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第19話 迷子の夜
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帰り道、ほのかに夕焼け色に染まりはじめた空を見上げながら、俺は鼻歌まじりに家へ向かった。今日も一日、よく動いた。訓練もばっちり。
(ちょい本気コースはもう卒業済み。今は……そう、地味に本気コース進行中って感じかな)
ネーミングのわりに地味じゃないメニューが多くて、ちょっと詐欺っぽいけど。
家に近づくと、窓からいい匂いが流れてきた。おお、これは――
「今日の晩ごはん、肉じゃがだ!」
勝利を確信して玄関を開けると、キッチンから母さんの声が飛んできた。
「あら、帰ったわね。おかえりなさい、ユーリ!」
「ただいまー!」
「お、ユーリ。訓練どうだった?」
テーブルの前にいた父さんが、鍋から湯気が立ち上るのを見ながら声をかけてきた。
「うん、ロープもばっちりだったし、模擬戦もいい勝負ができたよ!」
「おお、すごいじゃないか!」
「……ちょっと前までは、ロープに抱きついて“助けて~”って顔してたのにねぇ」
「そ、それは初回の話だよ! あれは滑ってただけだもん!」
母さんがくすくす笑いながら、鍋のふたを開ける。ぐつぐつ煮えた肉じゃがの匂いが、部屋中に広がっていった。
「ふふ、頑張ったご褒美に、お肉多めに入れておいたわよ」
「わーい!」
「ってことは……俺の分、減ってるんじゃ……?」
父さんが目を細めると、母さんがにっこりと笑って答える。
「ちゃんと、お野菜たっぷりにしてあるから安心して」
「野菜でカサ増しは勘弁してくれぇ……」
そんな会話をしながら、俺たちはいつものようにテーブルを囲んだ。湯気の向こうに笑顔が並ぶだけで、胸の奥がふわっとあったかくなる。
湯気の向こうに並ぶ顔も、匂いも、喋っている声も、全部が心地いい。
(……ふふ、こういうのって、やっぱりいいな)
ほくほくのじゃがいもをぱくりと食べて、思わず笑みがこぼれた。
食事が終わり、父さんが新聞みたいな紙束を読んでいる間、俺は母さんと一緒に食器を片づけた。
「お皿、洗うの手伝うね」
「ありがとう。ほんとに助かるわ、ユーリってば」
「洗い物も腕の筋トレになるからさ」
「うふふ……じゃあ今度から、大鍋のほうもお願いしようかしら」
「う……や、やれるけどね?」
そんな会話をしていると、表からどたばたと足音が聞こえてきた。村の子どもが玄関に駆け込んできて、息を切らしながら叫んだ。
「おばさーん! たいへんだよ! ルッカがまだ帰ってきてないの!」
「えっ……?」
ルッカは、俺と同い年の男の子。元気で走り回るのが大好きで、よく木登りとかしてるけど……今の時間に帰ってないのは、たしかにちょっとおかしい。
「ルッカの家の人が探してるんだって! どこにもいないって、すごく心配してた!」
そう叫ぶと、子どもはまた慌ただしく飛び出していった。どうやら、村中を駆け回って伝えているらしい。あちこちで「ルッカがいないってよ!」「えっ、ほんとに!?」と、声が上がるのが聞こえてくる。
そのうち、大人たちの足音や、戸を開ける音も混ざりはじめた。ざわざわと、村の空気が騒がしくなっていく。ちょうど父さんも家の奥から出てきた。
「どうした? なんだか騒がしいな」
「ルッカが帰ってきてないって! 村中探してるみたい!」
「……そうか。ルッカが? それは放っておけんな……」
少しだけ眉をひそめてから、父さんは俺の顔を見て言った。
「じゃあ、俺は東側を探してみる。お前も行くんだろ? くれぐれも無理するなよ。心配だから、暗いところは絶対に1人で入るな」
父さんはそう言うと、懐中灯代わりのランタンを手にして、静かに駆け出していった。
「まぁ……!」
母さんが顔を強ばらせた。俺も、ぞわっと背中が冷える。
(……まさか、何かに巻き込まれた?)
「ユーリ、ちょっと行って様子を見てきてくれる?」
「うん、すぐ行ってくる!」
玄関で靴を履き、外へ飛び出した。辺りはもう夕闇が広がっていて、提灯の灯りがぽつぽつとついている。急ぎ足で広場へ向かうと、すでに何人かの大人たちが集まって騒ぎ始めていた。
「ルッカがいないって!? ええ、また木の上に登って降りられなくなったんじゃ……?」
「この前も秘密基地作る!って言って木の根元に穴掘ってたしなぁ」
「まったくあの子は……って笑ってる場合じゃないよね!?」
「リノアー! ルッカ見てない!?」
声をかけると、すぐにリノアが顔を出した。
「え、ルッカ? ううん、今日は見てない……って、ちょっと待って、さっき探検ごっこするって言ってたかも!」
「探検ごっこ?」
「うん、いつもとちがう道を行くんだ!って張り切ってて……」
「えぇ……それ、大丈夫かな……?」
俺とリノアは顔を見合わせ、広場から駆け出した。
ルッカのいつもとちがう道候補をしらみつぶしに探すことになり、広場、畑、家と家の間の路地、川のほとり、納屋の裏……と走り回った。
「リノア、そっち見た?」
「うん、でもいなかった! そっちは!?」
「ちっちゃい足跡はあったけど、途中で消えてた!」
「それ、余計にこわいやつだよ!?」
あたりはすっかり暗くなってきて、リノアも焦り気味。俺も内心ドキドキしてる。
(くそ、なんでルッカ、わざわざいつもと違うルートとか言い出したんだよ……!)
そのとき。
「ユーリー! リノアー!」
遠くからロイの声が響いた。振り返ると、自警団の数人が提灯を手に駆け寄ってくる。
「ルッカのやつ、いたぞー!」
「ほんと!?」
「納屋の裏の木箱の中に入って、寝てた! 探検の休憩中だったらしい!」
「……ええぇぇぇぇっ!?」
全員、膝から崩れ落ちた。
そもそも、あの木箱の中なんて誰も覗かない。というか、人が入れるサイズだと思ってなかった。どうやら中には毛布が突っ込まれていて、それがちょうどいい寝床に見えたらしい。
(いやいやいや、そこ隠れ場所というより、収納スペースだから!)
思わずツッコミを入れたくなるような状況に、もう笑うしかなかった。
その日の夜、村ではルッカ救出祝いという名目で、なぜか軽い宴が開かれた。自警団の人たちがパンやスープを持ち寄って、広場でちょっとした集まりに。
当のルッカはというと――
「ふわぁぁぁ……ねむい……探検つかれた……」
父親に抱っこされながら、ぐずぐずと眠そうな顔をしていた。
「お前なぁ! この騒ぎ、全部お前のせいなんだからな! 今度から冒険するときは、必ず言ってから行け!」
「うん……言う……たぶん……」
「たぶんじゃなーい!」
笑い声が一斉に広がって、場の空気が一気にゆるんだ。リノアはふぅっと息を吐いて、その場にぺたんと腰を下ろした。
「はぁ……もう、心臓に悪いんだから……」
「こっちはもう、どこかで迷子になったとか森に入っちゃったんじゃとか、本気で心配してたんだから!」
「それは考えすぎ!」
「いや、ルッカだよ? あり得なくは……」
「うーん、ちょっとわかるかも……」
またどっと笑いが起きる。
提灯の明かりがふわっと揺れて、子どもたちの笑い声と、大人たちの安堵した顔が広場に広がっていた。
(……ふふ。なんだかんだで、今日も楽しかったな)
湯気の立つスープをひと口すすってから、静かな夜空を見上げた。
(ちょい本気コースはもう卒業済み。今は……そう、地味に本気コース進行中って感じかな)
ネーミングのわりに地味じゃないメニューが多くて、ちょっと詐欺っぽいけど。
家に近づくと、窓からいい匂いが流れてきた。おお、これは――
「今日の晩ごはん、肉じゃがだ!」
勝利を確信して玄関を開けると、キッチンから母さんの声が飛んできた。
「あら、帰ったわね。おかえりなさい、ユーリ!」
「ただいまー!」
「お、ユーリ。訓練どうだった?」
テーブルの前にいた父さんが、鍋から湯気が立ち上るのを見ながら声をかけてきた。
「うん、ロープもばっちりだったし、模擬戦もいい勝負ができたよ!」
「おお、すごいじゃないか!」
「……ちょっと前までは、ロープに抱きついて“助けて~”って顔してたのにねぇ」
「そ、それは初回の話だよ! あれは滑ってただけだもん!」
母さんがくすくす笑いながら、鍋のふたを開ける。ぐつぐつ煮えた肉じゃがの匂いが、部屋中に広がっていった。
「ふふ、頑張ったご褒美に、お肉多めに入れておいたわよ」
「わーい!」
「ってことは……俺の分、減ってるんじゃ……?」
父さんが目を細めると、母さんがにっこりと笑って答える。
「ちゃんと、お野菜たっぷりにしてあるから安心して」
「野菜でカサ増しは勘弁してくれぇ……」
そんな会話をしながら、俺たちはいつものようにテーブルを囲んだ。湯気の向こうに笑顔が並ぶだけで、胸の奥がふわっとあったかくなる。
湯気の向こうに並ぶ顔も、匂いも、喋っている声も、全部が心地いい。
(……ふふ、こういうのって、やっぱりいいな)
ほくほくのじゃがいもをぱくりと食べて、思わず笑みがこぼれた。
食事が終わり、父さんが新聞みたいな紙束を読んでいる間、俺は母さんと一緒に食器を片づけた。
「お皿、洗うの手伝うね」
「ありがとう。ほんとに助かるわ、ユーリってば」
「洗い物も腕の筋トレになるからさ」
「うふふ……じゃあ今度から、大鍋のほうもお願いしようかしら」
「う……や、やれるけどね?」
そんな会話をしていると、表からどたばたと足音が聞こえてきた。村の子どもが玄関に駆け込んできて、息を切らしながら叫んだ。
「おばさーん! たいへんだよ! ルッカがまだ帰ってきてないの!」
「えっ……?」
ルッカは、俺と同い年の男の子。元気で走り回るのが大好きで、よく木登りとかしてるけど……今の時間に帰ってないのは、たしかにちょっとおかしい。
「ルッカの家の人が探してるんだって! どこにもいないって、すごく心配してた!」
そう叫ぶと、子どもはまた慌ただしく飛び出していった。どうやら、村中を駆け回って伝えているらしい。あちこちで「ルッカがいないってよ!」「えっ、ほんとに!?」と、声が上がるのが聞こえてくる。
そのうち、大人たちの足音や、戸を開ける音も混ざりはじめた。ざわざわと、村の空気が騒がしくなっていく。ちょうど父さんも家の奥から出てきた。
「どうした? なんだか騒がしいな」
「ルッカが帰ってきてないって! 村中探してるみたい!」
「……そうか。ルッカが? それは放っておけんな……」
少しだけ眉をひそめてから、父さんは俺の顔を見て言った。
「じゃあ、俺は東側を探してみる。お前も行くんだろ? くれぐれも無理するなよ。心配だから、暗いところは絶対に1人で入るな」
父さんはそう言うと、懐中灯代わりのランタンを手にして、静かに駆け出していった。
「まぁ……!」
母さんが顔を強ばらせた。俺も、ぞわっと背中が冷える。
(……まさか、何かに巻き込まれた?)
「ユーリ、ちょっと行って様子を見てきてくれる?」
「うん、すぐ行ってくる!」
玄関で靴を履き、外へ飛び出した。辺りはもう夕闇が広がっていて、提灯の灯りがぽつぽつとついている。急ぎ足で広場へ向かうと、すでに何人かの大人たちが集まって騒ぎ始めていた。
「ルッカがいないって!? ええ、また木の上に登って降りられなくなったんじゃ……?」
「この前も秘密基地作る!って言って木の根元に穴掘ってたしなぁ」
「まったくあの子は……って笑ってる場合じゃないよね!?」
「リノアー! ルッカ見てない!?」
声をかけると、すぐにリノアが顔を出した。
「え、ルッカ? ううん、今日は見てない……って、ちょっと待って、さっき探検ごっこするって言ってたかも!」
「探検ごっこ?」
「うん、いつもとちがう道を行くんだ!って張り切ってて……」
「えぇ……それ、大丈夫かな……?」
俺とリノアは顔を見合わせ、広場から駆け出した。
ルッカのいつもとちがう道候補をしらみつぶしに探すことになり、広場、畑、家と家の間の路地、川のほとり、納屋の裏……と走り回った。
「リノア、そっち見た?」
「うん、でもいなかった! そっちは!?」
「ちっちゃい足跡はあったけど、途中で消えてた!」
「それ、余計にこわいやつだよ!?」
あたりはすっかり暗くなってきて、リノアも焦り気味。俺も内心ドキドキしてる。
(くそ、なんでルッカ、わざわざいつもと違うルートとか言い出したんだよ……!)
そのとき。
「ユーリー! リノアー!」
遠くからロイの声が響いた。振り返ると、自警団の数人が提灯を手に駆け寄ってくる。
「ルッカのやつ、いたぞー!」
「ほんと!?」
「納屋の裏の木箱の中に入って、寝てた! 探検の休憩中だったらしい!」
「……ええぇぇぇぇっ!?」
全員、膝から崩れ落ちた。
そもそも、あの木箱の中なんて誰も覗かない。というか、人が入れるサイズだと思ってなかった。どうやら中には毛布が突っ込まれていて、それがちょうどいい寝床に見えたらしい。
(いやいやいや、そこ隠れ場所というより、収納スペースだから!)
思わずツッコミを入れたくなるような状況に、もう笑うしかなかった。
その日の夜、村ではルッカ救出祝いという名目で、なぜか軽い宴が開かれた。自警団の人たちがパンやスープを持ち寄って、広場でちょっとした集まりに。
当のルッカはというと――
「ふわぁぁぁ……ねむい……探検つかれた……」
父親に抱っこされながら、ぐずぐずと眠そうな顔をしていた。
「お前なぁ! この騒ぎ、全部お前のせいなんだからな! 今度から冒険するときは、必ず言ってから行け!」
「うん……言う……たぶん……」
「たぶんじゃなーい!」
笑い声が一斉に広がって、場の空気が一気にゆるんだ。リノアはふぅっと息を吐いて、その場にぺたんと腰を下ろした。
「はぁ……もう、心臓に悪いんだから……」
「こっちはもう、どこかで迷子になったとか森に入っちゃったんじゃとか、本気で心配してたんだから!」
「それは考えすぎ!」
「いや、ルッカだよ? あり得なくは……」
「うーん、ちょっとわかるかも……」
またどっと笑いが起きる。
提灯の明かりがふわっと揺れて、子どもたちの笑い声と、大人たちの安堵した顔が広場に広がっていた。
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