君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第8章 さよならの予感

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「こうして、一緒にいる…」

雪子の言葉は、暖かくて胸に染みる。こんなに俺のことを思ってくれてる。それが、素直に嬉しい。なのに、雪子が本当は一番欲しい言葉を、かけてやることはできない。一緒にいられるなら、それだけでいい、なんて言えない。俺の仕事は、そういう安心感なんてないから。

俺はそんな自分の中の不安を閉じ込めて、口の周りをティッシュで拭き取り、湯呑み茶碗でお茶をグイッと飲むと、後ろにくっついている雪子を引き剥がして、その場に押し倒した。

「雪子…」

俺が雪子を見つめたままそう言うと、雪子は俺を見上げてふいに微笑んだ。

「大好き」

雪子がニッコリと笑ってそう言うと、俺は雪子の唇を塞いだ。口の中は、甘い味がする。飴か何か、舐めてきたのかな。悲しくなる時、飴を舐める癖がある。子供の頃からの癖だと、前に聞いた。悲しい…のかな。俺が、悲しくさせてるのかもしれない。

この笑顔を、守りたいだけなのに。

そう思っていても、言葉にして伝えることは難しい。俺は、雪子の唇に何度も唇を重ねて、舌を絡めて、やがてせっかくあったまったのに、雪子の服を一枚ずつ剥ぎ取って行った。

雪子を抱いて、ベッドで一緒に眠った後、雪子は声を出さずに微かに泣いていた。
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