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6話 神を召喚したんだが

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 「想像していたよりは広いな」

 俺達は500セリンを支払い、この部屋を借りた。
 作りは古いものの、別に汚いわけでもなしい、狭いわけでもない。
 でも、もう2人召喚するにはちょっと狭いかもしれない……。

 それに、あのスキルを頻繁に発動させてもいいのか分からないんだよなぁ。

 「ここで召喚するんだな」
 「一応そのつもりだけど、狭くならない?」
 「まぁ……いいのではないか」

 絶対良くないだろ!
 でも、神の頼みを断るわけにはいかない。
 神達よ! 
 狭くなっても文句言うなよ!

 「スキル《神族召喚》」

 俺はそう言い放つと、グラが出てきたように目の前が金色に光りだした。
 さらに今回は2人召喚したため、その分光が強い。

 少し薄暗かった部屋は、次第に明るさが増していき、そして元の薄暗さに戻った。

 光が消えたのが瞼の下からでもわかり、ゆっくりと目を開けると、そこにはグラ以外に2人いた。

 紫の髪を肩まで伸ばし、赤紫の瞳に花柄が入っている少女と、短髪の赤毛を生やして、炎のように燃える瞳を持つ男がいた。
 召喚が失敗していなかったら、3大神のヘルラレンとジューザラスのはずだけど……。

 「召喚は成功だな」
 
 どうやら成功したらしい。
 グラは何故か満足そうに頷きながら、金髪を靡かせる。

 「召喚してくれてありがとー。私の名前はヘルラレンだよ。ほら、ジューザラスも挨拶を――」
 「うるせぇ! 俺は人間に感謝なんてしねぇぞ!」
 「こんな奴だけどよろしくねー」
 「は、はぁ……。俺は名前はライだ。よろしくな」

 やばい。
 結構やばいやつを召喚してしまったんじゃないか……?
 ジューザラスなんて、服がボロボロになってるし。
 本当に神様なのか……?
 
 「あぁ! なんだ文句あんのか!」
 「まさか! 神に文句だなんて!」

 文句大ありだよ!
 召喚して数秒しかたっていないのに、もうこんな怒鳴られてるし、なんかずっと睨まれてるし!
 この神達と、これからずっと暮らすのかよ!

 俺は説明を求める意味で、グラの方を見るがただ笑っているだけだ。
 こんな話聞いてない……!

 「ふん! ここが人間の世界か。前に来たのは500年前だからな、随分変わっちまったな」

 神って一体いつから存在しているのだろうか。
 もしかして、この世界が誕生してから生きてるとか……。
 そう思ったら、グラを見ると結構美女だけど、俺よりも遥かに年上ってなんか不思議だな。

 「おいテメェ!」
 「はい!」
 「ライって言ったな」
 「そうだけど」
 
 頼むから面倒臭いことに巻き込まないでくれよ。

 「今から狩行くぞ。食糧調達だ」

 神と狩りとか、絶対に危険な目に遭っちまうよ……。
 
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