2 / 416
第1章 青年、異世界に降臨す
第2話 獣人
「ん?なんか反応がどんどん消えていってるな」
ゴブリンを倒した後、ステータスを確認していると俺の神眼に表示されていた敵の反応が次々に消滅していることに気が付いた。しかもどうやら、その反応はここから、そう遠くない場所のようだ。
「気になるな…行ってみるか」
俺は周囲を警戒しながら、その場所まで全速力で駆け抜けていった。ちなみに今の俺のステータスはこうである。
――――――――――――――――――――
シンヤ・モリタニ
性別:男 種族:人族 年齢:18歳
Lv 10
HP 1000/1000
MP 1000/1000
ATK 1000
DEF 1000
AGI 1000
INT 1000
LUK 測定不能
固有スキル
生殺与奪・神眼・王の権威・魔眼・状態異常無効・錬金術・不屈の闘志
武技スキル
刀剣術:Lv.MAX
体術 :Lv.MAX
剣術 :Lv.3
槍術 :Lv.3
斧術 :Lv.3
杖術 :Lv.3
魔法
火魔法 :Lv.1
水魔法 :Lv.1
土魔法 :Lv.1
風魔法 :Lv.1
無魔法 :Lv.2
空間魔法:Lv.2
称号
異世界からの来訪者・運の女神の加護・逆境に抗いし者・ご都合主義・恐怖を与える者
――――――――――――――――――――
武技スキルは刀剣術や体術が既にLv.MAXの為、別枠として、ストックできないかもしれないという心配はあったがそれは杞憂に終わった。あと、称号がなんか増えてた。
――――――――――――――――――――
恐怖を与える者
生きていることが苦痛に感じる程の恐怖を与えた者に贈られる称号。生物へ与えるダメージが増え、生物から受けるダメージが減る
――――――――――――――――――――
「ここか…」
時間にして5分くらいで俺は目的地に辿り着くことができた。周りを見渡すとあちこちに戦闘の跡が見受けられる。馬車が派手に横転し、積荷が全て投げ出され、所々、焼けた箇所がある。特に異臭を放つ場所に目を向けるとそこには魔物や人の死体が折り重なっていた。
「こんな状況だと生存者はいない…いや、待て。まだ、いるぞ」
少し離れた場所に恐怖で足が竦んで動けないであろう少女とその少女へと今、まさに襲い掛からんとするゴブリンの姿を俺は捉えた。少女は泥だらけになりながら、大量の涙を流してはいるものの、その目は生を諦めた者のそれとは到底思えなかった。となれば、このままただ黙って放っておけば、彼女に待っているのは十中八九、悲劇そのものである。
「縮地」
直後、俺は無意識のうちに発動していた。武技スキルの体術Lv.7を会得した者のみに扱える御技を。少女の運命を変える為に。
――――――――――――――――――――
(なぜ、こんなことになってしまったのだろう。私はこんな場所で魔物に殺される為に生まれてきたのだろうか?いや、違う。私が生まれてきた意味は必ず、どこかにあるはずだ。それを見つけられずに殺されるのは嫌だ。剣で斬られるのも嫌だ。痛いし、怖い。…やっぱり、死ぬのは嫌だ!こんなところで終わってたまるか!私は…もっと生きていたいんだ!!生きて生き抜いて、私の存在意義を見つけたいんだ!!)
「う、う、うわああぁぁー!!」
私がそう叫んだ直後、一陣の風が吹いた。その風が収まると目の前に人が立っていた。こちらに背中を向け、見たことのない武器を構えて。それはまるで御伽話に出てくる勇者様のように偉大な後ろ姿だった。私はこの時のことを生涯忘れることは決してないだろう。
「見つけた…私の勇者様…」
直後、私は安心感と蓄積された疲労により、そのまま倒れてしまった。でも、気を失うその直前、確かに見た。圧倒的な剣技で勇者様が魔物を一刀両断するその姿を。
――――――――――――――――――――
「うぅ~ん…?」
「お、気が付いたか?」
ゴブリンを倒した俺が後ろを振り返ると少女は気を失っていた。そのまま放置していれば、また襲われかねない為、この場所に留まることを決めた俺はあちらこちらに散乱する死体からスキルを回収することにした。その作業を数分で終わらせると周囲の警戒とステータスの確認をしていたのだが、思ったよりも早く少女の目が覚めたようだ。
「あれ?私はあの後…」
「もしかしたら、記憶がごっちゃになってるのかもな」
「そうかもしれないですね…って、ゆ、ゆ、ゆ、勇者様!?」
「ん?勇者様って俺のことか?」
「あ、あ、あのあの、この度は命を救って頂き」
「一旦、落ち着け。はい、深呼吸」
「は、はい!す~は~…す~は~…勇者様の匂い」
「だめだ、こいつ」
「はっ!す、すみません。まだ頭が上手く働いてないみたいで」
「本当か?」
「ほ、本当です。で、では改めまして…コホンッ」
居住まいを正し、こちらを見つめる少女。近くで見ると非常に整った容姿であることが窺える。腰のあたりまで伸びた銀髪、クリクリとした大きな目、鼻筋も綺麗に通っている。上半身に至ってはある一部分の主張が激しいものの、肌が白く華奢である。しかし、ボロボロな貫頭衣と泥だらけな現状が少女の良さを掻き消してしまっていることに俺は不快感を覚えた。もったいないと。だが、次の瞬間、それらを吹き飛ばすくらいの衝撃が俺を襲った。
「この度は命を救って頂き、誠にありがとうございます」
俺は見てしまったのだ。少女の頭の上にピコピコと動くあの耳を…。数々の作品に登場し、多くの読者から愛されてきたあの伝説のケモ耳を…。
「お、お前…まさか、獣人か?」
「へ?そ、そうですけど」
あなたにおすすめの小説
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。
死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。
命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。
自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。