこの地域の女の人なのかな?
毎日、たくさんの文字数を更新してくださり読みごたえありました(^^)
神達をギリシャ神に例えてくれてたので立ち位置がイメージしやすかったです。
主要メンバー皆がハッピーエンドで良かった(^^)
ジャハールは押しかけ女房ができるんですね(笑)ムスターファとミミは大事な話に限ってしてない感じなので同居生活後は相談しあってほしい。特にムスターファのほう。彼の人生に頼る存在が無かったから、こういう手段を使うのかなー?と思いながら読んでいました。

里見知美
2020.06.20 里見知美

リオン様、最後まで読んでいただきありがとうございました。完結に向けて気が急いていた所為もあって、色々すっ飛ばしましたね。すみません。誤字脱字も直しました。ありがとうございます。「気の女の人」は「近所の人」のつもりだったんですが、おや??でした。

本当は、ミミが日本に帰ってきてから鏡がポータルになるまでのやり取りや、ムスターファのとのやり取りもあったんですけど、気がついたらすっ飛ばしてました。ダメじゃん。(汗)

ミネルヴァさんについても、ちょっと以前に出てきただけでジャハールとの関わりがなかったので、しまったな感が強いです。サイドストーリーで書こうかなとも思っています。その際はまたどうぞお越しください。

解除
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