帰ってきました浦島太郎

カロット

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エピローグ後のプロローグ

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乙姫と名乗る美女に貰った箱を開け、出てくる白煙にむせる事数分、やっとの事で呼吸を整え、俺は自分の手足を見て仰天した。

「なんじゃこりゃぁぁ‼︎...」

逞しく、ハリのあった腕は干し柿の様な有様だった。
何度揉んでも目をこすっても、元に戻る様子は無い。
俺はどうしてしまったのか、今の煙は何だったのか、目まぐるしく巡る思考のせいで、俺の頭からも白煙が出そうだ。

俺は頭を抱え、悪夢から覚めるのを願って目を固く瞑り手を合わせる。
一向に覚めぬ夢、浜辺特有の音と匂いに現実を言うものを思い知らされて行く。
閉じた目に映るのは乙姫なる人物の、別れ際のあの笑顔...。
まるでイタズラが成功した様な、人を取って食った様な。そんな笑みでは無かったか?....

「はは.....ははははは!」

海で狸に騙された、もう俺は笑うしか無かった。


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