3 / 416
第1章 青年、異世界に降臨す
第3話 契約
――――――――――――――――――――
ティア
性別:女 種族:獣人(狼人種)年齢:16歳
Lv 5
HP 73/85
MP 23/23
ATK 67
DEF 49
AGI 92
INT 53
LUK 100
固有スキル
獣化・限界突破・紫電・???
武技スキル
剣術:Lv.1
魔法
雷魔法:Lv.1
称号
獣神の加護・辿り着きし者・傅く者・恋する乙女
――――――――――――――――――――
俺は一言断りを入れて、目の前の少女…ティアのステータスを確認させてもらった。すると、種族が紛れもなく獣人と表示されていることや俺とそこまで歳が変わらないこと等が分かった。それ以外でいうと見たことのないスキルがちらほら見受けられる為、好奇心が抑えられない俺はそれらも細かく見ていった。
――――――――――――――――――――
獣化
HPが3割以下になった時に発動できる。一時的に全ステータスの値が1.5倍になり、嗅覚・聴覚・視覚が強化される。
限界突破
一日一回までしか使用できない。一時的に全ステータスの値を2倍にする。また、獣化との重ね掛けは可能
紫電
身体や武器に電気を纏う。AGIに補正がかかる。
???
未だ解放されていないスキル
――――――――――――――――――――
「どれも強そうなスキルばかりだな…さて、次は称号を見てみるか」
――――――――――――――――――――
獣神の加護
獣神ケルヌンノスの加護。AGIの値に補正。
辿り着きし者
自身の目的を見出し、そこへと辿り着いた者に与えられる称号。LUKの値に補正。
傅く者
仕えるべき主に巡り会った者に与えられる称号。全ステータス補正。
恋する乙女
恋する乙女。両想いになる日を夢見て、全速力。全ステータス補正
――――――――――――――――――――
「…最後のはよく分からんが、とりあえず凄いな」
「あ、あの~」
俺がステータスを確認して、ひとしきり唸っているとティアが遠慮がちに声を掛けてきた。
「ん?あぁ、すまん。つい考えごとをしてたわ」
「いえ!滅相もございません!」
「それで…どうした?」
「ゆ、勇者様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「あ、自己紹介もまだだったな。悪い。俺の名前はも…シンヤ・モリタニだ」
「…シンヤ様」
「おう。で、お前はティアだよな?ステータスにはそう記載されていた」
「は、はい!ティアと申します!不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します!」
「なんか固いな…まぁ、いいか。それでティアはどうして、こんなところにいたんだ?言い方は悪いが、ゴブリン一匹すら倒せそうになかっただろ」
「あ…はい。その説明をしたいのは山々なんですが、契約上できないことになっているんです。すみません」
「契約?」
「…ここを見てください」
そう言って、ティアが見せてきたのは手の甲に浮かぶ不可解な紋章のようなものだった。ぱっと見、刺青でもなければ、アートでもなさそうだ。
「これは?」
「奴隷契約の証です」
「奴隷契約…」
「はい。この契約によって、私がなぜ、ここにいるのか、どうやってここまで来たのかが話せない状態なんです」
「それは…どうにかならないのか?」
「普通は無理です。契約の破棄や上書きは奴隷商の方々が持っている奴隷契約という固有スキルがないと」
「そうか…ん?待てよ。奴隷契約?」
「どうされたんですか?」
「いや、さっき馬車の近くの死体から奪ったスキルにそんなものがあったような…お、あったぞ!」
「えぇ~~!!…って奪った!?」
「ま、細かいことは後で話すから、まずはその契約を消すのが先決だろ?」
「え…私なんかの為によろしいんでしょうか?」
「さっき、ステータスを見せてくれた礼だ。それと自分のことをそんなに卑下するな。自分の価値が下がっちまうぞ」
「あ、はい…でも、やっぱり、おかしいですよ!私は命まで助けてもらってるんですから」
「その命の恩人が気にするなって言ってんの。いいから、ごちゃごちゃ言わずに手を出せ」
「は、はい!ではお願い致します」
奴隷契約のやり方は称号、ご都合主義のおかげでなんとなく分かったが緊張した。ティアは俺に全幅の信頼を置いてくれている。根拠はないが、なんとなく伝わってくるものがあった。…決して、失敗はできない。
「奴隷契約!」
直後、ティアの手の甲の紋章が掻き消され、新たな紋章が浮かび上がった。…成功か?
「や、やりました!シンヤ様、ありがとうございます!!」
「いや、ティアの方こそ、おめでとう。よく頑張ったな」
「ふえぇぇ…良かった、良かったよ~」
その姿を見て、俺はほっと胸を撫で下ろした。これでもう、ティアを縛るものはなにもない。自由なんだ。
「奴隷契約は破棄されるし、新しい素敵なご主人様が決まるし、良いことだらけだよぉ~」
「ん?」
しかし、喜びを噛み締めているティアの放った言葉の中に聞き捨てならない文を聞いてしまった俺はこのままサラッと流してはいけないと思い、即座に問いただした。
「新しいご主人様って、どういうことだ?」
「言葉通りの意味ですが…奴隷契約が更新されて、主が奴隷商からシンヤ様に変わったので…」
「ちょっと待て。つまり、こういうことか?以前の奴隷契約が破棄された直後、そのまま俺がティアと契約を結んでしまったと」
「はい!私、それがとても嬉しくて…シンヤ様、何から何まで本当にありがとうございます!!」
この喜び様…。口が裂けても言えない。本当はそこまでするつもりはなかったと。この笑顔は何としてでも守りたい…。
「…何で、そんなに嬉しいんだ?」
「それも含めて私の身に一体、何が起こったのかご説明させて頂いてもよろしいでしょうか?大変、お耳汚しな内容となっておりますが…」
「俺にとっては大事な内容だ。お前のことが知りたいから、話してくれ」
「では僭越ながら、私は…」
そこから、ティアによって語られた話は今後の俺の行動を決定付けるに難くないほどのものだった。
あなたにおすすめの小説
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。
死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。
命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。
自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。