君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第8章 さよならの予感

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そう思って、箸を丼の上に乗せて立ち上がり、インターホンの受話器を取り上げて耳に当てた。そしてモニターを見ると、雪子が立っていた。

「雪子?こんな時間に…」

「ごめん。急に…。会いたくなって」

素直に雪子が言うと、俺はすぐに受話器を置いて玄関のドアを開けた。目の前に雪子が立っていて、寒い中急いで来たのか、頬がほんのりと赤い。

「どうした?今日は親父さん達、揃って家にいるんだろ?」

俺が言うと、雪子は涙ぐんで俺にしがみついてきた。

「木村さんに…部屋に入られて…」

少し震えた声で雪子が言うと、俺は一瞬で木村の顔を思い浮かべ腹わたが煮えくりかえるくらいムカついてしまった。雪子の背中に腕を回してギュッと抱きしめると、

「何かされたか?」

「…キス、された…」

「なに?!」

「カウントダウン始まる前に理に電話するつもりだったから、起きてようと思ったんだけど、つい眠くなって、部屋で寝ちゃってたの。そしたら…いつの間にか入ってきてて」

あいつ、マジで一回殺してやろうか!ぶん殴りたい。顔の形が変わるくらい、殴りつけたい…!

「お母さんにすぐ言おうと思ったけど、何となく言えなくて…友達と除夜の鐘鳴らしに行ってくるって言って出てきたの」

寒いから震えているだけじゃなかったのか。
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