君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第3章  いびつなトライアングル

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なんとなく誰かに聞いてほしくて、雪子のことを一番よく知る人物を呼び出した。こうなったら、相手が年下であろうとなんだろうと、相談する相手に文句はない。

その日の夕方、部屋にやってきたのは、佃島滋だ。

こいつが、後腐れなくちょうどいい回答をくれるような気がした。年下に相談するのは本来シャクだけど、この際俺の中の答えのない疑問を、いち早くなんとか解決したかった。

「うわっはっは!!やられたな、坂井さん!雪子のほうが、やっぱり一枚上手だな」

なんか、即答で笑うこいつをぶん殴りたくなった。滋は俺んちに缶ビールをケースで持ってやって来た。そう。こいつもやっと二十歳になったから、こうして酒が飲める。男の付き合いには、酒はやっぱり付き物だ。

「笑うな!てか、笑いすぎだろ」

「いやいや。もうこじれ過ぎててウケる!」

そう言って「いひひひひ」と腹を抱えて笑い転げている。ちゃぶ台に敷いているラグの上で胡座をかいて、滋は笑いながら缶ビールをグイッと喉に流し込んだ。鼻の穴にピーナッツ突っ込んでやろうか。こいつなら、それでもピーナッツ入れたまま、笑って酒が飲めるタイプかもしれないな。

「普通さ、あの場合、これから付き合うことになるのか?とか、好きだ、とか?そういう話をして、甘えたりしてくるもんなんじゃないの?なのに、なんだあれ。あのあっけなさ。女か?あいつ、女か?!ハジメテじゃなくなったら、あんなにも冷めるものなのか?」
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