君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第5章 奇跡のあと

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目を閉じてそんなことを考えていると、なんだか眠くなってきた。少し、眠ろうかな。私も、夕べほとんど寝ていなかったし。



その時。少しだけ夢を見た。


萌梨が出てきた。高校の制服を着ている萌梨は、笑って私に言う。

「渡部さん。ありがとう。一年のとき、話せるようになって、すごく嬉しかった。私ね、親友っていなかったから、名前で呼び合えるような仲になれたらいいなって思ったよ。でもあんなことがあって、あからさまに避けて、ごめんね。それでも、助けようと動いてくれたこと、感謝してる。これから、祐と美夜、圭太くんのこと、よろしくね。凜のことも、よろしくね。…名前で呼ばせてもらっていいかな。雪子ちゃん。友達になってくれて、本当にありがとう。大好き」



「雪子?」

声をかけられて、私はハッと目を開けた。すると、坂井さんが腰にタオルだけ巻いて現れて、寝てしまった私の顔を覗き込んでいた。

「あれ、私…寝てた?」

「うん。泣いてる」

「え?あっ…」

坂井さんが私の頬に伝っている涙を拭うと、私は自分で驚いていた。

なんか、夢を見ていたような気がする。暖かくて、嬉しくなるようなことを誰かに言われたような。でも、誰が出てきたのか。 

私が首をひねって考え込んでいると、ふと坂井さんがベッドに上がって私の上を這いつくばって、上から私を見下ろした。

「雪子。ほんとに、結婚するのか?あいつのことが、好きか?」

まだそんなこと言ってる。
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