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第5章 奇跡のあと
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目を閉じてそんなことを考えていると、なんだか眠くなってきた。少し、眠ろうかな。私も、夕べほとんど寝ていなかったし。
その時。少しだけ夢を見た。
萌梨が出てきた。高校の制服を着ている萌梨は、笑って私に言う。
「渡部さん。ありがとう。一年のとき、話せるようになって、すごく嬉しかった。私ね、親友っていなかったから、名前で呼び合えるような仲になれたらいいなって思ったよ。でもあんなことがあって、あからさまに避けて、ごめんね。それでも、助けようと動いてくれたこと、感謝してる。これから、祐と美夜、圭太くんのこと、よろしくね。凜のことも、よろしくね。…名前で呼ばせてもらっていいかな。雪子ちゃん。友達になってくれて、本当にありがとう。大好き」
「雪子?」
声をかけられて、私はハッと目を開けた。すると、坂井さんが腰にタオルだけ巻いて現れて、寝てしまった私の顔を覗き込んでいた。
「あれ、私…寝てた?」
「うん。泣いてる」
「え?あっ…」
坂井さんが私の頬に伝っている涙を拭うと、私は自分で驚いていた。
なんか、夢を見ていたような気がする。暖かくて、嬉しくなるようなことを誰かに言われたような。でも、誰が出てきたのか。
私が首をひねって考え込んでいると、ふと坂井さんがベッドに上がって私の上を這いつくばって、上から私を見下ろした。
「雪子。ほんとに、結婚するのか?あいつのことが、好きか?」
まだそんなこと言ってる。
その時。少しだけ夢を見た。
萌梨が出てきた。高校の制服を着ている萌梨は、笑って私に言う。
「渡部さん。ありがとう。一年のとき、話せるようになって、すごく嬉しかった。私ね、親友っていなかったから、名前で呼び合えるような仲になれたらいいなって思ったよ。でもあんなことがあって、あからさまに避けて、ごめんね。それでも、助けようと動いてくれたこと、感謝してる。これから、祐と美夜、圭太くんのこと、よろしくね。凜のことも、よろしくね。…名前で呼ばせてもらっていいかな。雪子ちゃん。友達になってくれて、本当にありがとう。大好き」
「雪子?」
声をかけられて、私はハッと目を開けた。すると、坂井さんが腰にタオルだけ巻いて現れて、寝てしまった私の顔を覗き込んでいた。
「あれ、私…寝てた?」
「うん。泣いてる」
「え?あっ…」
坂井さんが私の頬に伝っている涙を拭うと、私は自分で驚いていた。
なんか、夢を見ていたような気がする。暖かくて、嬉しくなるようなことを誰かに言われたような。でも、誰が出てきたのか。
私が首をひねって考え込んでいると、ふと坂井さんがベッドに上がって私の上を這いつくばって、上から私を見下ろした。
「雪子。ほんとに、結婚するのか?あいつのことが、好きか?」
まだそんなこと言ってる。
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