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神様に甘やかされるってナニ?
また会う日まで
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ケモさんに抱き締められた後、僕は色々な事を教えて貰った。
ケモさんの名前はヴィペル
神様の2番目に偉い人なんだって。
神様に撫でられてて良いのかな~って思ってたら、もっとギュってされたから、良いのかなぁ?
ヴィペルさんは、この場所に来た人達を、異世界に転生させるお仕事をしているみたい。
僕が転生するのは、数ある異世界の中の1つ、キャメル。
僕がケモを好きだって事を教えたら、簡単にOKが貰えたよ!
ちなみに、僕も転生したら獣人さんになってるんだって。
ヴィペルも、何になるかは分からないみたい。
楽しみだなぁ……
そんな事やあんな事を話して僕達は楽しい時間を過ごした。
「イスル、そろそろ転生しなければいけないみたいだ。」
「……どうして?」
先程までの時間が楽しくて、つい口に出てしまった。
「この場所に、一定時間以上いると、その人の魂は強制的に消滅させられてしまうんだ。
そんな事、嫌だろ?だけど、大丈夫。
私はずっとイスルの事を見守っているよ。
イスルが会いたいと思った時に会えるさ」
どうやって?と聞こうとしたら、ヴィペルは僕の頭をそっと撫でて
「心配しなくていいよ。楽しみが増えるとでも思っていなさい。」
微笑みながら僕に言い聞かせた。
ヴィペルがそう言うのなら大丈夫だろう。
「さぁ、もう少しで時間だ。この魔方陣に立ってくれるかい?」
ヴィペルが頭から手を離し、僕の肩に回す。
ふわりとした毛が首筋を撫でる。
もう、ヴィペルとお別れなんだ。
でも、ちゃんと会えるよね。
「ヴィペル、ありがとう」
「ふふ、君は素直で良い子だ。また会える日を待っているよ。
あぁ、それと、コレを持っていくといい」
そう言うと、ヴィペルは何処からかキラキラとした何かを取り出して、僕の首に掛けた。
それは、よく見ると銀色の鳥の羽の様な物で、羽に光が当たることで反射し、キラキラと輝いているようだった。
「これは?」
「君のためのお守りだよ。コレを持っていれば、誰も君を傷つける事はしない。」
ヴィペルと視線が絡み、再び抱き締められる。
「また、会う日まで」
「うん。ヴィペル、ありがとう。」
さっきと同じ言葉
だけど、さっきよりも心を込めて……
「イスル・サイバラ、キャメルへの転生を許可する。」
ヴィペルが魔方陣に手をかざしながら、そう唱えると、魔方陣が光り出す。
とても神秘的だった。
ヴィペルが少し離れた所に立つと、魔方陣が一層光を増し、眩しいくらいになる。
僕、本当に転生するんだ。
死んでしまったけれど、コレはコレで良かったかもしれない。
「さよなら、ヴィペル」
……最後に伝えておこう。
「─────大好き」
言葉を放った瞬間、僕は光に包まれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
去り際に美し過ぎる笑みを零していったイスルに、ヴィペルは悶えるのであった。
ケモさんの名前はヴィペル
神様の2番目に偉い人なんだって。
神様に撫でられてて良いのかな~って思ってたら、もっとギュってされたから、良いのかなぁ?
ヴィペルさんは、この場所に来た人達を、異世界に転生させるお仕事をしているみたい。
僕が転生するのは、数ある異世界の中の1つ、キャメル。
僕がケモを好きだって事を教えたら、簡単にOKが貰えたよ!
ちなみに、僕も転生したら獣人さんになってるんだって。
ヴィペルも、何になるかは分からないみたい。
楽しみだなぁ……
そんな事やあんな事を話して僕達は楽しい時間を過ごした。
「イスル、そろそろ転生しなければいけないみたいだ。」
「……どうして?」
先程までの時間が楽しくて、つい口に出てしまった。
「この場所に、一定時間以上いると、その人の魂は強制的に消滅させられてしまうんだ。
そんな事、嫌だろ?だけど、大丈夫。
私はずっとイスルの事を見守っているよ。
イスルが会いたいと思った時に会えるさ」
どうやって?と聞こうとしたら、ヴィペルは僕の頭をそっと撫でて
「心配しなくていいよ。楽しみが増えるとでも思っていなさい。」
微笑みながら僕に言い聞かせた。
ヴィペルがそう言うのなら大丈夫だろう。
「さぁ、もう少しで時間だ。この魔方陣に立ってくれるかい?」
ヴィペルが頭から手を離し、僕の肩に回す。
ふわりとした毛が首筋を撫でる。
もう、ヴィペルとお別れなんだ。
でも、ちゃんと会えるよね。
「ヴィペル、ありがとう」
「ふふ、君は素直で良い子だ。また会える日を待っているよ。
あぁ、それと、コレを持っていくといい」
そう言うと、ヴィペルは何処からかキラキラとした何かを取り出して、僕の首に掛けた。
それは、よく見ると銀色の鳥の羽の様な物で、羽に光が当たることで反射し、キラキラと輝いているようだった。
「これは?」
「君のためのお守りだよ。コレを持っていれば、誰も君を傷つける事はしない。」
ヴィペルと視線が絡み、再び抱き締められる。
「また、会う日まで」
「うん。ヴィペル、ありがとう。」
さっきと同じ言葉
だけど、さっきよりも心を込めて……
「イスル・サイバラ、キャメルへの転生を許可する。」
ヴィペルが魔方陣に手をかざしながら、そう唱えると、魔方陣が光り出す。
とても神秘的だった。
ヴィペルが少し離れた所に立つと、魔方陣が一層光を増し、眩しいくらいになる。
僕、本当に転生するんだ。
死んでしまったけれど、コレはコレで良かったかもしれない。
「さよなら、ヴィペル」
……最後に伝えておこう。
「─────大好き」
言葉を放った瞬間、僕は光に包まれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
去り際に美し過ぎる笑みを零していったイスルに、ヴィペルは悶えるのであった。
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